2021.12.04
オーガニックフードの先駆者「アルチェネロ」を徹底解剖!
イタリア ALCE NERO(アルチェネロ)
有機栽培の先駆けブランド
日本でもおなじみとなっている、イタリアのオーガニック食品「ALCE NERO(アルチェネロ)」。
40年以上の歴史を持ち、イタリアと中南米の15000以上の農家や企業で構成される共同組合的なブランドです。
アドリア海に面し、広大で豊かな自然を有するエミリア・ロマーニャ州とマルケ州で誕生以来、この土地で野菜や穀物を栽培しています。
今でこそメジャーな有機栽培ですが、アルチェネロが誕生した1970年代の社会は、オーガニックとは真逆の潮流。
馬が左方向に駆け抜けるロゴには、様々な障害を乗り越えて信念を貫く、ブランドの強い意志が反映されています。
有機農法にこだわりながら、地球・消費者・生産者・自然のサイクルを大切にした生産・販売のシステムをつくりあげました。
最小限の原料だけを使うことも徹底しています。たとえば、一般的なオーガニックの基準では認められている天然香料も一切使用していません。
こだわり抜いた高品質食材
さらに、高品質な原料選びにもこだわりが。パスタには、南イタリア産のデュラム小麦とイタリア産のスペルト小麦のみを使用しています。写真の「ペンネリガーテ」は、品質改良されて市場から消えた、約100年前のカッペッリデュラム小麦を原料にしているそうです。ちなみに、「リガーテ」とは、ペンネの表面に縞を入れてソースを絡ませるための加工です。
小麦粉に加え、パスタのもうひとつの原料となるのが水には、ドロミテの湧き水を使用。さらにパッケージはプラスチックフリーで再生可能など、とにかく味・品質・環境へのこだわりが尋常ではないことがわかります。
トマト製品には、エミリア・ロマーニャ州の肥沃な土地で栽培された完熟トマトのみを使用しています。濃厚なピューレ(1.95€/約250円)は、甘みと酸味のバランスが絶妙で、パスタソースやトマトベースの鍋料理にも最適です。
このピューレを使うと、手間をかけなくても絶品ソースに仕上がります。
トマトピューレを使った、簡単トスカーナ料理のレシピ
ここで、トマトピューレと白インゲン豆(2.3€/約300円)を使った簡単な一品をご紹介します。
「ファジョーリ・アル・ウチェレット」(白インゲン豆のトマト煮込み)は、トスカーナ地方の伝統的な付け合わせ料理です。
・白インゲン豆 300g
・トマトピューレ 200g
・ニンニク 2片
・オリーブオイル 大1
・ハーブ(イタリアンパセリ、セージなど)少々
・塩 胡椒 少々
1.弱火で熱した鍋にオリーブオイルとニンニク、あればセージを入れる
2. 香りが出たら、ピューレを加えて弱火のまま3分ほど煮る
3. 豆と水150mlを入れ、塩コショウをする
4. 蓋をして中火で20分ほど煮て、パセリをかけて出来上がり!
鶏肉料理と合うので、ぜひ試してみてくださいね。
ベビーフードやジャム、ペーストも!
ベビーフードもアルチェネロの主力商品。離乳食は安全なオーガニックで始めたい、と考えるママは多いのかもしれませんね。ピューレ状のフルーツ、野菜、肉、魚など種類も多く、素材そのものの味を赤ちゃんが楽しめます。
ちなみに、アルチェネロと人気を二分しているのが、ドイツのオーガニックベビーブランド「HIPP」。
私も子どもたちの離乳食期、高品質のアルチェネロにするか、パッケージがかわいいHIPPにするか、店頭で迷うことが多かったです。
パンのお供のレパートリーも充実しています。その中で、鉄板の2点がこちら。
イタリア産オレンジとレモンのマーマレード(4.2€/約540円)はペクチン不使用で、苦味がなく優しく豊かな味わい。
チョコレートクリーム(4.2€/約540円)は、バターやオイル不使用でヘルシー、なによりも味が絶品です。「不要なものは使わない」というこだわりから、原料はフェアトレードのカカオ、キドニービーンズ、きび砂糖、水の4点のみという凄技。
アルチェネロは今年、地元のボローニャで初の直営店をオープンしました。400種類以上ある食材や野菜の販売に加え、オーガニックや環境問題などについて学べる場にもなっています。
今後は、イタリア全土に展開していくとのことで、わたしが住むミラノ上陸の日を心待ちにしたいと思います!
映像ディレクターなどを経験し、ヨーロッパなどを旅した後に、NYに留学。そこで出会ったイタリア人の旦那さんとの結婚を機にミラノに。現在は育児の傍ら、通訳や日本食ケータリングのお仕事もしています。人との距離感やテンション、センスなどミラノの全てが大好き! 記事では街やそこに住む人々の魅力も伝えていきたいです。様々な形で日本とイタリアの橋渡しができればと思っています!
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