ゴホゴホの季節に「れんこん」れんこんと塩豚のポトフ ゴホゴホの季節に「れんこん」れんこんと塩豚のポトフ

仕事を休むほどではないけど、体がだるい、気持ちがスッキリしない、“なんとなくの不調”ってありますよね。
それ実は、季節や気候の変化が影響しているのかも。
「季節の症状の改善には季節の食材が効果的」という
東洋医学の知恵に基づき、
旬をおいしくとり入れた献立=食養膳をお届けします。
カラダとココロをセルフメンテナンスしていきましょう!

12月後期のカラダとココロ 12月後期のカラダとココロ

一年の中で夜がいちばん長く、昼がいちばん短い日が「冬至」。今年は12月21日です。気温が下がり、空気が乾燥するこの時期は、インフルエンザや風邪などの感染症にかかりやすく、今年はさらに新型コロナウイルスの心配も重なりますね。気温がぐっと下がると、のどや鼻の粘膜の働きが弱くなり、ウイルスに対する抵抗力が低下することに。また、空気が乾燥するとウイルスが空中に漂う時間が長くなって、感染症が流行しやすくなります。


風邪をひくと、体がだるくなり、寒気を感じたり、熱を出したりしますね。自分の体をよく観察すると、ゾクゾクしてとにかく寒いのか、熱っぽくて冷やしたいのかがわかります。寒気が強いときは温めて汗をかいて治し、熱っぽく咽が腫れているときは冷やして熱をとります。

漢方の風邪タイプ

寒い風邪

症状の特徴:ゾクゾクと寒気がする、頭痛、関節や筋肉が痛む、くしゃみ、鼻水など
養生のポイント:しょうが湯やくず湯などを飲んで体の中から温める。首筋を温める。生野菜、果物、アイスクリームなど冷たいものを避ける

※寒い風邪に、さらに湿邪(湿気)が影響した場合は、体の重さ、だるさ、眠気、
頭重、筋肉痛、しびれのほか、下痢や吐き気などの胃腸症状も起こってきます。胃腸症状が酷い時は、無理に食べないことも大切です。

熱の風邪

症状の特徴:寒気よりも熱っぽい、のどが赤く腫れて痛い、黄色い粘った痰や鼻水が出る、口や鼻の乾燥など
養生のポイント:香辛料、こってり甘いもの、もち米類、アルコールを避ける。れんこんのしぼり汁やれんこんおろしを摂る

※熱の風邪が進行すると、気管支や肺に炎症を起こし、乾いた空咳や止まらない咳込み、
口や鼻が乾燥してヒリヒリ痛むという症状が起こってきます。はちみつのお湯割りを飲んだり、梨を食べることをおすすめします。

この季節になるべく避けたいもの:香辛料、もち米類、こってり甘いもの、寝不足、体を冷やすこと

ゴホゴホの季節に「れんこん」

今回のテーマ食材「れんこん」は、風邪の予防に効果的なビタミンCを豊富に含むほか、胃腸の機能を助け、五臓を養い、痰をとり除く作用があるといわれています。のどが腫れて痛いときや、強い咳込みがあるときには、れんこんを生のまますりおろしたしぼり汁を摂ると、症状がやわらぎます。また、「冬至の日に“ん”のつくものを食べると幸運を呼び込む」と古くから伝えられていて、れんこんもそのひとつ。まさに今が旬、シャキシャキのおいしさをぜひ料理にとり入れてください。

れんこんイラスト

れんこんを使った主菜「れんこんと塩豚のポトフ」 れんこんを使った主菜「れんこんと塩豚のポトフ」

寒い季節は、コトコト煮込んだ料理でお腹もお部屋もあたたかく。「ポトフ」とは、フランス家庭料理のひとつ。大きめにカットした野菜とお肉でボリューム満点の煮込み料理です。れんこんに塩豚を組み合わせたポトフは、体を温めて、胃腸の機能をアップし、免疫力を高める作用が。アクセントに、にんじんとさつまいものやさしい甘みをプラス。冬は根菜類がおいしい季節なので、れんこん以外にごぼうや里芋などを入れるのもおすすめです。

材料(2~3人分)

れんこん 150g

塩豚 300g

玉ねぎ 150g

にんじん 100g

さつまいも 100g

水 600ml

ローリエ 1枚

塩豚を仕込む
豚バラ肉300gに、砂糖3gと塩6gを順にすりこむ。厚手のペーパータオルでしっかり包み、さらにラップで覆う。冷蔵庫に入れ、3日から1週間ほど寝かせる

ひと手間の理由
塩の効果で豚肉から余分な水分が抜け、うまみが凝縮します。保存が効くため、冷蔵庫に常備しておくと便利。ポトフのほか、薄切りしてベーコンのように使えます

1 具材を鍋に入れる
れんこん、玉ねぎ、にんじん、さつまいもを大きめにカット。仕込んでおいた塩豚を3~4等分に切って、ほかの野菜とともに鍋に入れる。鍋に水を注ぎ、ローリエを入れて火にかける

ひと手間の理由
玉ねぎ以外の野菜は、皮つきのまま使うと煮崩れしにくいです
ローリエは半分にちぎるか、切れ目を入れると香りがたちます

2 煮込む
煮立ったらあくを除き、フタをして弱火で40分ほど加熱する

3 仕上げ
肉に串を刺し、すっと入るほど柔らかくなっていたら味見をして、塩とこしょうで味を調えてできあがり

本日の食用膳 本日の食用膳

主菜 れんこんと塩豚のポトフ
副菜 かぼちゃのグリル
主食 米粉パン

いよいよ年末。仕事もプライベートもバタバタと忙しくなるこの時期は、過労や寝不足などが重なって
免疫力が下がり気味のところに、寒さと乾燥が影響し、風邪をひきやすくなります。
体の中からしっかりとあたためて、栄養補給もバッチリ、大地の恵みをたっぷりととり入れた献立にしました。
れんこんと同じく“ん”のつく野菜、冬至に食べると病気の予防になるといわれている「かぼちゃ」を副菜に。
主食は、米粉をつかったパンにして、グルテンフリーです。

副菜:かぼちゃのグリル
つくりかた

かぼちゃを1cmほどの厚さに切り、
塩・こしょう・レモン汁・ローズマリー・
オリーブオイルでマリネする。
油はひかず、フライパンで柔らかくなるまで
じっくりと焼く。

鈴木聖子 Seiko Suzuki
料理研究家。大学で栄養学を習得し、卒業後は飲食店のスタッフトレーニングや商品開発の仕事に従事。その後オーストラリアへ渡り、レストランで働きながら食文化を学ぶ。帰国後はクッキングスクールに10年間勤務。2013年から「3さいからはじめる料理教室 KISSAKO」を主宰。季節の食材を使う料理レッスンのほか、企業向けのレシピ開発、ケータリング、加工食品販売なども手掛ける。頭の中は常においしいもののことでいっぱいな二児の母。
料理教室・料理研究家KISSAKO
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飛奈光重 Mitsue Tobina
漢方家。大学の薬学部在学中、医療ミスで祖母を亡くした経験から東洋医学と漢方の道へ。卒業後は漢方専門薬局に勤務し、数多くの漢方相談を受けることで臨床経験を積む。2019年「漢方専門 横浜梅桜堂薬局」を開業。婦人病、皮膚病、目の病気の研究に特に力を入れている。漢方歴25年、薬剤師と国際中医師の資格を持つ。
横浜梅桜堂薬局

編集・文/依知川亜希子