2026.10.10
「ブレスト・アウェアネス」って知ってる?乳がん経験者の言葉から考える、自分と大切な人の守り方
10月は乳がんの正しい知識を広め、早期発見の大切さを伝える「ピンクリボン月間」。

2026年10月1日、有楽町朝日ホールで開催された「ピンクリボンフェスティバル2026 オープニングナイト」に参加してきました。

登壇したのは、25歳で乳がんを経験した元SKE48の矢方美紀さんと、2017年に乳がんの手術を受けた歌手の麻倉未稀さん。
お二人の体験談を通して改めて感じたのは、乳がんは決して他人事ではないということ。そして、自分の身体に関心を持つことはもちろん、正しい知識を持つことで大切な誰かを支えられるかもしれないということでした。
25歳で乳がんに。矢方美紀さんが語った「気づき」のきっかけ

元SKE48で、現在は声優やタレントとして活動する矢方美紀さん。2018年、25歳の時にステージ2Bの乳がんと診断され、左乳房の全摘出とリンパ節切除の手術を受けました。
最初に感じた異変は、胸にできた「ビー玉のようなしこり」。痛みもなく、赤く腫れることもなかったそうです。
病院を受診するきっかけになったのは、知人への相談でした。周囲に乳がんの知識を持つ人がいたことで、受診へとつながったと振り返ります。
治療では、乳房の切除による見た目の変化や脱毛、薬の影響など、仕事との両立にも多くの葛藤があったそう。そんな中、冷静に寄り添ってくれたお母さんの存在も心強かったと話していました。
特に印象に残ったのは、人と話すこと、そして知識を持つことの大切さ。
自分が乳がんにならなかったとしても、身近な誰かが悩んだ時、知っていることがその人の助けになるかもしれません。
遺伝子検査で知る、これからの自分の身体

トークには、聖路加国際病院の認定遺伝カウンセラー・鈴木美慧さんも登壇。遺伝性乳がんや遺伝子検査について、専門的な視点から解説がありました。
遺伝子検査では、特定のがんにかかりやすい遺伝的な要因があるかを調べることができます。
矢方さんも金額面のこともあり、検査を受けるか迷ったそうですが、将来のリスクを知ることができれば、心構えや今後の選択につながると考え、検査を受けることを決めたといいます。
受けた最初の結果は、病的な変化があるともないとも判断できない「意義不明」というものでした。
意義不明、わからなかったのなら受けた意味がないのでは? と私も聞きながら思いましたが、実際は、遺伝子検査は一度の結果ですべてが決まるわけではないのだそう。現時点では判断できなくても、医学の進歩によって数年後に結果の解釈が変わり、新たな情報が伝えられる可能性もあるそうです。
検査を受けて終わりではなく、数年後に必要に応じて専門家と長期的につながりながら、将来の健康について考えていけることも、遺伝子検査の大きな意義だと感じました。
自分の身体をより深く知り、必要な備えを考える。そんな選択肢があることも、今回初めて詳しく知ることができました。
麻倉未稀さんが伝える、自分の身体を知り、思いを伝える大切さ

後半に登場したのは、歌手の麻倉未稀さんです。2017年に乳がんが見つかり、乳房の全摘手術を経験されています。
印象的だったのは、がんにまつわるエピソードを明るく、ユーモアたっぷりに話されていたこと。
術後に医師から歌ってみるよう勧められた話や、極秘のつもりだった入院が周囲に知られていたというエピソードには、会場からも笑いが起こりました。以前と声も変わったものの、それを「キャンサーギフト」だと話していたのも感慨深く、がんに立ち向かった時間を糧とする力強さを感じました。
また、乳房再建ではインプラントを選択。歌手として筋肉への負担を避けたいという希望を医師に伝え、相談を重ねたそうです。
自分の身体を理解し、何を大切にしたいのかを医師に伝えること。それも納得のいく治療を選ぶために欠かせないのだと感じました。

最後には、ドラマの主題歌として知られる「HERO」を披露。力強い歌声からは、病気を経験しながらも自分らしく生きるエネルギーが伝わってきました。
今日から始めたい「ブレスト・アウェアネス」

今回のイベントを通して、最も心に残った言葉が「ブレスト・アウェアネス」です。
これは、日頃から自分の乳房の状態に関心を持ち、変化に気づいたら適切に行動する生活習慣のこと。
大切なのは、次の4つです。
- 普段の自分の乳房の状態を知る
- しこりや皮膚のくぼみなどの変化に気をつける
- 変化に気づいたら、すぐに専門医へ相談する
- 40歳になったら、2年に1回乳がん検診を受ける
毎日の入浴や着替えの際に、いつもの状態を「見る・触る・感じる」。特別な道具がなくても、日常の中で始められる習慣です。
そして、乳房に気になる変化があれば、年齢にかかわらず検診を待たずに受診することが大切です。
忙しい毎日の中で、自分の健康はつい後回しになりがち。
けれど、今回お二人のお話を聞いて、自分の身体を知ることは、自分を大切にすることなのだと改めて感じました。
さらに、正しい知識を持っていれば、家族や友人が不安を感じた時に、そっと背中を押すこともできるかもしれません。

知人に相談したことで受診につながった矢方さん。相談を受ける側も、正しい知識があれば適切な行動を後押しできるかもしれません。また、麻倉さんのように、自分の希望を医師にしっかり伝えることも大切です。
今回のお二人のお話を通して、正しい知識を持つこと、そして不安や思いを自分の胸の内だけにしまわず、言葉にして伝えることの大切さを再確認しました。
自分の身体に関心を持ち、ブレスト・アウェアネスを心がけること。誰かと話し、必要な時には相談する。そんな小さな行動が、自分自身や大切な人の未来を守る一歩になるのだと思いました。

フリーランス。旅行、アウトドア、マリンスポーツが大好きな二児の母です。今1番楽しいことは、子供の成長に合わせて、日本国内・海外を旅すること。宿泊レポや美容体験、フードの記事が得意です。ヘルシーでアクティブな記事をお届けしていきます!
◆Instagram:@ayano_nico1209
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