2020.10.27
イタリアーナとキレイの関係 #4
仕事や育児などで多忙な日々を送りながらも、自分らしさを失わないイタリア人女性。
彼女たちのライフスタイルを仕事・家族・美容など様々な角度から、ミラノよりレポートします。
第4回は、ミラノで花屋を営むアンナとマリア親子をご紹介します。
ミラノで一番美しい花屋「FIORAIO BOLLETTINI」。
二人は自然派フローリストとして、雑草のような花や枯草にも息吹を与え、忙しいミラネーゼを癒し続けています。マリアのスーパーボヘミアンなバカンススタイルにも注目です。
index 目次
Part1
ミラノのオアシス
「FIORAIO BOLLETTINI」
アンナとマリアが営む花屋へ
ここは、トラックが行き交う環状通りと交差する、ジャンベッリーノ通り。アンナ一家が営む「FIORAIO BOLLETTINI(フィオライオ・ボッレッティーニ)」は、そんな喧騒の一角にあります。道行く人は急ぐ足を止め、美しい草花に飾られたショーウィンドウにしばし見惚れます。
ある朝、開店に向けて準備するアンナの姿がありました。
店内に足を踏み入れると、そこは別世界。
花が咲き乱れる森の中に迷い込んだかのような錯覚を覚えます。商品である草花はあまりにも自然体で、昔からそこに暮らしているかのような佇まいです。
アンナはお客さんの要望を聞きながら丁寧に接客し、花を一緒に選んでいきます。
アンナは現在52歳。ご主人と花屋を始めることになったきっかけは、本当に偶然だったと言います。
1990年代のミラノは、店同士の競争を避けるため、区画ごとにお店の種類や場所を細かく設定していました。その時二人がたまたま見つけたのが、この花屋の空き店舗だったそうです。
それから27年、少しずつ手を加えて現在の空間を作り上げていきました。
「私の仕事は、草花自身がその美しさをありのままに表現できるよう、お手伝いすること。雑草のような草も、花が枯れていく姿も、とても美しいと思っているの。」
22歳の一人娘マリアと、愛猫アリアとの3ショット。
「仕事が忙しくなると、私はストレスを抱え込んでしまうタイプ。でもマリアは私と正反対で、すごく変わった子。店の草花に囲まれて育ったせいかいつも穏やかで、怒ったところを見たことがないのよ。」
「そうなの、怒りとかストレスがどういうものなのか、今いちピンと来ないの。」と、マリア。
この世に妖精が実在するとしたら、それは彼女に違いないと思いました。
そんなマリアが得意とするのは、リース作り。クリスマスシーズンだけではなく一年中飾れるリースを、乾燥した花や実を紡いで美しく仕上げていきます。一度は命を閉じたはずの草花が、リースの中で息を吹き返します。
ある日店内に迷い込み、その日からお店の住人になった猫のアリア。フォトジェニックな看板娘です。