SERIAL STORY

2021.05.31

ベトナム料理で叶う、キレイの秘密

ベトナムを知りつくしている中塚先生と森泉先生によると、ベトナム人は美容に対する意識がとても高く、若い女性の間でも“薬食同源”といった考え方が普通で、食べる時間を気にする人も多くいるそう。そのためか、ほとんどのベトナム料理には野菜やハーブがたっぷりと使われています。地域によって異なりますが、全体として高温多湿、熱帯モンスーン気候に属しているので、体内にこもった熱を冷ましたり、デトックスを促す食材やメニューが豊富なこと。食事の際にスープを飲むことで、水分やミネラル類を補給する食文化なのかも。加えて、フルーツ大国でもあるベトナムでは、たくさんの果物を食べることで自然と酵素を摂取しています。ベトナム人にスリムな人が多い理由、キレイの秘密は、そういった食事情にあるかもしれませんね。

ジャスミンライス

ベトナムやタイで生産されているインディカ米の一種で、細長い形をした香り米のこと。名前に使われている「ジャスミン」は、ジャスミンのように香り高いという意味で、最高品質のお米をさします。日本で食べられているお米に比べてアミロースの含有率が高いので、血糖値を上げるスピードが緩やか。身体への負担も少なく、糖質制限やダイエットをしている方にもおすすめです。また、安眠効果があるともいわれています。

ホムデン

ベトナム料理のほか、タイ料理にもよく使われている香味野菜。ねぎとエシャロットの雑種で、日本では「赤わけぎ」とも呼ばれています。赤玉ねぎより辛みも香りもマイルドながら、特有の香りと風味があるので、料理の香りづけに便利。カロテン、ビタミンCを多く含んでいて、風邪や二日酔い、下痢などの症状を緩和するといわれています。

パクチー

アジア料理には欠かせないハーブのひとつ。強い抗酸化作用を持つβ-カロテン、美肌効果を持つビタミンC、血行を促すビタミンEのほか、カルシウム、食物繊維などの栄養素を多く含んでいます。また、独特な香りの元は「リナロール」と「グラ二オール」という精油成分。消化器系の動きを促進する効果や整腸作用、消化を助ける効果もあるので、便秘で困っている方だけではなく胃腸が弱っている方にもおすすめです。

ミント

スーッとする清涼感が魅力で、お菓子やドリンク、アロマなどに使われているハーブのひとつ。含まれているメントールやメントン、アズレンという成分には胃腸の働きを整える作用、フラボノイドには強い抗酸化作用があり、細胞の老化防止効果が期待できるといわれています。また、紫外線によるメラニンを抑制する効果と、肌を引き締める効果が高いタンニンも含まれているので、美肌のためにも摂りたいところ。

    menu01/「コム・ガー・ホイアン」 レシピはこちら

空芯菜

シャキシャキとした食感でおなじみ、アジア料理定番の葉野菜。豊富に含まれるβ-カロテンは、体内でビタミンAに変換される栄養素。ビタミンAには粘膜組織を強化して免疫力を高める効能があるので、β-カロテンを摂取することで風邪などの病気を予防することができます。汗とともに失うカリウム、ビタミンB1、B2なども含み、身体にエネルギーを与えてくれるので、これから暑くなる季節を乗り切るのにもってこいの食材です。

    menu02/「空芯菜とトマトのスープ」 レシピはこちら

アボカド

「世界一栄養価の高い果物」としてギネスに認定されているアボカドには、約20のビタミン、ミネラル、葉酸など、様々な栄養素のほか、余分な塩分を排出してむくみを予防するカリウムも含まれています。果肉の約20%が脂質ですが、そのほとんどは不飽和脂肪酸の一種であるオレイン酸。善玉コレステロールを増やして悪玉コレステロールを下げる働きや、体内の脂肪の分解を促進する働きがあるといわれています。

    menu03/「シントー・ボー」 レシピはこちら

野菜とハーブをふんだんに使ったベトナム料理のレシピはいかがでしたか? 食材と調味料が揃えば、調理法はそれほど難しくなく、手間もかからないレシピばかりです。エスニック料理を作り慣れていない方は、これを機にアジア系食材店の面白さを体験するのもおすすめ。まずは基本調味料の「ヌックマム」を手に入れて、ぜひおうちで再現してみてくださいね。まだまだ地球には美味しい料理がたくさんあります。世界各国の料理を通して、新しいドアを開けてみてはいかがでしょうか?

(写真右)中塚雅之先生

料理人・ベトナム料理研究家・調理師。フランス料理人として約20年過ごしたのち、上京。東南アジア料理に興味を持ち、2000年に六本木「ベトナミーズシクロ」料理長就任。2007年に独立し、森泉さんとともに高円寺にレストラン「オーセンティック」をオープン。2011年浅草へ移転。現在は、千葉県松戸にも店があり、二キズキッチンなどで料理教室も行う。

(写真左)森泉麻美子先生

ライター·料理人·ベトナム料理研究家。大学時代に東南アジアの勉強をした際、ベトナム料理に興味を持ち、食べ歩きを始める。プライベートで東南アジアを旅行するようになり、その後、夫である中塚さんも巻き込んでベトナム料理の探求を続ける。2000年からベトナムに通うようになり、オーセンティックを立ち上げた後は、夫婦共同で料理を作っている。

これまでに何十回とベトナムを訪れ、その文化を見て、触れて、味わって、体験してきたご夫妻。共著に「カンタン、おいしい、ベトナムごはん。」、「絶対食べたいベトナムごはん」(ともに産業編集センター刊)。料理教室では、レシピはもちろん、日本人の2人だからこそ感じるベトナムカルチャーのおもしろさや日本との違いなども聞くこともできて、ガイドブックに載っていない知識を得られる。

取材·文/依知川亜希子
レシピ協力/ニキズキッチン
オーセンティック

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