2022.02.10
【世界を旅するレシピ】9ヵ国目
少しのコツでグッとおいしい台湾料理
世界のレシピをその国出身の先生に教わる連載9カ国目は、日本からほど近い台湾。台湾でいつも食べられていて手軽で簡単だからこそすぐに真似でき、そして誰もが「おいしい!」と笑顔になれる味をシェアします。今回は、新規レッスンの待機者が多い大人気の陳先生に、本場の味に近づくコツをしっかりと教えてもらいました。
昔ながらの台湾料理をもっと身近に
タピオカや豆花(トウファ)、台湾カステラなどのスイーツは日本でも専門店ができるほど、台湾ブームはまだまだ継続中。そんな台湾は親日国としても知られ、コロナ禍前までは週末に行ける海外としても大人気でした。
南北に長い葉っぱのような形をした台湾は、長い歴史の中でオランダやスペイン、日本などの文化もミックスされ、独自のカルチャーを育んできました。そのひとつが豊富なグルメ。「台湾は基本的に外食文化。また、共働き夫婦も多いため屋台で食べたり、テイクアウトすることが多いですね」と、陳先生のレッスンを補佐するファンさんは言います。そのため屋台からレストランまでさまざまなお店が立ち並び、家族と、恋人と、友人と、毎食テーブルを囲んで食事を楽しむのだとか。
また、小学校などにはお弁当を温める場所が設置されているそうで、子どもたちはいつも温かい料理を食べているのだそう。このように1日のなかでも食事の時間を大切にする台湾。中華料理はしっかりとした味付けのものが多いけれど、台湾の家庭料理は優しい味わいのものが中心。だから、毎日でも食べたくなります。陳先生の料理ポイントをしっかり押さえて、毎日のレパートリーに加えてみてください。
ごはんが進む、台湾のオムレツ
切り干し大根のオムレツ(菜脯蛋)
塩漬けされた切り干し大根を使ったオムレツは、台湾料理の定番のひとつ。台湾産の切り干し大根(菜脯)は、コリコリとした食感で奥深い味わい、しっかりとした塩味があるのが特徴です。今回のオムレツは、ほぼこの切り干し大根の塩気で味をつけているほど。使用前は水にさらして、好みの塩分量に整えてから使いましょう。本場を味わうためにも、ぜひ菜脯を使って挑戦してみて。台湾料理屋には必ずあるというメニューを、早速紹介します。
材料(2人分)
- ○ 卵
- 4個
- ○ 台湾産切り干し大根(みじん切りタイプ)
- 30g
- ○ 万能ネギ(小口切り)
- 2本
- ○ ニンニク(みじん切り)
- 1片
- ○ 醤油
- 3cc(小さじ1/2強)
- ○ 砂糖
- 少々
- ○ 粉胡椒(ホワイトペッパー)
- 少々
- ○ 油
- 60cc
- ○ 胡麻油
- 適宜
HOW TO COOK
ふわふわ鶏肉×香ばしいタレがマッチ!
鶏肉ごはん(雞絲飯)
茹でた鶏肉を糸のように割いてごはんに載せ、香ばしいタレをかけた屋台料理「雞絲飯(ゲーシーパン)」。シンプルな調理工程ですが、一口食べればその味の深みに虜になります。今回は美味しくなる秘訣をたっぷりとご紹介しているので、ポイントまでしっかりと確認してくださいね。タレにはフライドオニオンを使っていますが、日本人がイメージするそれとは少し異なります。台湾産はエシャロットを使っているため、食感も香りも風味豊かでよく使われる食材なのだそう。ぜひ本場のフライドオニオンで挑戦を!
材料(2人分)
- ○ 鶏胸肉(皮なし)
- 1枚
- ○ フライドオニオン
- 大さじ2程度
- ○ 醤油
- 小さじ2
- ○ ナンプラー
- 小さじ1
- ○ 砂糖
- 小さじ1/2
- ○ 料理酒
- 小さじ1
- ○ 粉胡椒(ホワイトペッパー)
- 少々
- ○ 油
- 大さじ1
- ○ パクチー、きゅうりなどの浅漬けなど
- お好み
HOW TO COOK
優しい甘さと金木犀の香りの癒しのデザート!
「酒譲湯圓(ジュウニャンタンユェン)」とは、台湾の酒粕を使った温かいデザート。ほっとする優しい甘さに癒されるだけでなく、体を温めてくれる効果も。作り方もとても簡単。台湾食材を扱うお店で、台湾産の酒粕(陳先生のおすすめは「雪花醸」で、もち米に麹を加えて発酵させた調味料)、冷凍白玉(小粒のもの)、金木犀砂糖漬け「桂花醤(ケイカジャン)」を用意します。鍋に水280mlを沸かし、冷凍白玉70gを加えて茹で、白玉が浮いてきたら酒粕12g、砂糖18g、金木犀砂糖漬け少々を加え、沸騰したら完成。おやつとしてだけでなく、食欲がない時のパワーチャージにもぴったりです。