SONIMソニン

ご主演されているドラマ「となりのチカラ」の第３話は、ソニンさんが演じたベトナム人のマリアに焦点を当てたストーリーでした。役作りはどうされたのでしょうか。

今回、私は完全オファーではなく
他にキャスティング候補の方々がいて、
読み合わせで決めるミニオーディションだったんです。

台本をいただいたら、セリフがところどころカタカナで書いてあって、特に指示は書いていなかったんですけど、“あ、これはカタコトなんだな”と思って、ベトナムの技能実習生のドキュメントを見て頭に入れて行ったんです。
役をいただけることになってからは、カタコトを模写しないといけないなと思って。ベトナム人の方にセリフを読んでもらって、その音源を頼りに練習して、自分の声で録った音源を聴きながら覚える、という作業を全部やっています。だから私の音声録音アプリはベトナム語ってタイトルばっかりですね（笑）。

マリアのキャラクターに関してはいかがですか？

最初の読み合わせから、
「マリアは感情がすごく豊かで、
アップダウンが激しい感じで演じて
ほしい」
と言われました。

「泣いたと思ったら笑って、次、怒って！」みたいな（笑）。

ひとつのシーンで感情のアップダウンを表現するのは大変そうですね。

現実からかなりかけ離れていたので、大変でしたね！

“ギャグになっていないかな？”ってすごく心配するくらい私の中でアイコニックに演じていたので（笑）。でもコメディだし、“監督がそれを求めているってことは上手く調理してくださるんだろうな”って信じてやりました。ただ、リアリティとコメディをブレンディングするのが難しくて、しかもちゃんと感情も伴っていないといけないので、３話を見るまでは不安でしたね。

ドラマを含めた映像の作品と舞台では演じ方が違いますか？

もう、まったく別物ですね！
“あ、別の職業だな”って
今回改めて思いました！

技法も違うし、身につけなきゃいけない技術も全然違うし、集中力の使い方もそうだし、プロフェッショナルとしてのこだわりや、体の作り方、スタミナも違いますね。限られた時間、集中し続ける舞台と違って、ドラマは朝早くから一日中撮影するけど本番は途切れ途切れだし、生活スタイルや体も変わります。

タイトルの「となりのチカラ」にかけて、ソニンさん自身が力を感じる時を教えてください。

自分の活動やパフォーマンスが
誰かの人生に影響を
与えていると
実感した時が、生きている意味を
感じる
瞬間ですね！

私のパフォーマンスに触れたことによって、「ずっと悩んでいたことが晴れて、明日から頑張れそうです」という感想をお手紙やSNSのDM、コメントでいただくことが、本当に私の生きていく力です。私は早いうちから、自分が存在している意味やアイデンティティを問う環境にいて、自分の価値や居場所みたいなものを求めてきたので。誰かの助けになれたらいいなと思いながらステージに立っています。

ソニンさんは12年前にベジタリアン（肉と魚は食べないが、卵や乳製品などの動物性食品は食べる）になって、そこからヴィーガン（動物性食品を一切食べない完全菜食主義者）に移行して10年が経ちますね。ご自身で感じる変化を教えてください。

いっぱいありますけど、
例えば体の変化でいうと、
無駄に疲れなくなりました。

“なんか今日しんどいな、起きるのが嫌だなぁ…”みたいなことがなくなって、体が軽いんです。食事は栄養摂取のほかに、嗜好の目的がありますよね。それに伴うのは、消化することなんです。臓器はずっと働いている中で、動物性の食べ物を消化するのにもすごいエネルギーがいるし、負担がかかるんですよ。だから、美味しいものを食べて栄養を摂ったはずなのに、すごくダルくて、翌日は胃もたれ、みたいなことが起こるんです。

消化による体の負担が少なくなることで、いい作用が起こるんですね。

あとは、免疫力がすごく上がって
風邪をひかなくなった
とか、
花粉症が穏やかになったとか、
生理痛が軽くなった
という変化もありましたね。

私は元々、生理が重めだったんですけど、症状はかなり軽くなりました。

精神的にはいかがですか？

あまり怒らなくなって、
本当に穏やかになりましたね。

見た目も、久しぶりに会った人から「若返った？」って言われることが多くなりました。ヴィーガンをやりつつ、添加物に気を付けたり、オーガニックのものを選んだり、栄養バランスについて勉強もしているので、そのおかげでもあると思います。

ソイミートをはじめ、今はいろいろなヴィーガンの食材が販売されていますね。

私はそこまでソイミートラバーじゃ
ないし、
乾燥から調理することを
面倒くさがっちゃうので、
食べたい
時はレトルトを使うこともあります。

おすすめは、アサヒコから出ている「大豆のお肉」シリーズの「焼肉」。美味しいんですよ！　味が付いているので、野菜を加えて炒めるだけで焼肉野菜炒めになるんです。
たまに「え、油も使っていいの？」って言われることがありますけど、世の中の調理油のほとんどが植物性ですからね。質素なダイエット生活と勘違いされることがあるけど、それと動物性食品を摂らないことは違うんです。豊かでお腹いっぱい食べられるヴィーガン料理はいっぱいあるし、家で作れば意外とお金がかからないですしね。

最初から完璧にやろうとしなくていいんですね。

「今日は植物性縛りで食べてみよう」
みたいな感じで、
週に１回でもやって
いくと体の変化に気づくと思います。

食事のバランスを気にかけていない人は、それが仕事にも響いていることに気づいていないことがもったいないなって思うんです。食事に目を向けるだけで気分も良くなるし、体調も頭の回転も良くなるし、その結果、人間関係が良くなって、仕事のパフォーマンスも上がる。いろんなことが上手く回り始めるはずだから、体感してほしいですね。

ほかに美容と健康のためにやっているルーティーンがあったら教えてください。

毎朝、起きてストレッチから
始めています。

メニューが決まっていて、ベッドから起き上がるまでにストレッチが終わるようになっているんです。あたたかい布団の中で寝ながら、背伸びから始めて、肩をまわして、腰を捻って、足をぶらぶらさせて、徐々に動かしていくんですね。最終的にベッドの縁に座って、首の運動をして肩をまわして、終わりです。速くやると10分くらいで済むもので、YouTubeにも上げています（笑）。それをやってから起きると、もう脳が起きた状態、体が準備された状態なので、1日のスタートと体のコンディションが違うんです。

3月８日に開催される『AMUSE PRESENTS SUPER HANDSOME W LIVE “HANDSOME” is not just for men.』についても聞かせてください。

私、この仕事をやっていて思うんですけど、女性が男性と
同じ出勤時間で
同じ仕事量で同じ地位で働くのって
すごいことですよね。

女性のほうが体も小さいし、スタミナも少ないし、ホルモンバランスもムラがあるし、頑張らないとついていけないんですよ。だからこそ女性のパワーはすごいと思うんです。今回は、女性のパワフルさや精神的な強さで見てくださる人を元気づけられるライブになればいいなと思って、出演者みんなでいろいろな意見を交わしています。初回だから大変ですけど、このスタートには意味があると思うので、今後も続けていけるようにしたいと思います。

最後に、今後の抱負を教えてください。

今のコロナ禍は大変で、
みんな守りに入ってしまって
なかなか攻められない。

やっても潰されるんじゃないか、ゼロになってしまうんじゃないかとみんなが不安がっていると思うんですけど、そんな状況でも縮こまらないでいたいですね。どうなるか分からないから、なかなか目標が立てづらいですけど、守りに入らないで新しいことにチャレンジすることを今まで以上に意識してやっていきたいです。時代と状況に飲まれないように、自分の意思を明確にしないと、流されて、気づいたら「今年何もやってない！」ってことになっちゃうから。やろうと思っていたことも始めたいです。