2022.08.07
1866年創業。山梨県西桂で生まれたジャカード織りの手作り傘
槙田商店
年を重ねるごとに身近なものこそ特別なものを、大切に長く使いたいなと思うようになってきました。夏も日焼け対策に必要な傘、皆さんはどのようなものを使っていますか?
槙田(まきた)商店の傘で使われている布は、すべて織生地。富士山の雪解け水で鮮やかに染められた糸を織ったジャカード生地です。繊細な模様も大胆な絵柄もあります。
今回はひとつひとつすべて職人たちの手で仕上げられる、日本製の傘をご紹介します。
挑戦を続ける甲斐絹問屋
1866年に創業した槙田商店は、織物を取り扱う甲斐絹問屋として山梨と消費地をつなぐ仕事を行ってきました。傘以外にも服やバックも手がけ、次々と新しいプロジェクトにも挑戦し続けています。
その新プロジェクトのひとつに、学生デザイナーとのモノづくりがありました。
そのプロジェクトで生まれたのがこちらの「菜(さい)」シリーズ。この傘は、はなまめと名付けられています。まるで野菜を思わせる鮮やかな色味の多い「菜」シリーズは、使っていると気分も明るくなります。ほかにも人参やえのき、オクラなど身近な野菜の名前の傘があり、さりげなくその野菜の要素を取り込んだデザインになっていました。
日本人の手仕事。丁寧に作られた美しい傘
伸縮性のある糸が使用されていて、柔らかな見た目です。傘の骨と生地をつなぐ糸もひとつひとつ丁寧に手縫いで作られています。槙田商店の老舗感のあるタグも趣があって良いですね。
傘を閉じてまとめるタッセルがボタンではなく、フックタイプでした。持ち手は楓の木が使われていて、温もりを感じますね。
内側から傘を見上げると、丸いデザインの外側がけが透けて涼しげです。木漏れ日も美しく感じ、この暑さを一瞬忘れさせてくれます。
直径81㎝、全長72㎝、重さは約345g。UVカット90%以上の機能があります。
修理サービスもあり、傘で壊れがちな石突きも修理可能です。そのほか、撥水加工の直し、生地の付け替え作業、手元取替えなど¥500〜¥2,500ほどで修理してくれます。
傘としては、この「はなまめ」も2万円ほどするので高いかなと思うかもしれませんが、修理もできるので大切にすれば長く使えますね。
閉じるとまた印象が変わります。濃いピンクが少し隠れ、淡い色が多く見えます。そんな表情の変化も楽しめるのもポイントです。細部まで丁寧に作られているので、見ていて飽きないですね。
地域に根付いた美しい物づくり
槙田商店は、さまざまな新しい取り組みに挑戦できたのは、山梨県の西桂町や郡内地域の皆様に支えていただけたこと、常に西桂町・郡内地域でのものづくりにこだわれたことが大きな力だと言います。
キレイな水で作られた美しい傘は、作り手の丁寧な手仕事と謙虚な姿勢から生まれているんだろうなと感じました。
この傘を手にすることで、自分も丁寧にキレイに日々を過ごしたいな、なんて思ったりしました。
フリーランス。旅行、アウトドア、マリンスポーツが大好きな二児の母です。今1番楽しいことは、子供の成長に合わせて、日本国内・海外を旅すること。宿泊レポや美容体験、フードの記事が得意です。ヘルシーでアクティブな記事をお届けしていきます!
◆Instagram:@ayano_nico1209
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