2021.09.30
【世界を旅するレシピ】5ヵ国目
フランス家庭の温かなコース料理
世界各国のレシピを教わる連載の5カ国目は、これからの季節にぴったりなココロもカラダも温まるフランスの家庭料理です。フランス料理といえば、コース仕立てのフレンチを想像しますが、家庭でも前菜・メイン・デザートと楽しむのが現地流。秋から冬にかけてリピートしたくなる、ほっとする味を3品ご紹介します。
プチコース仕立ての家庭料理
ファッションやアート好きなら、一度は憧れるフランス。みなさんご存知の通り、フーディーたちにも愛される国です。フランスは農業大国でもあるため、曜日や地域ごとに開かれるマルシェには季節のフレッシュな野菜が並び、チーズやバターをはじめとした乳製品の種類も豊富。スーパーももちろんありますが個人経営のお店も多く、ブランジェリー、パティスリーに魚屋、肉屋、ワイン屋などなど、日本の昔ながらの商店街のように小さな専門店を巡るのも旅の楽しみです。
そんなフランスの家庭料理はというと、日本と少し違うのは、「ひと皿ずつサーブすること。そしてデザートを大切にすること」と今回の先生、ジャックさんが教えてくれました。ほかにも、食前にフィンガーフードとお酒を楽しむ〝アペリティフ〟の習慣があったり、メインの後にはお皿にたっぷりのったチーズが出てくることも多いとのこと。でも、「僕はお酒と楽しみたいから、チーズはメインの前に食べることもあるけどね(笑)」とお茶目なジャック先生。
今回は肌寒い季節にぴったりな前菜とメインだけでなく、日本ではこれから旬を迎えるりんごをふんだんに使ったデザートまで教わりました。どれも家庭で愛される味ですが、プチコース仕立てで楽しむことで、よりお家に居ながらフランス気分を味わえます。
赤ワインの深いコクが美味!
ブッフ・ブルギニョン
「牛肉のブルゴーニュ風」とも訳される、牛肉や野菜を赤ワインでグツグツと煮込んだシチュー。ワインの名産地として知られるブルゴーニュ地方(フランスのほぼ中央部)の郷土料理です。赤ワイン〝だけ〟で煮込むと聞くと最初は驚くけれど、肉や野菜の旨味がギュッと凝縮され、煮込むほどに赤ワインのコクも深まります。本場の味に近づけるためにも、フランスのダシである「フォンドボー」と、肉や魚の臭み消しによく使われる「ブーケガルニ(ローリエやタイムなど数種の香草を束ねたもの)」をぜひ使ってみて。
材料(2人分)
- ○ 赤ワイン
- 500ml
- ○ 牛肉(すね、肩ロースなど)
- 400g
- ○ ベーコン
- 80g
- ○ 玉ねぎ
- 1個
- ○ ペコロス(小玉ねぎ)
- 100g
- ○ にんじん
- 1本
- ○ マッシュルーム
- 100g
- ○ ブーケガルニ
- 1束(ティーバッグタイプの場合は1袋)
- ○ バター
- 80g
- ○ 小麦粉
- 15g
- ○ フォンドボー(またはコンソメ)
- 大さじ1
- ○ ニンニク
- 1片
- ○ クローブ
- 1個
- ○ パセリ
- 適宜
HOW TO COOK
熱々で食べたい卵料理
卵とブルーチーズのココット
卵とお好みの具材、生クリームを加えて焼き上げるオーブン料理は、フランスでは前菜の位置付け。今回は、濃厚な風味のブルーチーズを使っています。チーズの中で青カビを熟成させ塩味が強いブルーチーズは、今回のように卵と一緒に食べてみると特有のクセがマイルドに。ブルーチーズが苦手な人にも挑戦しやすいはずです。おすすめは半熟の黄身に、トーストしたパンを絡める食べ方。具や卵の固さはお好みにアレンジしても楽しめます。
材料(2人分)
- ○ 卵
- 2〜4個
- ○ ブルーチーズ
- 50g
- ○ 生クリーム
- 大さじ4
- ○ 岩塩
- 適宜
- ○ 黒コショウ
(またはカイエンペッパー)
適宜- ○ チャイブ
- 2〜3本
HOW TO COOK
りんごの甘酸っぱさにトリコ
タルトタタン
フランスで食べたいスイーツのひとつが、甘酸っぱいりんごがぎっしり詰まったタルトタタン。実はこのタルト、失敗から生まれたという説があるフランスの郷土菓子なのです。その謎は作り方にあり! 型の底に生地を入れ忘れたタタン姉妹が、後からフィリングの上に生地を被せて焼いてみたところ、意外にも美味しいタルトが完成したという逸話が。そのおかげで想像するよりも簡単に作れるスイーツとなっているので、ぜひ挑戦を。
材料(2人分)
- 〈パイ生地〉
- ○ 小麦粉
- 130g
- ○ バター
- 50g
- ○ 卵
- 1個
(小さめ) - ○ 砂糖
- 30g
- ○ 塩
- 少々
- 〈フィリング〉
- ○ りんご
- 3個
- ○ 砂糖
- 80g