INTERVIEW
インタビューINTERVIEW | 2022.04.28RYOKO HIROSUE広末 涼子
正直でいることや自然体でいることは
女性にとって大切だと思います
GUESTS
今、目が離せない人物を迎えて、輝きの秘訣をインタビューする連載『キレメソ』。今回のゲストは、10代からずっと第一線で活躍している俳優の広末涼子さんです。40代を迎え、女優として、母として、一人の女性として、ますます魅力を増している彼女に、時間の使い方や美容の秘訣、日々をご機嫌に生きるコツなど、生きる上で大切にしている哲学についてたっぷりとお話を伺いました。
KIREI
METHOD
広末 涼子
目次
RYOKO HIROSUE
広末 涼子
PROFILE
俳優。'80年7月18日生まれ。高知県出身。'94年に第1回クレアラシル「ぴかぴかフェイスコンテスト」でグランプリを獲得し、デビュー。'97年に「20世紀ノスタルジア」で映画初主演。以降、映画やドラマ、CMなどで活躍。主な出演作は、映画「鉄道員」('99)、「おくりびと」('08)、「コンフィデンスマンJP 英雄編」('22)、ドラマ「ビーチボーイズ」('97)、「ヤスコとケンジ」('08)、「桜の塔」('21)、「エンディングカット」('22)など。待機作に映画「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」(6月17日)、「あちらにいる鬼」(11月)公開予定。書き下ろしエッセイ集「ヒロスエの思考地図 しあわせのかたち」が4月14日に宝島社から発売された。
「ヒロスエの思考地図」
広末さんが約2年間をかけて書き上げた初のエッセイ。哲学者や尊敬する女性たちの言葉を
広末さん自らがセレクトし、これまでに起こった出来事や日常のシーンを交えながら、
その言葉にまつわる自身の想いを語る。さらに、自身で撮影した写真のほか、
プライベートの風景や執筆の様子などを写した貴重な写真も掲載。
Instagram 「ヒロスエの思考地図」公式Instagram
『ヒロスエの思考地図 しあわせのかたち』(宝島社)
『特装版 ヒロスエの思考地図 しあわせのかたち NFTデジタル特典付き』(宝島社)
RYOKO HIROSUE
KIREI METHOD
私にとって“哲学”は疑問や矛盾を
冷静にジャッジしてくれるもの
哲学者をはじめ先人たちの言葉を題材に、広末さん自ら書き下ろしたエッセイが出版されましたね。まずは広末さんが哲学に出会ったきっかけを教えてください。
高校、大学時代に、哲学書、
心理学の本に
ハマったのが
出会いだと思います。
今考えてみると、その頃は仕事がとても忙しくて。学校の教科書のほかに台本が2~3冊はカバンに入っていて、それに付随する原作本や歴史的背景の物語も読んでいたんです。映像化されるものだから、感情的になるもの、感動して涙が出るもの、セリフに感情移入して気持ちを持って行かれるものが多かったので、そこと対極にある哲学書でクールダウンしていたのかなと思います。哲学書は、頭で整理するような、言葉にならない気持ちを形にしてくれるイメージがあったので、仕事と別の趣味の本として読んでいたように思います。
元々哲学に興味があったのですか?
中学生の時に「ソフィーの世界」
(ノルウェーの哲学教師
ヨースタイン・ゴルデルによる
ファンタジー小説。
“一番やさしい哲学の本”として
世界的なベストセラーとなった)
を読んで、哲学の言葉に興味を
持ちました。
そこで素地ができていたんですね。
そうですね。
学校の勉強の知識とも違う、
仕事で感情的に
読む物語とも違う
ものを探していたのだと思います。
その頃、仕事でアウトプットばかりしていくことに不安を感じていました。経験も知識も浅く、自分のボキャブラリーが足りないのに、難しい言葉を使いたかったんだと思います。知識欲と言葉への執着心も強かったので、“言葉にできない表現をどんなふうに形にしていくんだろう?”という問いの答えが哲学者の言葉にあった気がしました。時間や感情に対するいろんな疑問や矛盾を冷静にジャッジしてくれて、気持ちの中で落とし込めるものだったんですよね。
「哲学×日常を綴ったエッセイ」という今までにない掛け合わせがとても興味深かったです。
哲学書は難しいと思われがちなので、
今回の本が吉と出るか
凶と出るか (笑)。
哲学の言葉や本だけを読むと重厚感があって、なかなか手強くて近寄りがたい。一方で私が書いていることはすごく日常的なことだったり、みんなが同じように悩むことだったり、懐かしい思い出だったり、クスっと笑える失敗談だったり(笑)。だからこそ対比があって、哲学の言葉を身近に感じてもらえるんじゃないかなと思って、この組み合わせにしました。
エッセイの中に出てくる言葉の中で、一番好きな言葉があったら教えてください。
種類が違うから難しいんですけど…。
オードリー・ヘプバーンの「この世で一番すてきなことは笑うことだって本気で思います」は大好きですね! 共感しかないし、自分の根底にある精神だなって思います。
年齢とともに少しずつ変化した
のは、
発信することに対する想い
“ふんわりとしていて柔和”というのが広末さんのパブリックイメージだと思うのですが、エッセイを読んで、芯の強さやしっかりとした軸みたいなものを感じました。
へぇ~、そうなんですね!
だからかな、哲学書を
読んでいる
ことも「意外」と言われることが
多いです。
もしかしたら、そういう役が多かったからかもしれないですね。あと死んじゃう役も多い(笑)。役と出会うタイミングは偶然であって、必然でもある。特に意識的に選んできたわけではないんですが、女性的な役が多かったかもしれませんね。
実際の広末さんは男性的思考の持ち主だということは本を読んでよくわかりました。
男の子みたいに育ってきたし、
スポーツしかして
こなかったから、
考え方がスポーツマンですね(笑)。
やるからには勝ちたいし、そのためにはどう努力するか、方法論を考えて、結果を出したい。けっこう直接的で、情緒がある感じではないですね。役との向き合い方も、作り込み方やコンディションの持っていき方は、スポーツから体得したものが大きいんじゃないかなと思います。あと、イメージと違うと思われる理由は、あまり自分の私生活を語ってこなかったからかもしれないですね。SNSをやってこなかったのも大きいかも。
確かに、これまでの広末さんのプライベートはベールに包まれていましたね。
私が子どもの頃に憧れていた
女優さん像が
“ミステリアスで
プライベートが見えない”
だったから
こそ崩したくなかったんです。
でも40代に入る頃から10代20代の時よりも「女性としてどうあるべきか」とか、「どういう選択をしてきたか」とか、生き方みたいなものを聞かれる機会がすごく増えてきたんです。若い時は作品と役ありきのプロモーションだったけど、自分を見せることやプライベートを見せることを発信していく年齢になったのかなとちょっと考え始めた時でした。 “文章なんて人様に読んでもらうなんて恥ずかしい!”と思っていたけど、年齢を重ねて、若い頃のカッコつけみたいなものがなくなってきて、ちょうどいいかなぁって(笑)。こんな時代だからこそ、自分のポジティブパワーと客観的な考え方が人を明るい気持ちにできるとしたら共有したいなと思いました。
広末さんのその“客観力”はどうやって培われたのですか?
やっぱりスポーツが大きかったと
思います。
アップの仕方や本番にピークを持って行くまでのスケジューリング、緊張をどう克服するか、俯瞰で見ていたと思います。ミニバスにしろ、陸上にしろ、小さい頃から試合という本番を何度も踏んできた度胸や潔さみたいなものが影響しているかもしれません。根本にあるのはそこですね。あとは人間観察も客観力に繋がるかもしれないです。“この人ってこういうタイプか”とか“こういう表現をするのか”とか、気づいたらちょっとモノマネしちゃう、みたいな。好きな人や気になる人の特徴を拾うクセがあるんです。職業病かもしれないですね(笑)。
キッチンとリビングと寝室にも
保湿セットを置いて
いつでもパシャパシャ
美容のお話も聞かせてください。こだわりや気をつけていることはありますか?
面倒くさがり屋なんですけど、
とにかく保湿だけは
ちゃんと
するようになりました!
若い頃はメイクしたまま寝ちゃったり、マスカラが目の下についてたり…(苦笑)、やっと“それではいけない!”と思うようになりました。年齢とともに基本的なケアをしてあげないといけないと痛感しています。10代20代は、はつらつとしていて、回復力があるから疲れが顔に出ない。それだけで美しい(笑)。30代40代になるとやっぱり顔に出てくる。そうなると食事と睡眠、普段のリズムやライフスタイルも絶対に大切で、それに加えて保湿だけは欠かさずするようにしています。
具体的にどんなことをしているのか、広末さんの保湿方法を教えてください。
洗面所だけじゃなくて、キッチン、
リビング、寝室にも
同じ化粧水と
美容液のセットを置いて、いつでも
目に
入った時にパシャパシャと
やっています。
それが今はベストな方法ですね。ずっと鏡の前にいられないし、“あ、乾いているかも”と思った時に洗面所に行く時間がなかったり、子どもたちに呼ばれると自分のことは後回しになるから、気づいた時にできるような環境にしています。
化粧水と美容液の2本使いなんですね。
“同じ水分だし、化粧水よりも
保湿力があるから、
美容液だけで
いっか”と思って、化粧水は
洗面所だけに
置いていたんです。
その話をメイクさんにしたら「涼ちゃん、それは水をあげないで肥料だけあげているようなものだよ!」と言われて、“そうか! それは意味なかった!”と知って、ちゃんとセットで使うようになりました。それからは化粧水をベースに、乾き過ぎている時はプラスアルファで美容液を足しています。
ひとつひとつのことを
重要視しながら
大事なことだけやればいい
内面の美容、ご自身のメンタルケアはどうしていますか?
とにかく好きな人に会います。
家族、友達、自分に
元気をくれる人、
自分に戻らせてくれる人。
コロナ禍でなかなか対面で会えないけれど、コンタクトを取ると素の自分に還らせてくれます。その人たちと悩みを話したり、幸せのお裾分けしてもらったり。色々なことを共有することで元気をもらったり、リセットさせてもらえたりします。
では、日々をご機嫌に過ごす秘訣は「好きな人に会うこと」ですね。
そうだと思います! 好きな人と
繋がって、
共有すること、かな。
美味しいものを作ったら人を呼びたいし、いいお土産をもらったらお裾分けしたいし。
仕事、育児、ご自分の時間、日々を忙しくされている中でマルチタスクを上手くまわす秘訣があったら教えてください。
仕事しながら、家事・育児しながら、
執筆しながら、
役者をしながら…
やることが多いですね(笑)。
でも逆に、“短時間しかないから集中力が増す”とポジティブに捉えています。時間が足りないな、手が足りないな、ということはあったとしても、ひとつひとつのことを重要視して向き合っていけば、それほどしんどくならないんじゃないかなと思っていて。そういう意味では、全部大事だから頑張れるのかな。だから極論、大事なことだけやればいいと思います! どうでもいいことまでやろうとすると疲れちゃうし、ストレスになるから、やりたいことだけやる。それでいいと思います!
諦めてどちらかの選択肢だけを
選ぶのではなく
全部追いかけてほしい
理想の女性像はありますか?
私はやっぱり自分の母親、かな。
明るくて元気で、一生懸命で、理想の母親であり、理想の女性像ですね。正直で、真っ直ぐで、可愛らしくて、私のほうが可愛げがないので、“学ばなきゃ!”と思っています。「涼子は負けん気が強いから相手が育たないんだよ」と言われるんです(笑)。「全部涼子がやっちゃうのは、旦那さんを育てる上でも、子どもを育てる上でもダメよ。甘えたり、泣いたり、怒ったりしないと」と。“愛される人だな”と、母を見ていると思いますね。正直でいることや自然体でいることは女性にとって大切なんじゃないかな。
最後に、キレイノートの読者へメッセージをお願いします。
私は、「二兎を追うものは一兎をも
得ず」と言われると
終わってしまう
ような人生を過ごしてきて、
三兎も四兎も追いたいタイプでした。
みなさんもあまり先のことを考え過ぎたり、計算し過ぎたりしないで、今大切だと思うものに正直に。妥協せずに、何かを諦めて、どちらかの選択肢だけを選ぶのではなく、ぜひ追いかけてほしいなと思います。
どちらかを取ったらどちらかを手放さなきゃいけないと思っている方はまだまだ多いと思います。
自分でそのほうがやりやすいと
思うならいいんですよ。
一番楽しくて、気持ちよく好きなものに向き合える道を選ぶのがいいと思います。
PRESENT
広末 涼子さんから素敵なプレゼントが!!
『kirei note』X(Twitter)アカウント
フォロー&リポストで
抽選でに
プレゼント!
【プレゼント内容】
【当選者】
【応募期間】
【応募方法】
キレイノートX(Twitter)アカウントをフォロー。X(Twitter)に投稿している広末 涼子さんプレゼントのキャンペーン投稿をリポストしていただくと応募完了となります。
※プレゼントのご応募にはキレイノートX(Twitter)公式アカウント(ID:@kireinote0915)のご登録が必要となります
ご登録はこちら ▶︎ @kireinote0915
【注意事項】
・当選者のみにご連絡を差し上げます。
・商品の発送は日本国内に限らせていただきます。
また、商品の当選者以外の方への発送はできません。
Today's outfit.
<衣装>
ハーフスリーブショートニット¥12,100
ギャザーキャミソール¥22,000
サイドギャザースカート¥35,200/以上すべて アンスリード(アンスリード青山店)
・ピアス片耳(右) ¥110,000
・ピアス片耳(左)¥110,000
・ネックレス¥187,000/ともに カシケイブラウンダイヤモンド(カシケイ)
・パンプス¥97,900/クリスチャン ルブタン(クリスチャン ルブタン ジャパン)
<問い合わせ先>
アンスリード青山店
03-3409-5503
カシケイ
0120-278-857
クリスチャン ルブタン ジャパン
03-6804-2855
取材・文/依知川亜希子
撮影/内田紘倫(THE VOICE MANAGEMENT)
ヘアメイク/倉田明美(THYMON Inc.)
スタイリスト/岡本純子