ふたつの「ふふ 軽井沢」で過ごす、2泊3日トラベルリレー<前編>
LIFESTYLE

2026.05.12

ふたつの「ふふ 軽井沢」で過ごす、2泊3日トラベルリレー<前編>

春の柔らかな新緑から夏の爽やかな高原の風、錦に染まる秋の紅葉、そして雪に包まれた冬の静けさまで、四季折々の顔を持つ高原の地・軽井沢。しばしば“東京24区”とも称されるほど人気の移住先で、コロナ禍以降は2拠点生活先として選択する人が急増しました。

2023年12月24日、この地に2つの「ふふ」が同時に産声を上げました。スモールラグジュアリーリゾート「ふふ」ブランドの7施設目「ふふ 軽井沢 陽光の風(ようこうのかぜ)」と、8施設目「ふふ 旧軽井沢 静養の森(せいようのもり)」です。同じブランドでありながら、まったく異なるコンセプトを持つ2軒が、同エリアに同時に誕生するという快挙は、「ふふ」ファンのみならず、旅行業界で大きな話題を呼びました。

2007年に熱海で誕生して以来、河口湖、奈良、日光、京都、箱根と日本トップクラスの観光地に開業を続けてきた「ふふ」。その世界観を一言で表すなら、「そこにしかない土地の力と体験」を届けること。洗練された客室、素材を活かした料理、肌に沁みる温泉——どれをとっても「ふふ」らしさが宿る滞在は、一度訪れたら忘れられない記憶として心に刻まれます。

今回私が体験したのは、「ふふ」が公式に提案するトラベルリレー。1日目には「ふふ 軽井沢 陽光の風」、2日目には「ふふ 旧軽井沢 静養の森」という2つの施設をリレーのように乗り継ぐ、2泊3日の旅です。1泊2日の旅行ではなんとなく慌ただしく終わってしまいがちなところ、連泊して軽井沢を満喫してほしいという思いから、車で7分ほどの距離に2軒同時開業を果たしました。

「陽光のあかり 自然の呼吸 心身が満たされるナチュラルリゾート」と「木洩れ陽のあかり 静養の香り 自由閑閑な軽井沢リゾート」——対照的な2つの施設の個性を体感する贅沢な旅をレポートします。

Day 1 浅間山の陽光と緑に満ちたナチュラルリゾート

ふふ 軽井沢 陽光の風

標高1,000mの浅間山の麓に広がり、山からの風や陽光を一身に受けて植物が育ちやすい立地にある「ふふ 軽井沢 陽光の風(※以下、陽光の風)」は、“心身ともに健康になれるナチュラルリゾート”というコンセプトを体現するような、自然の呼吸を感じるボタニカルな空間作りが魅力。植栽専任のグリーンキーパーが常駐していて、ロビーから客室に至るまで1,000個もの鉢を管理しています。

エントランスをくぐると、天窓からあたたかな陽光が降り注ぎ、奄美大島で育ったガジュマルを植栽してから建築を始めたというシンボルツリーを中心とした、緑あふれるラウンジがゲストを出迎えてくれます。

チェックイン時刻より少し前に到着したので、ウェルカムドリンクのレモンジャスミンティーを飲んでほっと一息。中央に鎮座するバーカウンターは、この施設を象徴する存在。木漏れ日に包まれながら、非日常へのスイッチが自然と切り替わり、旅の始まりを静かに告げます。

15:00 チェックイン

2階建て全24室、5タイプの客室ごとにグリーンやイエローなど異なるテーマカラーがソファや壁面にデザインされ、室内にいながら緑に包まれて、軽井沢の自然と太陽の光を身近に感じられる空間。今回宿泊したのは、パープルを基調にしたエレガントな客室で、特に女性客に人気。

荷物を置いてひと息つくと、テーブルの上にさりげなく用意されているウェルカムスイーツが。ホテルパティシエが手がけるオリジナルのカヌレで、外はしっかりとキャラメリゼされた香ばしい焼き色、中はしっとりとやわらかな食感——思わず顔がほころぶ、手のひらサイズの贅沢です。こちらはスーベニールコーナーでも購入可能。

コーヒーは自分で淹れるスタイルで、部屋いっぱいに芳しい香りが広がります。「陽光の光」ではサステナブルへのこだわりも随所に感じられ、コーヒーやヤーコン茶はビニールパックに変わって使い捨てに。炭酸水やミネラルウォーターはペットボトルの代わりにパックに。リサイクルガラスのグラス、陶器を再利用したマグカップ、端切れをパッチワークにしたクッション、木製アメニティなど、地球にやさしい選択が丁寧に積み重ねられていました。

このさりげなくも細やかな心遣いが、ここでの滞在をより特別なものにしてくれました。

全室に備わる循環式の天然温泉は、浴槽の傍らに設えた岩盤が特徴。身を横たえ、窓の外の緑を眺めながら身体を温め、そのまま湯浴みする至福のルーティン。このシームレスなウェルネス体験は、体を温めて健康になることをテーマに掲げた「陽光の風」ならではの魅力です。温泉はカルシウム・ナトリウムを含む硫酸塩温泉で、じんわりと身体の芯を温めてくれます。バスアメニティは草花あふれる森や陽光の風をイメージした「YOKOU」。プラスティックボトルを100%再生したリサイクルPETを採用。甘く爽やかな香りがバスルームに漂います。

18:00 夕食——旬の信州食材を味わうジャパニーズフレンチ

Amuse Bouche:風さやかのムース、白人参のチュイル、中には信州サーモンのタルタル

「陽光の風」での夕食は、ジャパニーズフレンチ。「日本の四季を旅するフレンチ」を掲げ、ミシュランガイドにも掲載歴のある「Plaiga Tokyo(プレーガ トウキョウ)」が長野に初出店。

着席するとテーブルにずらりと並ぶカトラリーは圧巻。エントランス横のオープンキッチンからもくもくと立ち込める薪の香りが食欲をそそり、これから始まるコースに期待が高まる瞬間です。

大胆に薪を使って炭火焼きにしたり、木と苔を台座にして軽井沢の自然を表現するアミューズなど、趣向を凝らした彩り豊かなプレゼンテーションは視覚、嗅覚、味覚…と五感で楽しめます。

たとえば最初の一口には、檜と白樺のジンジャーシロップをぐいっと飲んで、体の中を軽井沢の自然で満たすという。さらにこの店のシグネチャーとも言える、中央にキャビアを添えた、長野県産の風さやかというブランドの米粉を使ったムースと、花型に作られた白人参のチュイルが登場。

信州の厳選された旬の食材をフランス料理の技法で仕立てたコースは、一皿ごとに表情が変わり、食べ進めるほどに「ここでしか出会えない味」への感動が深まります。

アルコールペアリングは2種あり、スペシャルペアリング(8,500円)ではジョセフペリエから、プレミアムペアリング(12,000円)ではプラスチャージでドン・ペリニョン2013ヴィンテージからスタートも。

その他長野県産ワインやナチュールワインに特化した3杯セットや、日本酒を交えたペアリング、ノンアルコールペアリングなど、ゲストに寄り添いながら柔軟に対応してくれます。

いくつもの前菜から始まり、魚料理、肉料理、リゾット、デザートへと続くコースは、信州産の野菜や魚介、高原育ちの肉が主役。フレンチの技巧を纏いながらも、素材そのものの滋味を丁寧に引き出す料理の数々は、日本とフランスが自然体で溶け合う、「陽光の風」ならではの食の世界観。

ワインのセレクトも素晴らしく、各皿の個性に寄り添うように選ばれた一杯は、料理の余韻をさらに奥ゆきのあるものにしてくれます。

21:00 ふふラウンジでまどろむ夜

夕食後は、ロビーフロアのラウンジやプライベートガーデンでディナーの余韻に浸ります。

「ふふ ラウンジ」はチェックイン手続きをはじめ、季節のアフタヌーンティーなど寛ぎの場として利用されています。夕刻からはバータイムに変わりワインやカクテルなどのフリーフローも。

プライバシーが保たれる背の高いソファ席や、シンボルツリーを囲む円形のカウンター席など、用途に合わせて好みの席を選べるのがポイント。落ち着いた雰囲気の中でグラスを傾ける夜のひと時など、様々なシーンで利用できます。

プライベートガーデンでは、夕方からファイヤーピットに火が灯り、夜の静寂の中で聞こえる虫の音が、非日常の夜をさらに豊かに演出。夜風を感じながら満天の星空に包まれる穏やかな時間を過ごせます。

8:00 朝食——信州の恵みで新しい一日を

明るいダイニングで食卓を囲むと、料理の彩りと空間の色が響き合うように、食べることそのものがひとつの美的体験になっていきます。

プライベートガーデンビューが愉しめるカウンター席や、3名以上で利用できるテーブル席、個室など、開放的でありながらプライバシーをきちんと保てる空間設計は「ふふ」ブランドの強みでもあります。

「陽光の風」の朝食は、信州の豊富な食材をふんだんに使った、身体にやさしい日本料理。

林檎、柿、銀杏、安納芋など旬の味覚を盛り合わせたサラダからスタート。パプリカのヴィネグレットドレッシングとバターナッツソースを添えて、見た目の美しさはもちろん、食感、酸味甘みのバランスも楽しめます。

メインには、北軽井沢で採れた希少な香茸、黒舞茸、黒ニンニク、ナツメなどを8時間煮込んでスープと竹炭パウダーをベースにした薬膳スタイルの“黒鍋”が登場。10種類近くのキノコとたっぷりの野菜や肉で栄養たっぷり。体を温めて健康になることをテーマに掲げた「陽光の風」を象徴する一品。

昨夜のジャパニーズフレンチとはガラリと変わる和の朝餉に、身体がしっかりと喜んでいるのを感じます。グリーンあふれるラウンジに差し込む朝の光を受けながらいただく食事は、旅の2日目への活力を存分に蓄えてくれました。

※夕朝食ともに季節に応じて内容が変わります

11:00 チェックアウト → YOUCA SPA

チェックアウト後、向かったのは館内の「YOUCA SPA(陽香スパ)」。「ナチュラルの優しさに包まれる」をコンセプトに掲げるこのスパでは、英国発のオーガニックウェルネスブランド「bamford(バンフォード)」のトリートメントを提供しています。植物の恵みを凝縮したオーガニックボタニカルオイルを贅沢に使用したメニューは、肌だけでなく心身の深いところまで届くような豊かさがあります。

スパの大きな特徴のひとつが、プライベートのロウリュウサウナとハーブバス。トリートメントの前にサウナで身体を芯から温めることで、筋肉の緊張がほぐれ、オイルの浸透も高まるとのこと。ハーブの香りが立ち込めるスチームの中でゆっくりと呼吸を整えると、身体だけでなく、思考もすうっと静かになっていく感覚があります。

今回選んだのは「バンフォードリチュアルトリートメント(80分)」。ローズマリー、ゼラニウム、カモミールの3種類のブレンドオイルの中から、その日の気分に合ったものを直感で選ぶところからスタート。

バンフォードの手技で大切にしているのは、指圧よりも巡り。3回の大きな深呼吸から始まり、仰向けでのリフレクソロジー、ホットストーンを巧みに使ったマッサージ、様々な伝統的手法で全身の緊張をゆっくりと解きほぐし、巡りを良くします。さらにヘッドマッサージと呼吸法でリフレッシュ。

施術が終わるころには、身体の重さがすっかり抜け、体の隅々までポジティブなエナジーに満たされるような感覚でした。トリートメント後はアフタードリンクの甘酒と共に、リラクゼーションルームでしばらく横になれるのも、余韻をゆっくり味わえて嬉しいところ。

スパは外来利用可。ランチ付きのデイユースプランも販売中。

後編「ふふ 旧軽井沢 静養の森」へつづく

■ ふふ 軽井沢 陽光の風(ようこうのかぜ)
住所:〒389-0111 長野県北佐久郡軽井沢町長倉568-1
客室数:全24室
お料理:信州食材を味わうジャパニーズフレンチ
館内施設:ふふラウンジ、レストラン、スパ
温泉:カルシウム・ナトリウム-硫酸塩温泉(全室温泉付き・岩盤付き)
公式HP:https://www.fufukaruizawa.jp/

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