2022.12.20
ご近所で愛用中!ミラノで日常に取り入れているSDGs
ミラノ・SDGs事情
ミラノのSDGs事情は?
私が住むイタリアは、実はヨーロッパでは環境問題後進国です。それでも近年北欧諸国などの影響を受けて、ミラノの街は大きく変わってきました。
情報に敏感な若い世代からの波と、 今や経済力を備えたミドル世代に成長した、SDGsと相性抜群な元ヒッピーたちの地盤。店頭からもプラスチックパッケージは減り、エコな暮らしをしやすい環境ができてきているように感じます。
私のSDGsルーティーンをいくつかご紹介したいと思います。
フードロスを気軽にレスキューするアプリ
20代のシッターさんに勧められて使い始めたアプリが、「TOO GOOD TO GO」。2015年、デンマークで生まれたフードレスキューシステムです。お店で廃棄される前の食品を、アプリから選んで割安で予約・購入できる、食費の節約もできてしまう優れもの。
アプリを開き、エリアを選択すると、今予約可能なお店のリストが出てきます。大手スーパーも参加しているのが、頼もしいところ。金額と内容、受け取り時間を確認して予約・購入。Apple Payで簡単に支払いができ、この買い物でどのくらいのCO2排出を防げたかも表示されます。
この日予約したのは、有名なパティスリー「CLIVATI」の「MAGIC BOX」2点です。「MAGIC BOX」とはアプリで人気の、福袋のようなもの。内容は開けてからのお楽しみです。
閉店間際の指定された時間帯にお店に行き、スタッフに声をかけ、アプリで「ピックアップ」の操作をして、品物を受け取ります。
この2点で、10€(約1,400円・税込)。実際に購入するとなると30€相当の内容なので、かなりのお得感&ボリュームです。この日はドルチェだけではなく、おかず系ミニブリオッシュなども入っていました。傷むリスクが考慮されてか、カスタードクリームを使ったドルチェは入っていなかったのは少し残念ですが、想定内です。
TOO GOOD TO GOのinstagramも、役立つ情報満載でかなりお気に入り。フードロスやゴミを削減できる様々なアイディアが紹介されています。食べ終わったバナナの皮で、スニーカーを磨く活用法も目からウロコでした。
不揃いの野菜やフルーツが美味しいオーガニック市場
こちらは、近所の広場で毎週木曜日に立つオーガニックマーケットです。ミラノ周辺の農家さんが直接、青果物やチーズ、ハチミツなどを売りに来ます。
直売で流通がシンプルなので、運搬などでかかる環境負荷も最小限の売買システムです。オーガニックが中心でスーパーなどより少し割高ですが、美味しさや安心感を考えると、むしろお得感しかありません。
なんと1kg/1€の有機リンゴ。イタリアでは日本ほどフルーツの見た目は重視されませんが、小さすぎるリンゴなどがこちらで売られています。少し大きい見栄えのいいものは1.5€、それでも安すぎます。味はもちろん遜色なく、ケーキに使ったりジャムにして食べきることにしています。
週末は牛肉を買いに郊外の農家へ
ミラノ市街から自転車を走らせると、20分ほどで田園風景が広がってきます。お米や野菜が栽培されているほか酪農園もあり、直接お肉や卵を購入することができます。子どもたちは動物にも触れ合えるので、一石二鳥です。
食卓に並ぶお肉がどこでどのように育てられたものなのかもわかるという、安心感も同時に買っています。そして、やっぱり美味しい!部位によってどのようなお料理が向いているかなども教えてくれます。
国や地域によって異なるSDGs事情。今住んでいる場所で、できることから取り入れていきたいですね。
映像ディレクターなどを経験し、ヨーロッパなどを旅した後に、NYに留学。そこで出会ったイタリア人の旦那さんとの結婚を機にミラノに。現在は育児の傍ら、通訳や日本食ケータリングのお仕事もしています。人との距離感やテンション、センスなどミラノの全てが大好き! 記事では街やそこに住む人々の魅力も伝えていきたいです。様々な形で日本とイタリアの橋渡しができればと思っています!
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