2022.11.29
<西天満>フレンチスタイルで、自然派ワインをお供に過ごすご褒美時間
L’occas - bar à vin - ロカス 西天満
年の瀬になり、バタバタしがちな12月。素敵な空間でワイングラスを傾けながら、今年も頑張った自分を労ったり気心知れた友人と語らったり、ゆったりとご褒美時間を過ごしてみるのはいかがですか?
大阪の西天満、コンクリートの打ちっぱなしが特徴的なビルの2.5階に店を構える、L’occas (ロカス)- bar à vin -。知らないとなかなかたどり着けないお店ですが、一度知るとリピートしてしまう不思議な魅力を持つ一軒です。
日常使いはもちろん、クリスマスや年末などちょっと特別な時も対応してくれておすすめです。
今回はL’occasのソムリエ・Doli(ドリ)さんこと八塚夢子さんと、プランナーのTaro (タロ)さんにお話を伺いました。
L’occasとは
ヨーロッパ産の自然派ワインからグランヴァン、食事も一緒に楽しめるバー・L’occas。カジュアルな自然派ワインから、少し背伸びした高級なグランヴァン(銘醸ワイン)まで、両方を一度に飲める場所はそうありません。
店内に一歩踏み入れると、ドライフラワーやキャンドルが配されたセンス溢れる空間がお出迎え。
どことなく海外のような印象を受けますが、それもそのはず、実はファッションデザイナーでもあるオーナーは、5年間パリで暮らしながら経験を積まれました。そのエッセンスを取り入れて、洋服をデザインするように手掛けた内装なのです。自然派ワインもその頃に出会い、ファッションと両立する形でL’occasをオープンされました。
コンセプトは「第二のリビング」
店内でまず目に入るのが、中心にある広々としたカウンターです。
スタッフとお客さんが一枚のテーブルを共有するスタイルで、その間に段差や敷居はありません。それはそのままこのお店の風通しのよさ、心地よさに通じるよう!
またテーブルは六角形で、これは角度を付けることで同席者と顔が合わせやすく、会話が弾むようにするため。それを計算してオーナーが依頼したオーダーメイドの一枚なのです。
実際にL’occasではお客さん同士でも会話が始まり、盛り上がることも日常茶飯事。空間づくりは気さくなスタッフの接客のおかげだけでなく、カウンターにも仕掛けがあるのですね。
ワインの基準は「まっすぐ、色気、余韻」
L’occasでワインを選ぶ際の基準をお聞きすると「まっすぐ、色気、余韻」という3つの答えが返ってきました。
・まっすぐ
まず丁寧に、伝統を守り、大切に造られた小規模生産のワインであること。また奇をてらい過ぎず、飽きずに繰り返し飲めること。そして飲むたび、時間が経過するごとに違う表情を見せてくれることも重要視しています。
・色気
生命力、エネルギーを感じること、そして香り。原料の、そしてワインになってもなお、口に入れた瞬間に感じる力強い生命力や、エネルギーに色気を感じるとドリさんは言います。もちろん香り豊かであることは外せません。
・余韻
「余韻の長さと質を重視しています」とドリさん。上質で、余韻に複雑さ、繊細さがあること、またそのスケール感がカギだそうです。
クリスマス時期におすすめの自然派シャンパーニュ
できるだけ切らさないように仕入れるという、造り手「Remi Leroy(レミ・ルロワ)」の一本。
「香り華やかでバランスの取れたクリアな味わいが魅力の『Remi Leroy』のワイン。小規模な生産者で、ほかの醸造家にブドウを売って生計を立てつつ少しずつ自社ボトルを増やしている堅実さも応援したくなる理由です。ソムリエとしてもセラーに入っていると安心な、頼りになる存在です」。
こちらの100%のピノノワで造るシャンパーニュは、コクがあり口当たりも柔らかく「キンキンに冷やさなくても美味しい」のが特徴。そのため冬におすすめしたい一本です。
ドリさん曰く、「食事でも夏場はあっさりとしたものが好まれますが、冬場は温かくバターやクリームを使った料理を欲する感覚に近いかも。『Remi Leroy』のシャンパーニュは飲み応えもあり、冬の料理とのバランスもいい」そう。
L’occasでは「スッキリドライなタイプ」と「ふくよかでコクのあるタイプ」、両方を取り揃えているので、気分に応じて提案してくれますよ。迷ったら、ぜひワインと人が大好きなスタッフに相談してみて。
ワインと料理のペアリング
ワインと料理の合わせ方を聞くと「簡単なペアリング方法のひとつは、色味です」とのこと。なるほど、赤ワインと赤身肉、白ワインと魚料理を合わせることからも納得ですね。
「牛ももランプ肉ステーキのココット料理」×「Chambolle-Musigny」
お肉はキレイなピンク色。ストウブというフランスの焼き鍋で焼き目を付け、ココット鍋でオーブンに入れて蒸し焼きに。それにより、遠赤外線でじっくり火を通してピンク色を保ちつつ仕上げることができるのだそう。ブロック肉で焼き上げるため、数人でシェアするのがおすすめです。
合わせるのはDomaine Arlaud(ドメーヌ アルロー)という造り手の「Chambolle-Musigny(シャンボールミュジニー)」。
ナチュラルグランヴァンと言える、自然派でありつつ高級感のある赤ワイン。ピノノワール100%を使い、自然な製法で丁寧に作られています。華やかなのに重厚感があり、ハッとするような香りを放ちます。存在感がありお肉とのバランスも絶妙です。
冬季限定で、牛ももを「エゾ鹿」(3,300円・税別)に変更できます。要予約なので、気になる方はぜひ!
「さつまいものフリット ハニーマスタード添え」×「KAOS5.0」
外側はサクッ、中はもっちりしたさつまいものフリットは、添えられたハニーマスタードと一緒に。天然の甘さと、さつまいもの食感がまるで上質なスイーツのよう。
合わせるのはEtnella(エンテッラ)のオレンジワイン「KAOS(カオス)5.0」。ドリさん曰く「これぞオレンジワイン中のオレンジワイン! 入門編としてまず飲んでもらいたい」という一杯。
ビターさが感じられる、しっかりとした柑橘系。印象的でアロマティックなワインです。この軽やかさ、デザート感がさつまいものフリットとも相性抜群です。
〆やカフェ利用に、スイーツとエスプレッソを
L’occasはコーヒーにも自信あり。挽き方や抽出にとことんこだわり、オーナーがパリで飲んでいたコーヒーの味を限りなく再現して提供しています。「うちのスイーツはお酒にも合うんです」とのこと。食事の締めにも、またサクッとカフェ利用にもピッタリですね。
・「イタリア産ピスタチオの濃厚ジェラートのアフォガード」
一般的にアフォガードとは、バニラアイスにエスプレッソをかけたスイーツのこと。L’occasではピスタチオジェラートに自慢のエスプレッソをかけて提供しています。
ピスタチオ特有のコクがエスプレッソのそれとマッチし、重厚感のバランスがいい。どちらも美味しいところが引き出された一品です。
今回は、自然派ワインのバー・L’occasを紹介しました。
今の時期、クリスマスや年末に出かける場所を探している人も多いはず。美味しい料理と、ちょっと特別な自然派ワインやグランヴァンで過ごすひとときはいかがですか?
なにより店の雰囲気、スタッフの方のサービスも心地よく、大阪に来たらぜひ足を運んでもらいたいおすすめのバーです。
旅するように暮らす自然派ライター/オーガニック料理ソムリエ。
4年に渡る世界一周後、オーストラリアに移住し約7年暮らす。コーヒー好きが高じてオーストラリアではバリスタ業の経験も。今は繊細でフルーティーな浅煎りコーヒーに夢中です。ライターとしては旅行誌の広告制作を経て、雑誌広告や編集ページを主に執筆。現在は自然に沿った生き方、ほどほど丁寧な暮らしを自ら実践しながら発信中。地球にも体にも優しい生き方のヒントをお届けしていきます。
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