2020.12.26
行った気分を味わえる!美食の地マルケで名物ワインと絶品パニーニに舌鼓
イタリア マルケ州 レストラン
美しい田舎町のエノテカ「LA BOTTEGA DI MEMORY’S」
イタリア中部のマルケ州、サッソフェッラートという小さな村。
歴史の大舞台に立つことなく、大自然の谷間で静かに時間を刻んできました。郊外に残る遺跡からは、ローマからアドリア海の要所アンコーナへと向かう、古代ローマ人の残影が浮かび上がります。
この村で、人々の憩いの場となっているエノテカ「LA BOTTEGA DI MEMORY’S(ラ・ボッテガ・ディ・メモリーズ)」を訪れました。
地元の常連さんも一見さんの観光客も、温かく迎えてくれる雰囲気。
週末にはバンド演奏や映画上映などもあるそうです。
中世の建物をそのまま生かした、レトロとモダンが共存する店内。
コンセプトは、「100%メイド・イン・マルケ」。海と山に囲まれ、70%が丘陵地で温暖な気候のマルケは、地産地消の意識が高く、有機栽培も盛んに行われています。
ブドウ栽培に最適な土壌で、ヴェルディッキオという世界的に有名な白ワインは、フレッシュでシーフードとの相性が抜群。
赤ワインの代表格コーネロは、知名度こそ白ワインに劣るものの、クオリティの高さは一級品。酸とタンニンが強く濃厚な味わいです。
オーナーの、テレザさんとジャコモさん。ジーンズのエプロンが似合う、素敵な仲良しご夫婦です。マルケは、ジーンズの生産でも世界的に有名です。
マルケ産のワインで、ゆったりとディナータイム
夕刻のアペリティフタイム、お店がオープンしました。
地元の人も観光客も、夕食前の一杯を楽しむために集まってきます。ワインと一緒に提供されるおつまみも、目当ての一つ。
この日は左から、ほうれん草とリコッタチーズと生姜のタルト、モッツァレッラと生ハム・トマトのパイ生地包み、山羊チーズとラズベリーのブルスケッタ、ズッキーニとリコッタチーズのスコーン。地元のチーズや旬の野菜がふんだんに使われ、ボリュームも満点です。
おつまみが美味しかったので、軽めの夕食もこちらでいただくことに。
ぜひ食べてみたいのが、この地域にしかない名物パニーニ「クレーシャ」。 小麦粉とオリーブオイルと卵で作られた無酵母の生地は、薄くてもっちりしています。
こちらのお店では、定番プラス季節ごとのクレーシャを、常に10種類以上用意しています。
一番人気の「ミックジャガー」(7ユーロ / 約900円)。
新鮮でとろけるように柔らかいバッファローのストラッチャテッラチーズに、バジリコソース、トマト、プロシュートが入った、王道&鉄板の味わい。モンテフェルトロ産のプロシュートはマイルドな塩味で、良質なラードの甘みがあり、これだけでも十分美味しくいただけます。
水が美味しいことでも知られるマルケ。LA BOTTEGA DI MEMORY’Sでは、今までミシュランで7つの星を獲得している有名シェフ、ブルーノ・バルビエリと一緒にミネラルウォーターもプロデュースしています。
この国の凄さに圧倒される瞬間は、観光地よりむしろ、名もない田舎を訪れた時にやってきます。美しい塔を携えた教会や古い街並み、季節ごとに表情を変えるワイン畑、新鮮な食材を活かしたローカル料理、地元に誇りを持ち笑顔で私たちを迎えてくれる人々。
たくさんポジティブなエネルギーを受け取った、偉大なる田舎・マルケの旅でした。
※この記事は夏の時期に感染症対策を十分に行った上で取材をしました。
映像ディレクターなどを経験し、ヨーロッパなどを旅した後に、NYに留学。そこで出会ったイタリア人の旦那さんとの結婚を機にミラノに。現在は育児の傍ら、通訳や日本食ケータリングのお仕事もしています。人との距離感やテンション、センスなどミラノの全てが大好き! 記事では街やそこに住む人々の魅力も伝えていきたいです。様々な形で日本とイタリアの橋渡しができればと思っています!
この著者の記事一覧へ