ヒエヒエの季節に「ラム」ラムの香草パン粉焼き ヒエヒエの季節に「ラム」ラムの香草パン粉焼き

仕事を休むほどではないけど、体がだるい、気持ちがスッキリしない、“なんとなくの不調”ってありますよね。
それ実は、季節や気候の変化が影響しているのかも。
「季節の症状の改善には季節の食材が効果的」という
東洋医学の知恵に基づき、
旬をおいしくとり入れた献立=食養膳をお届けします。
カラダとココロをセルフメンテナンスしていきましょう!

10月後期のカラダとココロ 10月後期のカラダとココロ

秋が一段と深まり、朝晩の冷えこみを実感するこの季節。気をつけたいのは体の冷えです。人間は体温36.5~37℃で元気に活動ができ、免疫力が活発になるといわれています。体温が低いと、免疫力や基礎代謝が落ちる上に、血行が悪くなり、むくみやすく、感染症にかかりやすい状態に。冷え性で手足やお腹が冷えている人は、体の外から温熱を加えるだけでは改善しないので、体の中から温めましょう。また、過剰なストレスや、血行障害があるときは、手先や足先まで気血が巡らずに冷えている場合も。気分転換に体を動かすことや、リラックスする香りをとり入れることも大切です。

この時期は、1年に4回、季節の終わりにやってくる「土用(どよう)」のひとつ「秋の土用」に入ります。今年は10月20日~11月6日。この期間を過ぎると立冬を迎えます。季節の変わり目で体調を崩しやすくなる秋の土用の時期、体を冷やさないことが元気に冬を迎えるための重要なポイントです。気分転換に体を動かすことや、リラックスする香りをとり入れるなど、ストレスを溜めないことも大切です。

この季節になるべく避けたいもの:生の食べ物、冷たい食べ物、甘いもの(白砂糖)、お腹や足を冷やすファッション

ヒエヒエの季節に「ラム」

「ラム」とは、生後12か月未満の羊肉のこと。生後1年以上の羊肉は「マトン」と呼びます。体を温めて元気にする力があるラムは、まさに冷えから体を守るのにぴったりの食材。東洋医学では、胃腸や腎(生命力の源)を強壮にし、血を補い、気力を増し、虚弱な体を丈夫にする作用もあるといわれています。高タンパク低カロリーで、鉄分やビタミンB群、不飽和脂肪酸など、女性に嬉しい栄養素を豊富に含んでいるのも魅力。日常の料理にとり入れたい食材のひとつです。

ラムイラスト

ラムを使った主菜「ラムの香草パン粉焼き」 ラムを使った主菜「ラムの香草パン粉焼き」

最近はスーパーでもよく見かけるようになったラム肉。マトンよりも肉質がやわらかく、香りが控えめなので、牛豚鶏肉と同じく普段の料理にぜひ活かしてみてください。今回は、相性の良いハーブをしっかりとまぶしてフライパンで焼くだけ。ラムを調理するのが初めての方も気軽にできるように、少ない材料の簡単レシピにしました。骨付きのラムチョップをつかえば、見た目もボリュームもバッチリ。お酒が好きな方は、しっかりした白ワインや軽めの赤ワインと一緒にどうぞ。

材料(1人分)

ラムチョップ 2本

塩 適宜

こしょう 少々

パン粉 大さじ2

パセリ 大さじ2

油 小さじ2

1 下準備
ラムチョップは調理の30分前に冷蔵庫から出して室温に戻しておく。パン粉は指ですりつぶして細かくし、みじん切りにしたパセリを加えて合わせる

ひと手間の理由
パン粉は細かいほうが肉につきやすく、油の吸収が少ないのでカロリーダウンできます

2 ハーブパン粉をつける
肉の両面にまんべんなく塩とこしょうをふったら、ハーブパン粉を両面にしっかりと押しつける

3 厚さ×2分で焼く
フライパンに油をひいて熱する。盛り付けたときに上になる面から焼く。おいしそうな焼色がついたらひっくり返し反対面もさっと焼いたら蓋をして弱火に

ひと手間の理由
お肉がおいしく仕上がる焼き時間は「肉の厚み×2分」です。厚さ2㎝の肉なら×2分で4分焼く。これでミディアムの焼き上がりに。フライパンに肉を入れたときにタイマーをかければ失敗がありません。牛肉でも同じように試してください

4 置くことでさらにおいしく
指で肉を押して、弾力がついてきたらバットにとり出し、アルミホイルを被せて5分ほど置いて肉汁を落ち着かせて、できあがり

本日の食用膳

本日の食用膳 本日の食用膳

テーマ食材の「ラム」をつかった主菜をメインに、旬の野菜をたっぷりと。体を内側からじんわりぽかぽかと温めることを意識して仕立てたお膳です。羊肉と生姜を合わせた漢方薬「当帰生姜羊肉湯(とうきしょうきょうようにくとう)」にならって、ラムと相性がよく温め効果の高い生姜を副菜と汁物に盛り込みました。大根のスープは、とろみをつけているので、のどに違和感があるときにもおすすめ。副菜の温野菜、にんじんの甘みがほんのりと感じられる主食のキャロットライスで、彩りも鮮やかに。

副菜:温野菜の味噌ディップ
つくりかた

すりおろした生姜、味噌、マヨネーズを混ぜてディップに。蒸した野菜に添える。


汁物:大根のスープ つくりかた

大根と玉ねぎを千切りにして、洋風スープで柔らかくなるまで煮たら、塩麹(または塩)で調味。
水溶き片栗粉で軽いとろみをつけて、生姜のしぼり汁を加える。


主食:キャロットライス つくりかた

米1合をといで水につける。水気を切り、1カップの水と塩ひとつまみを加えて平らにならしたら、
すりおろしにんじん30gをのせて炊く。

鈴木聖子 Seiko Suzuki
料理研究家。大学で栄養学を習得し、卒業後は飲食店のスタッフトレーニングや商品開発の仕事に従事。その後オーストラリアへ渡り、レストランで働きながら食文化を学ぶ。帰国後はクッキングスクールに10年間勤務。2013年から「3さいからはじめる料理教室 KISSAKO」を主宰。季節の食材を使う料理レッスンのほか、企業向けのレシピ開発、ケータリング、加工食品販売なども手掛ける。頭の中は常においしいもののことでいっぱいな二児の母。
料理教室・料理研究家KISSAKO
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飛奈光重 Mitsue Tobina
漢方家。大学の薬学部在学中、医療ミスで祖母を亡くした経験から東洋医学と漢方の道へ。卒業後は漢方専門薬局に勤務し、数多くの漢方相談を受けることで臨床経験を積む。2019年「漢方専門 横浜梅桜堂薬局」を開業。婦人病、皮膚病、目の病気の研究に特に力を入れている。漢方歴25年、薬剤師と国際中医師の資格を持つ。
横浜梅桜堂薬局

編集・文/依知川亜希子