【鞘師里保×小西桜子】“その人らしさ”をどう生きる?心の揺らぎに向き合った役作り
INTERVIEW

2026.10.01

【鞘師里保×小西桜子】“その人らしさ”をどう生きる?心の揺らぎに向き合った役作り

鞘師里保さんと小西桜子さんがW主演を務めるドラマ特区「付き合ってあげてもいいかな」が、9月10日から放送を開始しています。原作は、漫画家のたみふるさんによる同名漫画です。

国内で累計閲覧数1億view超えを突破し、アメリカ・タイ・ドイツ・韓国・台湾で翻訳版が発売、8年という連載期間を経て完結した超人気作。国内外に多くのファンを抱える本作の映像化に、放送直後から大きな話題となっています。

鞘師さん演じる猿渡冴子と、小西さん演じる犬塚みわのGLカップルの恋の行方は…?

今回は鞘師さんと小西さんに、お互いの第一印象から撮影現場のエピソード、またリフレッシュ方法など、プライベートな質問にも答えてもらいました。

心の揺らぎを描く作品だからこそ、監督と丁寧に紡いだ役作り

――まずはお互いの第一印象を教えてください。

鞘師:今回の作品で初めて小西さんにお会いしましたが、テンポ感やまとっている空気感がお名前の通り、春風のような雰囲気の方だなと感じました。そして、会って早々に「みわっぽい」と感じるところがあり、これから一緒に作品を作り上げていくことが楽しみでしかたありませんでした。

小西:実写化にあたり、冴子役は鞘師さんしかいないと思うほど、唯一無二の存在だと感じました。会った瞬間から「冴子」そのものでした。また鞘師さんは、表現者としても魅力にあふれている方です。そんな方とご一緒することができて本当に嬉しかったです。一緒にいる時間が増えていくと、細やかな気配りができて積極的にコミュニケーションを取ってくれる方なんだなと感じました。

――それぞれの役の印象と、演じるにあたり意識したことを聞かせてください。

鞘師:私が演じた冴子は、グループの中でもお調子者でムードメーカー、人当たりの良さが特徴だと思いました。また、先頭に立つ人のエネルギーがあるように感じたので、クランクインをしてからも冴子という役について模索しました。朝ごはんを食べるようにしたり、激しい音楽を聴きながら現場に向かったり、まずは物理的なところから冴子を意識していきました。

小西:みわは不器用でいろんなことに対して免疫がなく、恋愛経験も少ない子なのかなという印象を受けました。でも、そこがかわいらしくてチャーミングな女の子だと感じました。演じる上では、いたって真面目にがんばっている部分を表現できるよう意識しました。また、冴子が時にみわに対して、もっと器用にやればいいのに、と思う部分にも共感する一方で、みわのことがかわいくて放っておけない、守りたいという気持ちも芽生えました。

――冴子のみわへの愛情表現にはどんな印象を受けましたか?

鞘師:冴子は恋愛経験もあり、みわを引っ張っていこうと思っているのに愛情が深まっていくうちに嫉妬心が生まれたり、大人でいようと思っているのに子どもっぽい自分に直面してしまったり…。とても人間味がある子だと感じました。内面的な部分の印象は、自分の弱さを明るさでごまかしてしまう、心配させないようにする優しさもある女の子です。冴子を見つめれば見つめるほど愛おしく感じるキャラクターだったので、最後まで全力で演じようと思いました。

――撮影時、二人の監督とは役柄やお芝居についてはどんなお話をされたのでしょうか。

鞘師:山田監督とホン監督は限りある時間の中で、できるだけ私たちの心情に丁寧に向き合ってくれました。私たちも、冴子とみわとしてそれぞれが思っていることを言葉にして、監督とのズレが大きくならないよう話し合いの時間を大事にしました。

小西:今回の作品は意味を持った大切なシーンが多かったのですが、そんな中でも山田監督とホン監督は楽しい空気感を作ってくれていました。個人的には、撮影に入る前に監督とお話しをする機会をいただき、みわという役についてきちんと話してから撮影に臨むことができて、とても良かったです。

――具体的にはどんなお話しをされましたか?

小西:俳優として監督から求められることに真摯に応えようと思っています、とお話したところ、山田監督から「原作のキャラクターにどう寄せ、どうアレンジするかは私たちが担うので、まずは小西さんの思うみわを演じてください」と言ってくださいました。その言葉を聞いて、信頼できる良いチームなんだなと思いました。

世界配信への期待と手応えを感じて

――原作を読まれて作品に関してどんなところに魅力を感じましたか?

鞘師:人間関係が深まる中で生じるボタンの掛け違いや、相手に近づきたいと願うほど見たくない自分が現れてしまうもどかしさ。そうした主人公たちの繊細な葛藤がとても丁寧に描かれている作品だと感じました。特に魅力を感じたところは、まるで自分のそばにいる人の人生を見ているような感じを受けるところです。作品に没入していくと、自分にも思い当たる節がありました。

小西:人間のキレイな感情だけではない部分にもまっすぐ向き合いながら描かれている作品だと感じました。多くの方から愛されている作品ですし、私の周りにも、もともと原作が大好きな人が多く、今回演じさせてもらえることが本当に光栄です。緊張感を持ちながら最後まで撮影に臨みました。

――お2人は原作のある作品を演じる場合、どんなことに気をつけて演じていますか?

鞘師:原作があることで、冴子の髪型やギターを弾く姿など、キャラクターの輪郭を掴むことができました。そこから先は冴子の人間性を深く咀嚼していって、到達したい部分や着地点は決めたいと思っていました。ですが、ただ表層的になぞるのではなく、彼女の心に寄り添い、生身の人間として一緒に作品を作っていく感覚を大事にして撮影に臨みました。

小西:原作の中に心情が描かれているので、キャラクターとして演じるというよりも、自分の中にみわを落とし込んで、感情面からの役作りを心がけました。雰囲気や、“らしさ”を感じていただけたら嬉しいです。

――今回の作品は世界配信と聞いています。意気込みを聞かせてください。

鞘師:発表した直後からありとあらゆるところから反応をいただいているので、原作の大きさを実感しています。SNSでスペイン語圏の方がタグ付けしてくれていたり、いろんな方が注目をしてくれている状態を見ると嬉しくなります。撮影はすでに終えているので、今は私たちが全力で向き合った作品が世界中の皆さんに率直に届くことを願っています。

小西:私自身も海外の作品を観ることが好きなので、自分が出演している作品がこうして多くの方に観ていただけることを感慨深く感じています。もともと原作は海外でも人気なので、ドラマ化の情報が解禁された時点で多くの方に反応をいただきました。国境を越えて多くの方に届くといいなと思います。

静と動、それぞれのリフレッシュ方法

――次にプライベートの時間のことも聞かせてください。日々習慣化していること、大事にしていることはどんなことですか?

鞘師:私は朝起きたら、必ず水を飲みます。そのことが身体にとってプラスもしくはマイナスかはわかりません。でも、なんとなく一日のはじめをまっさらにした状態ではじめたいという思いで、儀式的な感覚で朝一に水を飲むことを習慣化しています。

小西:私はお風呂の時間を大事にしています。シャワーだけで済ませるのではなく、湯船に浸かることを徹底していて、朝でも時間があれば仕事前に湯船に浸かって身体を温めます。サウナも好きなので、汗をかいては水分を摂って…を繰り返し、身体の中を循環させています。

――忙しい日の連続で心身ともに疲れたなと思った時、どんな風にしてリフレッシュしていますか?

鞘師:私は炊事をしたり、断捨離をしたり、家の中を片付けることでリフレッシュしています。時間に関係なく、思い立ったら即、家の中を整理整頓します。でも、逆に何もしない日もあります。とにかく何もしない。これもリフレッシュになっていますね。

小西:私は自然のある環境が好きなので、外に出て自然を感じる場所に行きます。動物も好きなので、動物園にも行きますね。自然や動物に触れることで、自分も野生の感覚に寄せられるような気がしてリフレッシュできます。

――最近、動物園に行ったのはいつでしょうか?

小西:今年プライベート旅行で行ったインドネシアで動物園に行きました。「ロンボク・ワイルドライフ・パーク」という野生の動物がいる動物園なんですが、人の手が入っていないような土地で動物たちが本当に自由にのびのびとしているんです。すごく開放的な気持ちになりました。

“何かが始まる気配”に心が揺さぶられる(鞘師)

――小西さんは自然や動物がいる環境が本当に好きなんですね。鞘師さんはいかがですか? 最近行った旅先で印象に残っているところがあれば教えてください。

鞘師:都市が好きなので、ニューヨークやロンドンが印象に残っています。その土地のエンターテインメントに触れることが刺激になっています。

――具体的にどんなことに心が揺さぶられましたか?

鞘師:出来事そのものよりも、何かが始まる直前に最も心が揺さぶられたりドキドキするタイプなんです。ブロードウェイの舞台でも、観終わった後より幕が上がる寸前が一番のピークで号泣してしまったり。ライブでも、アーティストが登場する直前のスポットライトを見ただけで涙が溢れてきます。

――これから何かが始まるワクワクドキドキ感に一番心が揺さぶられるわけですね。

鞘師:物事が起こる前、そこに至るまでにいろんな人たちの努力や気持ちが向いていた瞬間のサインのようなものを感じて、そこに高揚します。だから旅先もそういうドキドキを味わえる場所を求めます。でも、もしかしたらもっと単純な理由で、田舎育ちなので都会に憧れがあるだけかもしれませんが(笑)。

“次に行きたい場所”は、大自然と共生できるところ(小西)

――では、これから行ってみたいところはありますか?

鞘師:私はアムステルダムに行ってみたいです。以前、ロンドンとパリには行ったことがあるのですが、アムステルダムには日程的に回れず心残りになっているので、いつか行ってみたいです。

――アムステルダムでどんなことをしたいですか?

鞘師:行ったことがある人に、アムステルダムはヨーロッパの空気がある一方で、日本人が調和できそうな人たちも多いと聞きました。でも、その感覚がどういうことなのかわからないので、実際にアムステルダムに行って、現地の人と交流してみたいです。

――小西さんは行きたい旅先はどちらでしょうか。

小西:私はやっぱり自然のある土地に憧れるので、いつかアイスランドに行きたいなと思っています。アイスランドは滝や湖も多いですし、オーロラも見えると聞きます。まだ見たことのない、自然の神秘みたいなものに惹かれるので、いつか行ってみたいですね。あとはモンゴルにも行ってみたいです。

――モンゴルも多くの自然が残っていますね。

小西:砂漠の中を歩いたり、星を眺めたり、遊牧民の生活を体験したり…とにかく大自然を感じたいです。いつか訪れる日を楽しみにしたいと思います。

Profile
鞘師里保
1998年生まれ。広島県出身。2011年にモーニング娘。9期メンバーとしてデビュー。絶対的エースとして活躍する。グループ卒業後はニューヨークへ留学を経験する。圧倒的なパフォーマンスを武器にソロアーティストとして活動する傍ら、近年は俳優としても活躍している。近年の出演作は、ドラマ「憶えのない殺人、舞台『デスノート THE MUSICAL』がある。

小西桜子
1998年生まれ。埼玉県出身。2019年、三池崇史監督作品、映画『初恋』のヒロイン役を3000人参加のオーディションから抜擢される。同作は、カンヌ国際映画祭の公式上映に参加するなど注目を集めた。近年の出演作に映画『ありきたりな言葉じゃなくて』『終点のあの子』など。映画『2126年、海の星をさがして』の全国公開を11月13日に控える。

■『付き合ってあげてもいいかな』
2026年9月10日(木)より順次放送スタート
出演:鞘師里保 小西桜子 山下永玖 伊島空 葵揚 黒崎レイナ 橋本稜(スクールゾーン) 山谷花純 紺野彩夏
原作:たみふる「付き合ってあげてもいいかな」(小学館「裏少年サンデーコミックス」刊)
監督:山田佳奈 洪先恵 
脚本:松ケ迫美貴
公式HP:https://www.mbs.jp/tsukikana/
公式X:https://x.com/tsukikana_mbs

ヘアメイク/本岡明浩<鞘師>
三宅茜<小西>
スタイリスト/藤本大輔(tas)<鞘師>
小笠原ヨシエ<小西>
撮影/稲澤朝博
取材・文/安田ナナ

<衣装協力>
鞘師:
NEPENTHES WOMAN TOKYO(03-5962-7721)
NEPENTHES(03-3400-7227)
PLUIE(PLUIE Tokyo  03-6450-5777)
小西:
ブラウス¥37,400 STUDIOS(STUDIOS WOMENS TOKYO 03-6629-2335)
スカート OpéraSPORT
リング¥110,000,¥374,000 YOSTER(EMME CO., Ltd 03-6419-7712)
イヤリング¥14,300 LEINWÄNDE(LEINWÄNDE CUSTOMER SUPPORT customer@leinwande.com)
ベルトにしたネックレス¥36,300/リング¥34,300 MAISON D’PULSE(MAISON D’PULSE カスタマーサービスhello@maisondpulse.com)
ブーツ¥33,000 YELLO(03-6804-8415)

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