SERIAL STORY

2024.06.12

<佐藤めぐみのcoffee note vol.6>
コーヒーとスイーツが絶品の緑あふれるお店

東京はおしゃれでかわいい、そして美味しいカフェの激戦区。そこで、コーヒー好きとして有名な女優の佐藤めぐみさんと、東京のカフェを巡る連載をお届けします。

第6回は【住宅街で女性バリスタがたった一人で切り盛りしている居心地のよいお店】。ほっと一息つきたくなるような、あなたのお気に入りのカフェが見つかりますように——。

@STAN COFFEE AND BAKE

田園都市線用賀駅南口から徒歩9分、瀬田交差点の直ぐ裏手の閑静な住宅街にあるSTAN COFFEE AND BAKE。2020年8月に東京都世田谷区の用賀にオープンし、もうすぐ丸4年を迎えます。店内いっぱいに飾られた観葉植物や、統一感のある家具が揃った空間は香ばしいコーヒーの香りで包まれています。店内に一歩入れば「きっとおいしいお店に違いない」とワクワクさせてくれます。オーナーの石渡さんがたった一人で切り盛りをするお店は、彼女の好きが“ぎゅっ”と詰まった温もりが感じられるお店です。

立地の条件は
「なるべく駅から遠くて静かな場所」

佐藤めぐみ(以下、佐藤):石渡さんとは、かれこれ2年ほどのお付き合いになりますね。これまで何度もお店に通わせてもらっていますが、今回は改めていろいろとお話を聞かせてください。用賀でオープンして今年の8月で丸4年、まずはなぜこの場所にお店を構えたのでしょうか。

石渡やえ(以下、石渡):普通はお店をオープンする時、駅から近い土地を探すと思いますが、私はなるべく駅から離れていて静かな環境でお店を開きたかったのでこちらの場所にしました。オープン前から一人で切り盛りしていくつもりだったので、そんなに大きな空間は必要ないと思っていました。

佐藤:今回も店内に入るとすぐにコーヒーのいい香りが出迎えてくれました。初めて来た時も植物に目が止まりましたが、今日もグリーンが青々としていますね。

石渡:観葉植物は昔から好きで、とくにちょっと変わった植物が好きなんです。常連のお客さまの中には「大きくなってきたね」と植物を観に来てくれる方もいます。お客さまとの会話も本当に楽しいです。

佐藤:壁一面に飾られたドライフラワーも素敵です。

石渡:いただいたものもありますが、半分くらいは手作りなんですよ。

佐藤:お店の雰囲気ととっても合っています。やっぱりグリーンがあると落ち着きます。また、お客さま一人ひとりと会話できるような座席の配置もいいですね。動きやすい導線を考えてあることがよくわかります。
次に、お店で使っているコーヒー豆の特徴を教えてください。

石渡:ここでは焙煎ができないので、前職でお世話になったONIBUS COFFEEに豆の特徴や焙煎の具合をお伝えし、毎回焙煎してもらっています。

佐藤:焙煎もこだわりがありそうですね。

石渡:ブラックで飲んでもミルクと合わせてもおいしいように、また、アイスで飲んでもホットで飲んでもいいようにバランスにこだわり、2種類の豆をブレンドしています。豆は店内でも販売しているのですが、自宅でもとても使いやすいと思います。

佐藤:何種類もの豆を扱うお店が多い中、たった1種類の豆で勝負されているとは潔さを感じます。

石渡:決めるまではかなり試行錯誤しましたが、今はこの1種類で勝負しています。

佐藤:石渡さんはこちらのお店をオープンさせる前も何軒か有名コーヒー店で働いていたと聞いています。石渡さんにとってコーヒーの魅力とは?

石渡:魅力はいっぱいありすぎて一言では言い表せないですが、真っ先に浮かぶ理由は「好きだから」という言葉に尽きますね。また、「面白さ」も感じています。焙煎した日の天候や時間、寝かせ具合によって味が違うのでコーヒーは“生もの”だと捉えています。

佐藤:自分のために淹れる一杯はいつ飲んでいますか?

石渡:毎朝、テイスティングを兼ねてお店に着いたらまず1杯淹れて味わっています。毎日少しずつ気温や天候が違うので、昨日淹れたコーヒーを完全に再現できないこともコーヒーの魅力のひとつだと思います。

佐藤:スイーツのこともお聞きしたいのですが、(目の前にある)焼きあがったばかりのスコーンが本当においしそうです。店内もほのかに甘い香りで包まれていますね。

石渡:スコーンは早朝に焼いて、オープンの8時には並べていますが午前中にはなくなってしまうことが多いです。追加で焼く日もありますが、日持ちがしないのでその日で調整しながら焼いています。

佐藤:スコーンはお店によって「色」が出るスイーツかと思います。

石渡:コーヒーに合うスイーツはいろいろと試作を重ねましたが、やっぱりスコーンは思い入れがあります。もともと「定義」がないスイーツなので難しいとされていますが、私の中では「何もつけなくてもおいしい」を目指しました。配合や焼き加減など何度も試作を重ねた結果、納得いく形がようやくできました。今ではお客さまが喜んで食べてくれる姿を見ると努力が報われたなと感じます。

佐藤:お店に訪れるお客さんにはどんな気持ちになってもらいたいですか?

石渡:利用してくださるお客さんはお忙しい方が多いので、一杯のコーヒーを飲んでほっと一息ついてもらいたいですね。そしてまた、その日一日を頑張ってもらえたら嬉しいです。

佐藤:お店も今年の8月で5年目に入りますが、今後もどんなお店でありたいと思っていますか? お店の拡大などは考えていますか?

石渡:今のまま地域の方に愛されるお店であることを目標にしつつも、今後はコーヒーと一緒に楽しんでもらえる”パン“にも挑戦してみたいですね。
お店に関して、拡大はまったく考えていません。これまで通り自分一人でやっていけるお店を持続していきたいと思っています。

佐藤:お一人で切り盛りするのは自分の想いのまま動けますが、コーヒーを淹れることはもちろんのこと、早朝からのスイーツ作りや接客、販売も自分一人でこなさないといけないので日々の体調管理が大変そうです。

石渡:そうなんです。だから体調管理は普段から気を付けています。でも、毎日お客さまとお話ししていると、私も元気をもらえるので今のところこのスタイルのまま続けていきたいなと思っています。

ほのかな甘さとスッキリ後味のカフェラテ
なにもつけなくてもおいしいスコーン

吟味を重ねて焙煎した苦味と酸味のバランスの取れたコーヒーに合わせるのは、北海道の良質な生乳で作ったミルク。牛乳特有の臭みがなく、コクとまろやかさのある美味しいミルクで作っているのでいつ飲んでもスッキリ優しいお味です。
そんなカフェラテとあわせてこの日いただいたのは早く売り切れてしまう大人気のスコーン。ほんのり温かいスコーンを手にするとふわっと甘い香りが漂いました。コロンとしたフォルムもかわいくてサイズ感もちょうどいいんです。口にいれると一瞬でスコーンの概念が変わるほどしっとりなめらか。たしかにこれはなにもつけなくてもおいしい。
スコーンが口の中に少し残った状態で、カフェラテを口に注ぐと…笑顔にならない人はいないはず!?

取材時もお店の前を通る常連さんが続々と石渡さんに声をかけていました。きっとここはみなさんの駆け込み寺のような存在なのかもしれません。
また、人気の田園都市線・用賀駅が最寄りということもあり何軒もコーヒー店がある中、同業者同士も仲が良く横の繋がりを大事にしているようです。
将来的には従業員を雇って、お店の拡大を視野に入れているのかと思ったら「あくまでも一人で」と、今のスタイルを貫き通すという石渡さん。出会った頃から一本筋が通った潔さを感じる女性でしたが、今回改めてお話しを聞いてやっぱりかっこいい!!と思わせてくれる女性でした。これからも通い続けます。

STAN COFFEE AND BAKE
東京都世田谷区瀬田4-22-16 1F
https://www.instagram.com/stan_coffeeandbake

>>vol.1 苦手な人にもおすすめしたい、こだわりの名店
>>vol.2 昭和レトロな雰囲気のお店
>>vol.3 こだわりのシングルオリジンコーヒー
>>vol.4 新風を吹き込んだ、女性バリスタのお店
>>vol.5 一杯でいつもの今日を“ちょっといい日” に

取材・文/安田ナナ
撮影/渡会春加

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