2021.12.23
【世界を旅するレシピ】8ヵ国目
シンプルだからこそ奥深いイタリアン
連載8カ国目となる国は、ピザやパスタの故郷イタリアです。外国から入ってきた食べ物ながら、日本人が日常的に食べている料理のひとつといってもいいイタリア料理。でも、いざ作ってみると、いまいち味が決まらないこともありませんか? そこで今回は、現地の方たちのようにシンプルな食材と工程でとびきりおいしい料理を作る秘訣を教わりました。
イタリアのマンマの味に挑戦!
長靴に例えられるように、細長い形をしたイタリア共和国。地中海に突き出すようなイタリア半島と、シチリア島など大小の島からなるヨーロッパの南に位置する国です。世界遺産は中国と並んで世界最多で、古代の歴史を感じるローマの遺跡、街全体が登録されているフィレンツェやヴェネツィア、美しい海岸で知られるアマルフィなど、訪れたことがある人も多いのではないでしょうか。
イタリアは、食文化も多種多様。2010年にはイタリアを中心に、スペイン、ギリシャ、モロッコと共同で「地中海料理」が世界無形文化遺産にも登録されています。そんなイタリアは、長靴に例えられるように細長い形をしていることもあり、南北で違いが。例えば南イタリアでは、魚介やオリーブオイル、穀物などの食材を使うのが特徴。一方でアルプス山脈の麓に位置するイタリア北部では、山の幸やジビエ、牛肉、お米を使った少しこってりした料理が多く、その違いを楽しめるのも南北に長い国ならではのおもしろさです。
今回教えてくれるアリノ先生は、「イタリア料理を作るときは、材料の選び方が非常に重要になります。イタリアで本場の味わいを舌で覚え、現地の食材を使うことが、上達する近道かもしれません(笑)。僕のレシピに挑戦してもらうとわかると思いますが、イタリア料理はとてもシンプルです。今回は季節関係なく、年間を通して親しまれている家庭料理(マンマの味)をご紹介します」。気軽な行き来が難しい今だからこそ、アリノ先生に家庭でもできる料理のコツをたっぷり教えてもらいました。パーティーシーズンとも相性のいいレシピなので、この年末年始にぜひ挑戦してみてくださいね。
お家がまるでリストランテに!
前菜3種盛り
野菜もたくさん摂取できるイタリア料理。アリノ先生が提案してくれた前菜の盛り合わせは、濃厚な味わいとあっさりとした味のバランスがいい3品です。オムレツのような卵料理の「フリッタータ」、バルサミコ酢の酸味が爽やかな「タコのマリネ」、バジルが香るトマトソースとナス、チーズのマリアージュが楽しい「なすのパルミジャーナ」。3品盛ってサーブするとまるでリストランテのよう! もちろん、1品ずつ作っても立派なおかずになるので、覚えておくと便利な前菜です。
材料(2人分)
- ★フリッタータ
- ○ 卵
- 3個
- ○ ほうれん草
- 150g
- ○ ベーコン
- 150g
- ○ 牛乳
- 50cc
- ○ パルメザンチーズ
- 80g
- ○ ニンニク
- 1片
- ○ エクストラバージンオリーブオイル
- 適宜
- ○ 塩胡椒
- 適宜
材料(2人分)
- ★タコのマリネ
- ○ タコ
- 200g
- ○ 黄パプリカ
- 30g
- ○ 赤パプリカ
- 30g
- ○ 赤玉ねぎ
- 30g
- ○ サニーレタス
- 50g
- ○ きゅうり
- 1/2本
- ○ ニンニク
- 1片
- ○ イタリアンパセリ
- 適宜
- ○ ホワイトビネガー
- 20cc
- ○ バルサミコ酢
- 適宜
- ○ エクストラバージンオリーブオイル
- 適宜
- ○ レモン汁
- 1/4個分
材料(2人分)
- ★なすのパルミジャーナ
- ○ なす
- 1本
- ○ 玉ねぎ
- 50g
- ○ トマト缶(カット)
- 100g
- ○ バジル
- ひと束
- ○ モッツァレラチーズ
- 100g
- ○ パルメザンチーズ
- 100g
- ○ セモリナ粉
- 50g
- ○ 揚げ油
- 200cc
- ○ エクストラバージンオリーブオイル
- 少々
HOW TO COOK
お肉のコクとトマトの酸味がマッチ
ボロネーゼ
香味野菜にトマト、肉の旨みをしっかり感じられるソースが麺とよく絡まった「ボロネーゼ」は、イタリアの都市・ボローニャ発祥のパスタ。ゴロゴロ入った肉のおかげでごちそう感もあり、普段の食事はもちろん、特別な日にもぴったり。イタリアのパスタソースはシンプルな分、ちょっとしたコツをおさえることが大切。旨みたっぷりのパスタをマスターしましょう。
材料(2人分)
- ○ ひき肉
- 150g
- ○ セロリ
- 50g
- ○ 玉ねぎ
- 50g
- ○ にんじん
- 50g
- ○ トマト缶(ホール)
- 150g
- ○ バジル
- 20g
- ○ ローリエ
- 1枚
- ○ パルメザンチーズ
- 60g
- ○ 赤ワイン
- 100cc
- ○ パスタ(タリアテッレ)
- 200g
HOW TO COOK
甘くてほろ苦い大人のスイーツ
ティラミス
1990年代初頭に、日本で大ブームとなったティラミス。日本向けにアレンジされたレシピは山ほどありますが、今回は本場流にこだわったレシピでお届けします。まずは、輸入食材店などで「サヴォイアルディ」と呼ばれるビスコッティの用意から。これがないとはじまらないといえるくらい、本場のティラミスには欠かせない食材です。冷蔵庫で休ませる時間も含めると少し時間はかかるけれど、ほろ苦さがいいアクセントの絶品スーツが完成します。
材料(2人分)
- ○ ビスコッティ・サヴォイアルディ
- 80g
- ○ エスプレッソコーヒー
- 100cc
- ○ ラム酒
- 50cc
- ○ 砂糖
- 20g
- ○ 卵
- 1個
- ○ マスカルポーネチーズ
- 100g
- ○ ココア
- 大さじ1
- ○ ビターチョコレート
- 15g