2022.05.31
【世界を旅するレシピ】12ヵ国目 香味野菜&ハーブたっぷりのベトナム料理
世界のレシピをその国出身の先生や、食文化を知りつくした先生に教わる連載。最終回となる12カ国目は、ベトナム社会主義共和国です。東南アジア料理特有の香味野菜やハーブをふんだんに使いながら、炊飯器などおうちにある調理器具で簡単にできるレシピを教えてもらいます。
中国とフランスの影響を受けて進化したヘルシー料理
女性ツーリストに大人気の国、ベトナム。その食文化は中国とフランスの影響を色濃く受けつつ、独自の発展を遂げてきました。日本でもすっかり定着したフォーや生春巻きに代表されるベトナム料理は、中華料理ほど脂っこくなく、マイルドな味つけで日本人の舌に合うといわれています。日本のように国土が南北に長いため、地域によって食材や味つけが異なるのもベトナム料理のおもしろいところ。それぞれの味を比べてみるのもいいですね。
色彩、香り、味のバランスが素晴らしいベトナム料理は、そのまま味わってももちろんおいしいですが、別皿に添えられる香草やタレ、調味料を使って自分好みの味に変えることも醍醐味のひとつです。その中でも、ベトナム料理に欠かせない調味料といえば「ヌックマム」。小魚に塩を加えて発酵させたベトナムの魚醤で、ベトナムではメインの調味料として日常的に使われています。料理にやわらかな塩味と旨味をプラスして、味わい深さを引き出します。
今回、レシピを教えてくれるのは、浅草と松戸でベトナム料理レストラン「オーセンティック」を営む日本人の中塚さんと森泉さんご夫妻。日本で手に入る食材と調理器具を使った調理法にアレンジしながら、本格的な味を再現してくれました。想像以上に手軽なので、ぜひ挑戦してみてください。
鶏の旨味たっぷりの黄色いチキンライス
コム・ガー・ホイアン
「コム・ガー」とは、タイの「カオマンガイ」、シンガポールの「ハイナンチキンライス」のようなチキンライスのこと。鶏肉から出る旨味と、にんにくやしょうがの香りを利かせた炊き込みご飯です。ベトナムでは地域によって少しずつレシピが異なり、世界遺産の街・ホイアンバージョンはターメリックを加えて炊くので、黄色いのが特長。今回は、たっぷりのハーブ、紫玉ねぎとともにいただきます。ライムを絞って味変すると、さわやかな味わいに。
HOW TO COOK
ほどよい酸味が暑くなる季節にぴったり
空芯菜とトマトのスープ
ベトナムでよく食べられている野菜が「空芯菜」。栄養価が高く、様々な料理に使われています。そして、日本人にとってのお味噌汁のように、献立で欠かせないのが「スープ」。ベトナムでは、食事の際にスープを食べる習慣があり、ご飯にかけて食べられることもよくあります。日本人が見ると煮物に近いような具だくさんのスープをはじめ、数多くのレシピがあります。
HOW TO COOK
まったりとコクのあるベトナム版スムージー、シントー・ボー
「シントー」とは、ベトナム語で「ビタミン」の意味。フルーツ王国であるベトナムには、新鮮なフルーツを贅沢に使ったメニューが豊富にあります。中でも“森のバター”と呼ばれるアボカドを使ったシントーは定番のひとつ。とろりと濃厚で、コンデンスミルクのやさしい甘さが特長、気軽に栄養補給ができるドリンクです。
【作り方】
アボカド(一口大に切る)1個、コンデンスミルク100ml、水100ml、氷2カップ強を、氷→アボカド→コンデンスミルク→水の順番でミキサーに入れ、なめらかになるまで攪拌する。