2019.08.17
イタリア トスカーナで一番美しい薬局が作った宝石のようなコスメ
キャンティの丘 絵画のような薬局へ
イタリアで美しいものの一つに、古い薬局があります。それぞれの店に歴史やオリジナリティがあり、街の人々の相談に乗りながら誇らしげに働く薬剤師さんがいます。
今回訪れたトスカーナ地方アレッツォの村にある「 FARMACIA SOLDANI SALVINI(ファルマチア・ソルダーニ・サルヴィーニ)」は、私が今まで見た中で間違いなく一番美しい薬局でした。
(ただしフィレンツェのサンタ・マリア・ノヴェッラ薬局は、現在薬局としては機能していないのでカウント外です! )
古い建物の店内は、どこから見てもまるで美術館のよう。
市販薬等はカウンターの中に収められ、店内には薬局オリジナルのコスメが骨董品のように並んでいます。
その美しさに私がため息をついている間にも、地元の人が次々と処方箋を持って入ってきて何気なく薬剤師さんとおしゃべりしています。
この薬局に普通に薬を買いにくるシチュエーションは、日本人の私には到底想像できません。。
こちらの薬局コスメは、地元の生産者と協力して作られた日焼け止めやシャンプーなどのラインナップと、薬局の経営者 コッラード・サルヴィーニ さんが手作りするスキンケアコスメ「 IL SIGNORE DI CAMPAGNA (イル・シニョーレ・ディ・カンパーニャ)」の 2 種類に分かれます。
お母様の想いを受け継いで生まれたコスメ
薬局の向かいにある コッラード さんの工房を見せていただきました。
薬局を経営していたお母様のアッスンティーナさんが早くに亡くなられた時、コッラードさんは薬局を継ぐと同時に、アッスンティーナさんが大好きだったスキンケアコスメを開発することを決意したそうです。
シエナ大学大学院との共同研究により、なるべく地元の原料を使い「高品質」と「手作り」に徹底的にこだわったナチュラルコスメブランド「 IL SIGNORE DI CAMPAGNA 」は誕生しました。
エレガントなラボラトリーで、一つずつ丁寧に作られています。
キャンティのオリーヴやブドウを主原料として使い、品質を追求した結果、香りは香水で有名なフランスのグラース、ボトルは遮光性に優れたオランダ製のものを採用しています。
コスメの開発を重ねながら、週 2 回は薬局のカウンターに入り、お客様とのコミュニケーションを大切にしているというコッラードさん。
「でも一番大変なのは、我が家の 8 歳の双子の父親としての仕事です」という言葉に、ぐっと親近感が湧いたのでした。
美肌 & アロマ効果が高い癒し系コスメ
「 IL SIGNORE DI CAMPAGNA 」のスキンケアコスメを早速使ってみました。
こちらは、ブドウの種のジェル状のフェイスマスク( 25 €、約 3,200 円)です。顔や首に塗ってマスカットのような甘い香りをしばらく堪能し、洗い流すと明るさとツヤがプラスされ、優しく肌を整えてくれます。
こちらのボディオイル「苦いフルーツ」という意味の「 FRUTTI AMARI 」( 20 €、約 2,500 円)は、香りを試した瞬間に購入即決。
グレープフルーツやオレンジの優しい香りは、癒しと同時に活力を与えてくれます。オイルとしても絶品で、アーモンドオイル、アボカドオイル、アルガンオイルなどが配合されています。
少量生産のためフランチャイズせず、現在薬局の店頭とオンラインのみで販売されているコスメは、一つ一つに心がこめられていました。
コスメの優しさに応えるように肌が健やかさを取り戻すのがわかります。
今後は工房のサロンで、少人数制のスキンケア講習会を定期的に開催していくそうです。
フィレンツェから電車とタクシーでアクセスできますが、できれば車を手配してキャンティのワイン畑をドライブしながら、ぜひ「 IL SIGNORE DI CAMPAGNA 」の世界を味わってみてくださいね。
映像ディレクターなどを経験し、ヨーロッパなどを旅した後に、NYに留学。そこで出会ったイタリア人の旦那さんとの結婚を機にミラノに。現在は育児の傍ら、通訳や日本食ケータリングのお仕事もしています。人との距離感やテンション、センスなどミラノの全てが大好き! 記事では街やそこに住む人々の魅力も伝えていきたいです。様々な形で日本とイタリアの橋渡しができればと思っています!
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