2023.02.09
欧米セレブが火付け役、500年の歴史を持つ日本の美顔術「古美道」とは?
古美道(KOBIDO)
ヨーロッパに到来した 「KOBIDO」ブーム
去年から、ミラノやパリの友人たちに度々「KOBIDOってどう?」と聞かれるようになりました。知らない、と正直に答えると、「日本では一般的なマッサージだと思っていた!」というリアクション。日本人としてリサーチしないわけにはいきませんでした。
KOBIDOは「古美道」と書き、1472年に日本で誕生したと言われる美顔道です。按摩師が開発した48の技法からなり、現在は26代家元で医師でもある望月正吾氏が世界でその作法を伝承しています。指を巧みに使った施術が肌表面だけではなく深層部に働きかけ、筋肉の位置を正常に戻し、滞ったリンパの流れを改善するというもの。その明らかな小顔・エイジング効果にまずアメリカのセレブたちがハマり、ここ数年ヨーロッパでも一気に知られる存在となりました。
今回私が訪れたのは、ミラノ大聖堂の近くにある「KOBIDO STUDIO」。ナディアさんは古美道を望月氏から直々に学び、古美道フェイシャリストの資格を持つ、イタリアでは数少ない一人です。望月氏からは古美道の作法を通して、和の精神も学んだと言います。
日本から取り寄せている、古美道専用のオーガニッククレンジング、桜が配合されたジェル、バラの化粧水、そして仕上げのクリーム。施術は主にジェルを使って行いますが、コスメを塗布することが目的ではなく、主役はあくまでもフェイシャリストの10本の指。
50分間のマッサージ は一人ひとりの個性に合わせて、こわばりのある部分などを集中的にほぐしながら行われます(120€/約17,000円・税込)。マッサージの範囲は顔、頭部、首、デコルテ、脇の下、手と足先まで及びます。
実際に古美道マッサージを体験
灯りを落とした和な音楽が流れる空間で、ナディアさんの施術を体験させてもらうことに。
スタートして驚いたのが、他にはない清流のようなスピード感。速くリズミカルかつ自然な動きで、滑る・叩く・摘むといった独特の手法が繰り返されていきます。リンパが滞りやすいフェイスラインは特に念入りに。肌の奥まで優しい刺激が行き渡り、細胞から癒やされたような感覚は心地よく、施術中からすでに大満足。終わったあとに鏡を見ると、たるみが取れてフェイスラインがスッキリし、目のクマやくすみも改善されているように感じました。結婚式など大切なイベントの前に施術を受けると化粧ノリが格段に良くなり、目元の化粧崩れなどを防ぐ効果があるそうです。
「アンチエイジングという言葉はあまり好きではありません。古美道は、エイジリバース(若返り)を実現する、画期的な作法だと思っています」と、ナディアさん。40代後半とは思えない美肌の持ち主の彼女が発する言葉は説得力がありました。
欧米でその確かな効果が認められて、確固たる地位を築き上げた古美道。日本に逆輸入という形で広まっていくのも、遠い未来ではなさそうです。
映像ディレクターなどを経験し、ヨーロッパなどを旅した後に、NYに留学。そこで出会ったイタリア人の旦那さんとの結婚を機にミラノに。現在は育児の傍ら、通訳や日本食ケータリングのお仕事もしています。人との距離感やテンション、センスなどミラノの全てが大好き! 記事では街やそこに住む人々の魅力も伝えていきたいです。様々な形で日本とイタリアの橋渡しができればと思っています!
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