2022.03.09
三軒茶屋から世界旅行に出よう!郷土菓子専門店「JOURNEY」
JOURNEY(ジャーニー)
そろそろ海外旅行に行きたい…! とウズウズしている方に、ぜひオススメしたい素敵なお店に出会いました。
三軒茶屋駅から徒歩10分ほど。趣を感じる商店街の一角に、郷土菓子研究社の“世界の郷土菓子専門店”JOURNEY(ジャーニー)はあります。 「郷土菓子を通して旅に出よう」をコンセプトに、2021年11月18日にオープン。世界中の珍しいお菓子に出会うことができる洋菓子店です。
オーナーの林さんが、イタリア菓子に興味を持ったのは10代の頃。そこから、世界の郷土菓子の魅力に取りつかれ、ついには渡仏し、アルザスのパティスリーで武者修行をするまでになりました。
その後、自転車で約2年半かけユーラシア大陸を横断しながら各国の郷土菓子を実際に食べて研究。なんとその数は500種以上で、これまで訪れた国は世界6大陸・50カ国にものぼるのだとか! 本を上梓する等、現在もその魅力を発信し続けています。
ズラリと並ぶお菓子たちにドキドキが止まらない!
上品で柔らかいブルーの外装は、イギリスで何気なく見て気に入ったカフェからインスパイアされたもの。足元には、思い出深い中東のタイル文化を取り入れ、お店の雰囲気に合うようアレンジしたのだとか。
生菓子が常時10種類、焼き菓子が12種類ほど。2カ月で定番以外が入れ替わるそう。
「これは何⁉」と旅先で初めてのものに触れた時の高揚感と似た気持ちが、なかなか海外に行けない今はなんだか懐かしい。
お子様からご年配の方、時には日本に住む海外の方も来店。温かい交流が生まれる、幅広い客層に愛されるお店です。
心を動かされた“美味しさ”だけを集めて
レシピは、旅の道中立ち寄った店の厨房で教わったり、民泊した際に聞いたお母さんの味などが中心。現地で購入した本からも研究し、数々のお菓子を食べて「美味しい」と心を動かされたポイントを集めレシピに活かしているのだとか。
材料を何かで代用することはあまり無く、可能な限り現地のものを使って作るのが林さん流。
オーストラリアやニュージーランドが発祥とされるメレンゲのお菓子。
外はサクッ、中はしっとり焼けたメレンゲに、生クリームと旬のフルーツをのせて。期間限定のデコポンとミントのサッパリさが甘いメレンゲとよく合います。“とろふわサクッ!”の食感とフルーツのジューシーさが絶妙なバランスの逸品。
フランスのバスク地方の郷土料理。原材料はマジパン(アーモンドのペースト)のみで仕上げた、クッキーのような食感のお菓子です。現地では大きなものが主流だそうですが、ピスタチオとカカオ・エスペレット唐辛子の2種類をお試しサイズで。
練りこんだエスペレット唐辛子は、バスク地方名産で甘みと独特な香りが特徴。ピリッとした後、甘みと共にじんわり喉の奥で温かさを感じる、新感覚の美味しさです。
フランス・ボルドーの郷土菓子で、外はカリッと中はもちっと食感が人気。バニラとラム酒、焦がしバターの香りが優しく広がり、その余韻にずっと浸っていたい美味しさ。
アゼルバイジャンの最も代表的な郷土菓子で、餃子のようなユニークな見た目の焼き菓子。独特の模様をつくる専用のタルトピンは旅路で購入したものを今も使っているのだとか。
パイ生地の中にクルミと粗糖のザクザクした食感が楽しめ、噛み締めるたび口いっぱいに広がるカルダモンのエキゾチックな香りがたまらない!
チョコシェチェルブラは期間限定でカカオニブ入り。フィリングの粗糖とカシューナッツ、バニラ(ドライ粉末にしたもの)、カカオニブを砕きながら食べることで、チョコレートを作る工程が口内で楽しめるようなイメージの、遊び心満載の逸品。
スコットランド生まれの焼き菓子。イギリススコーンの粗い感じを再現するため全粒粉を使用。ザクザク食感で粉の良い香りが楽しめます。
濃厚なRodda’sのクロテッドクリームとイチゴジャムとの組み合わせが至福。紅茶も一緒に、アフタヌーンティーを楽しんで。
さぁ、次はどこに行こう?
お店では、夏はさっぱりアジアのお菓子、冬はスパイスの効いたヨーロッパ北部のお菓子…と、季節を意識したラインナップにこだわっているそう。3,4月はイースターの春っぽい、卵を使ったお菓子を考えているんだとか。
時々、お菓子を作りながら旅で出会った人たちのことを想うこともあるそう。人の温もりを感じる、そんなお店でした。
「ぜひお菓子で世界旅行してください!」と林さん。
甘い香りと異国の風を感じに、JOURNEYの扉を開けてみては?
◆営業時間
11:00~20:00
定休日…火曜日
◆郷土菓子研究社youtube THE PASTRY JOURNEY
https://www.youtube.com/c/%E9%83%B7%E5%9C%9F%E8%8F%93%E5%AD%90%E7%A0%94%E7%A9%B6%E7%A4%BE/featured
ドイツ在住の元CA。システムエンジニアを経て客室乗務員となり、退職後2023年より家族とドイツに住む。学生時代に台湾留学でマスターした中国語と英語に加え、現在はドイツ語の資格取得に挑戦中。異文化交流と新しい体験を求めて、世界中を旅するグルメ探究者。旅先で味わった料理を自宅で再現するのが趣味。ドイツを中心にヨーロッパでの暮らしと旅情報をお届けしていきます。
Instagram:@wakana_log/@wakana_log_germany
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