【フリーアナウンサー・吉田明世】私の人生を豊かにする“3つの軸”

【フリーアナウンサー・吉田明世】私の人生を豊かにする“3つの軸”

年齢を重ねるたびにその美しさに磨きがかかり、魅力が増していくフリーアナウンサーの吉田明世さん。2児の母でありながら、現在はTV・ラジオやモデル、連載コラムの執筆と多方面で活躍しています。また、ここ数年で取得した絵本専門士と保育士の資格を生かし、2022年12月21日に初めての絵本「はやくちよこれいと」(インプレス)を出版されます。声のプロである吉田さんがなぜ、絵本を出版されたのでしょうか? 吉田さんにさまざまな角度からインタビューをおこないました。

昔から夢だった保育士と絵本専門士の資格を出産後に取得

——吉田さんはアナウンサーでありながら、保育士の資格も取得されているとのことですが、まずは保育士の資格を取るまでの経緯を教えてください。

私の祖母が実家の横で保育園を運営していたので、幼い頃から保育園という場所はとても馴染みのある場所でした。いつか私も保育士の資格を取りたいと思っていましたが、TBSに入社し、忙しい毎日を送っていたのでなかなか挑戦できずにいました。しかし、結婚、妊娠をしたタイミングで一念発起し、保育士の資格に挑戦することにしました。試験まであまり時間がなかったので独学で学び、娘を出産後、実技試験を経て晴れて合格を手にしました。

——その後、絵本専門士の資格も取得されたと聞きました。その資格を取ったことが絵本の制作にもつながっていったのでしょうか?

毎日、娘に絵本の読み聞かせをしているうちにもっと絵本について深く学びたいと思うようになり、勉強をはじめたんです。育児をしながらだったので大変ではありましたが、家族の助けもあり、絵本専門士の資格も取得することができました。その流れでいつか自分も絵本を作り、その絵本を読み聞かせしたいなと思うようになりました。今年になってその夢が叶い、12月21日に「はやくちよこれいと」を発売させてもらうことになりました。

——ご自身が小さい時に読んだ絵本で印象に残っている絵本はありますか?

私は3人きょうだいの末っ子で、姉と兄が受験の頃に生まれたので、母が大変な時期。物心ついてから絵本は自分で読んでいました。印象に残っている絵本は、「スイミー」( 好学社)と、「はじめてであう すうがくの絵本」(福音館書店)です。この2冊は大好きでした。

子どもたちが、言葉を大切にしながら大人になってくれれば嬉しい

——今回の絵本は旦那さまも制作に関わっていらっしゃるそうですね。

夫は広告や映像を中心としたコンテンツ制作を手がけています。私もテレビやラジオの仕事と、お互いがある意味、作品を生み出す仕事をしていますが、日々大量に消費されるメディアのひとつです。ですから、いつか夫婦で「形として残る作品」が作れたらいいねと話していました。今回はそれが実現し、とても嬉しいです。

——今回の作品はどんな思いで作られたのでしょうか?

構想を練る段階から、子どもたちには言葉を大切にしながら大人になってほしいという思いがありました。SNSなどの普及で自分の意見を発信しやすい時代になりましたが、同時に自分の言葉に責任を問われる時代にもなっています。だからこそ、言葉をテーマにした絵本にしようと考えました。そこから私が新人アナウンサー時代に研修で習った「外郎売(ういろううり)」の長台詞を、子ども向けにアレンジして、言葉の楽しさを知ってもらうという内容にしました。

——新人アナウンサーの方が「外郎売」の早口言葉をテレビで話しているのを何度か見たことがありますが、内容はまったく知りませんでした。タイトルはどんな風にして決めたのでしょうか?

「外郎売」の存在はみなさん知っているものの、内容を知らないという方が多いので、“外郎”を子どもたちに馴染みのある“チョコレート”に変えて、内容にも親しんでもらえればと思っています。タイトルは、“早口”と“チョコレート”をかけて「はやくちよこれいと」にしました。

——これから絵本を手にするお子さんに、どんな思いで読んでもらいたいですか?

早口言葉の絵本なので上手に読まなきゃいけないと思うかもしれませんが、上手に読むことが目的ではありません。難しい言葉を間違えながらも、まずは言葉を声に出すことを楽しんで欲しいなと思います。そして、最終的には丸暗記してもらえたら嬉しいですね。お父さん、お母さんは何度も読んでいくうちに、お子さんが上手に言えるようになっていくので、その成長過程を感じていただけたらと思います。

SDGsを学んだことで、多様な価値観を持てるようになった

——今、吉田さんの中で注目していることはどんなことですか?

ラジオのお仕事を通して「SDGs」について学ばせてもらっているので、SDGsに注目していますね。今ではだいぶ浸透してきましたが、初めてSDGsという言葉を聞いた時、難しそうと感じました。でも深く知っていくうちに、自分が生きていく上で大事なことだということがわかりました。入口こそ入りづらいですが、学んでいくうちに「これもSDGsに関係しているんだ」と発見があります。

——SDGsに関してどんなことを意識されていますか?

ジェンダーの問題を学んでからは、ラジオやテレビで発言する時に自分の何気ない一言で傷つく人もいるということを一層、意識するようになりました。また、子どもが生まれたことで、子どもたちに自分の価値観の押し付けをしていないかと気をつけるようにもなりました。たとえば、昔から男の子といえばブルー、女の子といえばピンクのように自然と男女で色を振り分けていますが、男の子でもピンクが好きでもいいんだよ、女の子でもブルーを選択してもいいんだよと多様な価値観を持てるようになりました。こんな風に、子育ての中にもSDGsとつながっていることがあるんだなと、実感しています。

——SDGsに関して「何をすればいいかわからない」と感じている方に、アドバイスをお願いします。

どうしてもSDGsと聞くと地球のため、世界みんなのためと大きな存在のように考えがちですが、じつは自分のためにもなるんです。たとえば、SDGsの17の目標のなかに「目標2 飢餓をゼロに」と「目標12 つくる責任つかう責任」がありますが、これは食品ロスにも関係しています。自分が食べきれるだけの食品を買ってきて食べきれば、お財布にも優しいですし、ゴミも出ません。そして結果的に、それは地球のためにもなります。また、自転車や徒歩で行ける距離ならば車を使わないこともSDGsです。体を動かすことは健康にもつながりますし、ガソリンも使いません。難しく考えず、生活の範囲内でチャレンジしてみてくださいね。

プロとして大事なことは睡眠をしっかり取ること

——日ごろから健康管理についてどんなことを意識されていますか?

睡眠ですね。睡眠が足りていないと、些細なことでイライラしてしまったり、普段だったら気にならないことが気になってしまったり、自分の良くない人格が出てくるので(笑)、気をつけています。また、睡眠不足になると食べ過ぎや便秘、肌荒れなど、いいことが一つもありません。ですから、睡眠時間を確保することは、プロとしてやることの一つだと実感しています。

——食生活や美容に関してはどんなことを意識されていますか?

若い頃は忙しさのあまり、食事に関心を寄せる暇がありませんでしたが、今は子どもに栄養のバランスが取れたものを食べさせるように気を付けているので、自分も自然と3食しっかり栄養を摂っています。美容に関しては、エステなどにお金をかけている時期もありましたが、今は体のためだけではなく、心のためにピラティスをやっています。あまりにもピラティスに魅了されてしまい、今はインストラクターを目指しています。

新たな仕事や出会いを導いてくれる「3つの軸」

——子育てとお仕事の両立で忙しい日々を送っていらっしゃるかと思いますが、そこへピラティスの資格も勉強中なのですね。

現在、朝のラジオ番組を担当しているので、朝は4時起きです。周りの人からは「忙しいんだから今じゃなくても…」と言われます。でも、「今、やりたい」という気持ちを大事にしたくて、時間をやりくりしながら勉強しています。ピラティスに出会えてから適度な運動と睡眠、そして食事が美容と健康には一番大事だということをひしひしと感じています。

——TBSを退社後、資格を取ろうと思ったのはなぜでしょう。

TBSを退社し、フリーになったものの何の武器もない状態だったので、先の人生がとても不安になりました。今の自分のままじゃ駄目だと思い、資格のある仕事を手にいれようと思い、挑戦しました。

——これから資格を取得したいと思っている方にメッセージをお願いします。

何が何でも資格を取るのをお薦めするというわけではありません。興味のないことを勉強するのは大変なことですよね。それよりも、何かのタイミングで自分のアンテナがピンと張ったら、そのアンテナを大事にして欲しいなと思います。

——今後、どんな風に人生を歩んでいきたいと思っていますか?

以前から、3つの軸を持って人生を楽しんでいけたらなと考えていました。ようやく最近になってこの3つの軸が自分の中で確立してきました。1つ目はアナウンサー、2つ目は保育士と絵本専門士と、子ども関連のこと。そして3つ目はなかなか答えが出なかったのですが、今はそれがピラティスだと思っています。どれも全然違うものですが、違うからこそ、新たな仕事や出会いを導いてくれています。いつか自分のピラティスのスタジオを持ちたいなと思っています。そして、親子でリラックスできるように空間を作り、そこに絵本を並べたいと夢が広がっています。

取材・文/安田ナナ

Profile
吉田明世

1988年生まれ。東京都出身。2011年TBSにアナウンサーとして入社。2019年にフリーアナウンサーとなり、現在はラジオパーソナリティー・テレビ・イベント・モデルなどで活躍中。出産後、保育士・絵本専門士の資格を取得し、2022年12月21日には自身が手掛けた早口ことばの絵本「はやくちよこれいと」を出版。

書籍情報
はやくちよこれいと

2022年12月21日(水)発売
作:吉田明世・カタスケ 絵:今津良樹
出版:株式会社インプレス

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