2026.09.21
マッターホルンの麓で深呼吸!「SCHLOSS Zermatt」で過ごす、自分を整えるリトリート旅
天を突くような鋭い稜線と、見る角度によって表情を変えるマッターホルン。スイスを巡る旅のハイライトとして、母と2泊したのが、マッターホルンが眺められる山岳リゾート・ツェルマットにある「SCHLOSS Zermatt(シュロス・ツェルマット)」です。
ホテルが大切にしているのは、何かに無理なく没頭し、心と身体の調子が自然とかみ合う”FLOW”という考え方。山へ出かけて身体を動かし、栄養のある朝食を味わい、客室のバスルームやスパフロアで心をゆるめるという、動く時間と立ち止まる時間の両方を楽しむ滞在をレポートします。
車の音が消える、マッターホルンの村・ツェルマットへ

ツェルマットは、スイス南部ヴァレー州にある標高約1,600mの山岳リゾート。一般のガソリン車は村内に入れないため、中心部を歩いていても大きなエンジン音がほとんど聞こえません。観光客でにぎわう場所でありながら、山の空気や、川から聞こえる水の音を感じやすいのが印象的でした。
鉄道でツェルマット駅に到着すると、SCHLOSS Zermattまでは歩いてすぐ。ホテルは静かな脇道にありながら、駅やゴルナーグラート鉄道の乗り場、村の中心部へ移動しやすい場所にあります。大きな荷物を持って何度も移動する必要のあったスイス旅では、駅からすぐという近さが想像以上に助けになりました。
行動と休息を切り替える”FLOW”がホテルの軸

SCHLOSS Zermattは、山で身体を動かすための拠点であると同時に、心身を休めることにも力を入れたスポーツ&スパホテルです。館内は、山岳ホテルらしい木の温もりにパープルやグレーカラーを合わせた、シックで洗練された雰囲気。団体ツアーのゲストの受け入れは行っていないので、細部まで美しく整えられた空間でありながら、自分のペースで自然体に過ごせる落ち着いた空間です。

ホテルが掲げる”FLOW”は、目の前のことに意識が向き、力みすぎずに集中できる状態を指す言葉。ヨガや運動、山での活動だけでなく、食事、スパ、睡眠までを一つの流れとして考えているため、客室にエクササイズアイテムが用意されているのも特徴。
旅の疲れを受け止める、眠りを主役にした客室


今回滞在した客室には、ゆったりとしたキングベッド、バスタブ、バルコニーが備えられていました。
全客室のベッドには、北欧発の寝具メーカー「Jensen」の製品を採用。睡眠が心身の回復と”FLOW”の土台として位置づけられています。移動が続く旅では、眺望の華やかさだけでなく、よく眠れることもホテル選びの大切な基準。広々としたバスタブとベッドに身を預けられる時間を持てることは、山歩きのためにここを訪れる観光客にとって嬉しいポイントです。
色と栄養で目覚める、山へ向かう朝食

朝食会場に並ぶのは、野菜、果物、穀物、フレッシュジュース、地元の卵料理、焼きたてのワッフルなど。乳製品を使わないメニューやヴィーガン向けの料理もあり、その日の体調や好みに合わせて選べます。
山に出かける日の朝食は、軽すぎても、食べすぎても動きに影響するもの。必要なエネルギーをしっかり補給しながら、すっきりと一日を始められる朝食でした。窓の外の澄んだ空気を感じながら食べる時間が、一日のスイッチになります。
15時からのティータイム。日本茶のクオリティにも驚き


毎日15時から17時までは、宿泊者向けのティータイム。ラウンジにちょっとしたスイーツが用意され、ティーやコーヒーとともに自由に楽しめます。山や街から戻ったあと、夕食までの時間にひと息つける、嬉しいサービスでした。
特に印象に残ったのが、抹茶がブレンドされた日本茶。海外のホテルで日本茶を頼むと、香りや味わいが物足りなく感じることもありますが、こちらは日本でいただくものと比べても遜色のない美味しさ。スイスの山岳ホテルで、日本茶と小さなスイーツを味わう時間が持てるなんて驚きました!
ゴンドラと登山鉄道で、マッターホルンの懐へ

ツェルマットに来たら、やはり間近で見たいのが、標高4,478mのマッターホルン。
今回は、二つの展望地を一日で巡る「Peak2Peak」の周遊ルートを利用しました。まずはゴンドラを乗り継ぎ、標高3,883mの「マッターホルン・グレッシャー・パラダイス」へ。そこから再びゴンドラでリッフェルベルクへ向かい、登山鉄道「ゴルナーグラート鉄道」に乗り換えて標高3,089mのゴルナーグラートへ。最後は、同じ登山鉄道でツェルマットまで戻ります。
ゴンドラの高度が上がるにつれ、緑の谷は次第に岩肌と氷河の世界へ。
マッターホルン・グレッシャー・パラダイスは、ヨーロッパで最も標高の高い場所にある山岳駅。山頂そのものに登らなくても、マッターホルンを中心に連なる4,000m級の峰々と氷河の景観を間近に感じられるので、価格は超高額ながら大人気のアクティビティ。





冷たく澄んだ高地の空気の中に立つと、日常で考えていたことが遠くに離れていくようでした。
帰りはツェルマットと標高3,089mのゴルナーグラートを結ぶ登山鉄道「ゴルナーグラート鉄道」を利用。美しい湖のあるリッフェルベルクから乗車し、ゴルナーグラートを訪れたあと、そのまま鉄道でツェルマットへ戻りました。
車窓には高山植物のある草原、岩場、氷河、そして角度を変えながら現れるマッターホルンが続きます。目的地へ急ぐ移動ではなく、長く景色そのものを味わう時間となりました。
高級時計からマクドナルドまで。バーンホフ通りを歩く


山だけでなく、街歩きもツェルマットの楽しみの一つ。駅前から続くバーンホフ通り(Bahnhofstrasse)は、レストランやカフェ、土産店が集まる村のメインストリートです。ロレックスなど高級時計のようなブランドショップがある一方、見慣れたマクドナルドも並び、世界的な観光地らしい意外な組み合わせに目を引かれます。
チョコレート、お土産ショップ、レストラン、ホテルなどが立ち並び、景色を眺めているだけでもワクワクした気分に!



通りを抜けると、少し先には昔ながらの木造家屋が残る一角も。洗練された店が並ぶにぎわいと、山の村としての歴史が近い距離に共存しています。買い物を目的にしなくても、ショーウインドーを眺めながら歩くだけで、山上とは違うツェルマットの表情に出会えました。
また夏限定で、牧童がヴァレー州のヤギを引き連れて歩くアルプスの風景をバーンホフ通りで見ることができます。私は運よく、その光景に出会うことができました!

次回は体験したい、630㎡のウェルネススパ
館内には、広さ630㎡の「CBD & Adaptogenic Spa」があります。屋内プールに加え、複数のサウナ、スチームバス、ソルトルーム、休憩室、トリートメントルームを備えた空間です。山の散策の後に、そのままホテル内で休息へ切り替えられる施設が整っています。
スパの特徴は、CBDや、ホテルが「アダプトジェン」として紹介する植物・キノコ由来成分を施術や化粧品に取り入れていること。80分のシグネチャートリートメント「Just Chill」をはじめ、マッサージやフェイシャルなどが用意されています。

マッターホルンの雄大な景色はもちろん、SCHLOSS Zermattで心に残ったのは、朝食で一日を始め、山で身体を動かし、午後のティータイムにひと息つき、客室のお風呂と眠りで身体を休める、ゆるやかな一日の流れです。
忙しい日々から少し離れ、マッターホルンの麓で大きく深呼吸。心に抱えていたものが、少し軽くなるような滞在となりました。

ビューティ・スパ&トラベルライター/Yuki Link Pte.Ltd.代表(シンガポール法人)大学卒業後、女性誌・書籍・ウェブなどで取材・執筆を行うほか、TV・ラジオ出演、美容イベントMC、美容セミナー・ライター講座の講師など、美&旅を軸に15年以上活動中。アメリカN.Yなどへの留学経験があり、コロナ禍前の数年間は毎月、飛行機・ホテル・観光などのトラベル取材で国内外を巡ってきたジェットセッター。“旅=美を磨くためのエッセンス”と捉え、旅先で美容スポットを体当たりで巡る取材も多く行う。■Coffret web:https://coffretweb.net/
■Instagram:@yukiishihara1112
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