2021.10.29
日本初上陸!フォションホテル京都のスパで旅行気分を堪能
フォションホテル京都
パリを代表するブランド「FAUCHON(フォション)」の日本初、世界2号店が今年4月に京都に誕生しました。
ホテルコンセプト「FAUCHON Meets Kyoto. Feel Paris.」を食で表現するガストロノミーや、京都オリジナルのアフタヌーンティー、なかでもフォションブランドとして世界初出店の「Le Spa Fauchon (ル スパ フォション)」は、日本とパリの美のスペシャリストによる最高峰のスパを目指し、ボディ、フェイシャル、スクラブなどのオリジナル施術メニューやプロダクトはもちろん、さまざまなこだわりを通し、京都にいながらにしてパリを体感できるとして人気です。
グルメもビューティーもファッションも満喫しながらフォションの世界観にどっぷり浸れる、1泊2日のホテルステイをレポートします。
京都とパリの意外な関係
1958年に日仏間初となる姉妹都市提携が実現した京都とパリ。60年以上の長きにわたり文化や芸術をはじめ、あらゆる分野で交流を続けています。その歴史を紐解くと文化的・地理的な面から多くの共通点を見出すことができます。両都市には同様のDNAが刻まれています。
共通点のひとつに、互いに1,000年を超える都であり、洗練された伝統文化の中心地としてあり続けること。人々の営みが寺社をはじめとする歴史的な建造物や町並みの中で繰り広げられ、その音や彩色、取り巻く雰囲気は、歴史の重層性と伝統の重さや奥深さを感じさせ、芸術・文化の街としての地位を保っていることが挙げられます。
2018年、フォション開業の地であるパリ・マドレーヌ広場に誕生した「Fauchon L’Hôtel Paris(フォション ロテル パリ)」。細部にまでこだわった内装は、モダンでありながらも温かさを感じ、高級感あふれる造りで訪れる人を魅了してきました。
フォションホテルでは、京都とパリ共にフォションブランドに脈々と流れるDNAを「GLAM」という4つの文字に込め、コンセプトとして掲げています。
「G」はGOURMET、美食。パリで最も創造的なベーカリーであり、フランス料理の伝統を現代に引き継ぐフォションの名に懸けた美食体験の証です。「L」はLOCATION、豊かなロケーション。朝も昼も夜も、その街を存分に楽しむのに好立地です。「A」はARTIST、 ホテルのために特別に作られたオーダーメイドのアートワークがホテル随所に散りばめられています。「M」はMESDAMES、フランス語で洗練された女性たちを意味します。
FOUCHON Meets Kyoto. Feel Paris
ホテル全体のデザインを担当したのは、国内外で数々のラグジュアリーホテルやレストランを手掛ける株式会社デザインスタジオ・スピン代表の小市泰弘氏。
京都とパリそれぞれのデザイン様式や素材、技術が絶妙なバランスで融合する空間が広がります。たとえばアーチ形状が象徴的な外観からエントランスへの流れ。フランス・パリ彷彿とさせるファサードを通りホテルに入っていくアプローチ。見上げた先には満開に咲き誇る桜をモチーフにしたステンドグラス。美しく雅びな春の京都がゲストを迎え入れてくれます。
エントランスからティーサロンへと続く大階段は、翼を広げた鳳凰に花々がたわわにこぼれ落ちたような優美なデザイン。鉄の曲線美で西洋的に表現された両翼に対し、花々は日本の伝統的な文様にアレンジされています。
インテリアにはパリのスタイルからインスピレーションを得たフォションピンクを取り入れながらも、素材には京都を伝統工芸のひとつである西陣織を使用していたりと、フォションホテル京都ならではのデザイン、素材、家具、アートによる京都とパリの融合を楽しめます。
フォションのごちそう、マカロンとともにチェックイン
チェックインは10階のラウンジエリアにて。フォション自慢のスイーツと紅茶でリラックスしながら、ソファーにゆったりと座ったまま、パリから直輸入したフォションのごちそうでもあるマカロンからこの旅がスタート。もちろん滞在中はさまざまなフレーバーを楽しめます。
鼻を抜ける花の香りとクリーミーな味わいがマッチしたマカロンは、フォションが手掛けるペストリーの真骨頂です。ピンクやパープルといった高級感漂う華やかな色使いも魅力です。
アートが散りばめられたゲストルーム
フォションピンクと黒を基調にしたアイコニックな客室内にも、京都を感じるアート作品が散りばめられています。京都の景色を印象的に切り取ったモノクロのフォトグラフアートは部屋ごとに異なり、同じ一枚は存在しません。“京都の細部が醸し出すしっとり、はんなり、女性的な魅力、グラフィック的な解釈でとらえた京都の美”というように、客室タイプごとにコンセプトを設け、空間を彩る作品です。
注目すべきは、日本を代表する着物デザイナー斎藤上太郎氏が手掛けたベッドボード。多種のメタリックヤーンを細尾真孝氏による西陣織のジャガード技術で織り上げた豪華で繊細なアート作品。日本古来より伝わる八百万の神信仰をモチーフに、神宿る水面を表現したデザインなど、日本の歴史と文化を感じながらも、フォションのデザインテーマであるグラフィック要素を交えた文様が彩られています。
大人の女性が心の奥から癒される居心地の良い空間で、洗練された照明や調度品、スイーツ、肌に触れるタオルやリネン、オリジナルのバスアメニティなど、随所に拘りを感じられます。
全客室に設置されたシャンパンピンクのクローゼットの正体は、「フォション ロテル パリ」でもゲストに大好評の「Gourmet Bar(グルメバー)」です。扉を開けるとズラリと並ぶのは、フォションのスイーツやペストリー、その隣には紅茶まで!部屋にいながらにしてフォションを味わい尽くせます。客室内でのティータイムを楽しんでもいいし、食べきれなかった分はホテルオリジナルのショッパーに入れてお持ち帰りもできます。
パリのエスプリを感じるフォションスパが世界初出店
3階の「Le Spa Fauchon(ル スパ フォション)」は、フォションブランドとして世界初出店となるスパ。パリで数々の5つ星ホテルスパやアメニティを手掛け、日本初上陸となるプレミアムコスメブランド 「KOS PARIS(コスパリ)」と、株式会社クレドインターナショナルが共同でプロダクトやメニューの開発・監修をしています。彼らが手掛ける配合は、世界中から厳選した素材の効果を最大限かつ最優先に生かすよう、植物の栽培から実験室までそれぞれのステップにおいて、民族植物学者や配合技術者とともに取り組んできたノウハウを持ち、これまでスパ業界に大きなインパクトを与えてきました。
今回コスパリとのコラボレーションで誕生したのは、パリと京都を結ぶ架け橋となるような希少価値の高い最高級シグネチャーオイル。椿オイルを主成分に、サンフラワー、グレープシード、ココナッツオイルをブレンドした、軽めで伸びの良いテクスチャーが特徴です。トップノートは日本でもなじみの深いローズウッドとサンダルウッド(白檀)が神秘的に香り、ラストノートにはフォションのスイーツを連想させる、ベンゾイン(安息香)の甘い香りが残ります。
パリでトップセラピストとして活躍するYuki INOTSUME (ユキ イノツメ)氏がプロダクト開発に携わり、“人と自然がより健やかに美しく”を探求すべく、世界中の伝承民間療法や最先端栄養学など健康と美容、ウェルネスに関わる分野を幅広く学び実践しています。高い品質を誇るKOS PARISのオイルに、INOTSUME氏がフランスで培ってきた経験を基に日本人の肌質や好みを反映させたフォションオリジナルオイルは、世界ではル スパ フォションを訪れたゲストのみ購入可能です。
今回体験したのは60分のシグネチャーボディトリートメント。まずレモンルイボスティーをいただき、フットバスで足元を温めながらカウンセリングを受けます。暗がりの部屋には温めたアロマがやさしく香り、ここに辿り着くまでの心身の緊張を解きます。
スウェディッシュマッサージをベースに、肘下をリズミカルに使うハワイ式ロミロミ、八の字をゆっくり描くカリフォルニア式、時折バリ式、タイ式を混合しながらあらゆる手技を取り入れています。さらに日本式の整体にヒントを得たという、親指の陰陵線へのアプローチは見事に足の浮腫みが解消されました。
レセプションではパリを感じるジャズミュージックが流れていたのに対し、施術ルームでは禅の音楽が心地よく響きます。フランス在住のクリスタルボウル奏者が奏でるやわらかな音色と、合間に無音を挟むその加減が絶妙で、眠りに誘われてふと気づけば寝落ちしていました。マッサージの5分の居眠りは夜の眠りの30分に相当するほど上質な睡眠と言われているそう。
終わりには季節ごとに変わるフォションの紅茶をいただいてホッとひと息。
一見コンパクトなシティスパですが、スタイリッシュでファッショナブルでマインドフルな空間。忙しい生活を送っている現代人が、素の自分になって身も心も解放していけるよう、施術前後の紅茶から、部屋へのアプローチ、音楽、照明、香りなど細部にまでこだわって演出しています。
今回担当してくれたセラピストの植田さんは、南仏の五つ星ホテルでの勤務歴や、パリでサロン経営の経験があり、この道のスペシャリスト。日本にいながらにしてフランスのエスプリを感じてほしいという思いで、今後は日仏融合したオリジナルメニューや、京都のメーカーさんとの商品開発も視野に入れているそう。
宿泊者以外のゲストもOK、スパだけでも受ける価値があります! 心身の調和を求められている時代だからこそ、五感に働きかけてバランスを整える体験や場所が大切だと感じました。
グルメホテルだからこそ味わえる、京都とパリの美味しいマリアージュ
ホテル最上階に位置するのは「Restaurant Grand Café Fauchon(レストラン グラン カ フェ フォション)」。
朝食からランチ、ディナーまで、一日を通して“グルメホテル”の名にふさわしい美食のひとときを。窓の外に広がる古都・京都の街並みや東山の山並み、流れゆく鴨川など、その眺望はパリのセーヌ川に重なります。
世界三段料理のひとつと称され、ユネスコの無形文化遺産にも登録されるフランス料理。素材を大切にし、調理技法やスパイスで風味、色彩、形、味を芸術レベルまで仕上げます。
一方、出汁と季節の素材を中心に、料理人の洗練された技術と美意識によって調理・盛り付けされた、五色・五味・五法を五感で楽しむ京料理。様々な文化との触れ合いを通じ、暮らしの中で育まれた京の食文化は、季節感やおもてなしの心、本物へのこだわりといった精神文化が浸透しています。
食材の多くを地元の生産者やお店から仕入れ、おいしさの軸となる食材は京都、そのエスプリとエッセンスはフランスから。両都市が食を通して見事に融合しています。
フォション特製鴨のフォアグラ ピスタッチオのパテ・アン・クルートはシェフのスペシャリテ。スープは京都産野菜の冷たいガスパチョ、メインは京都丹波産赤地鶏胸肉のファルシ、リ・ドヴォーのキャラメルトリュフなど、京都の食材を使った新感覚のフレンチを創作しています。
もちろんスイーツもパリで人気のメニューが登場。アイキャッチなリップ型のビビットなケーキBisou Bisou(ビズ ビズ)はフォションのシグネチャースイーツ。フォトジェニックなフォルムがパリでも人気で、バナナのムースに、パインのジュレが口に入れた瞬間ふわっと広がります。サバランにはフォションの紅茶フレーバーを染み込ませたホイップクリームをトッピングして。
ワインやシャンパン、紅茶などのドリンクメニューも豊富なラインナップ。ここでしか味わうことのできない美食を堪能できます。
フォションホテル京都は、日本で唯一フォションオリジナルのシャンパンに出会える場所でもあります。ロゼピンクが美しく、イチゴやチェリーのような爽やかなブーケが魅力の「フォション ブリュット ロゼ」「フォション ブリュット」「フォション ブランドブラン」 の3種があります。いずれも食事と素晴らしいマリアージュを叶えます。
夕暮れに沈む京都の街並みを眺めながら一日の疲れを癒す「Le Bar Fauchon(ル・バーフォション)」。
残念ながらコロナ感染症予防対策で、開業以来まだ一度も営業していないそう。次回は是非ここで食後の一杯を…!※10月15日から当面の間、金土限定でオープン
ティーマスター厳選! フォションの真骨頂アフタヌーンティー
ロビーを抜け、大階段を上ると目の前に広がる2階ティーサロン「Salon de Thé Fauchon(サロン ド テ フォション)」。
和紙素材や京都の町屋に多く見られるような“京格子”をモチーフにした設えを施しながらも、洋の雰囲気を感じる洗練された内装が特徴です。さりげなくピンクを配するなど、パリと京都がエレガントに融合する、日常とは一線を画した寛ぎの空間が広がります。
フォションホテルパリで人気の「アフタヌーンティー」は京都バージョンで登場。
パリで人気のシグネチャースイーツやマカロン、京都の夜をイメージした限定フレーバーティーなど多種多様。パリで花咲いた女性のための社交場 “サロン”のように、シェフパティシエが腕をふるったペストリーや、フォション自慢の23種のオリジナル紅茶などをたっぷり味わえて、時間を忘れてしまいそう。
1886年の創業以来、フォションの代名詞として愛され続ける紅茶。香りの発見からはじまり、1960年には花びら風味の紅茶を、10年後にはフルーツ風味の紅茶を発表し、トレンド発信の中心としてその地位を確立しました。
品質の良い茶葉と信頼できる供給者から得た花や果物、スパイスなどの風味豊かなアロマを使用し、様々な形状・種類の商品が開発されています。専門家の手によって完璧なバランスで茶葉が調合されているからこそ、調香師が作る香水のような洗練された風味が広がります。
フォションホテル京都では、本国フランスのレシピをもとに、気温や湿度などの気象条件、習慣の違い、水の硬度さえ異なることに着目し、ティーマスターの吉川さんが日本向けにアレンジしているそう。飲んだ瞬間のインパクトを少し抑えてあげることで、1〜2秒後に香りが広がり、余韻を楽しめます。スッキリとしたキレにこだわることで、もう一杯口に運ぶ気持ちを掻き立てます。水出しアイスティーは最低15時間かけて抽出しているというからその味わい深さも納得。これまでの紅茶の概念を覆すような、忘れられない一杯となりました。
芸術の秋、食欲の秋、実りの秋ー。海外渡航が制限される今こそ、日本にいながらにして遠くの異国を感じられるようなデスティネーションが益々求められる気がします。パリに思いを馳せながら、フォションホテル京都で五感を震わせるような、刺激的で豊かな体験をしてみては?
17歳から読者モデルとして「Vivi」「JJ」「non-no」など多数女性誌に出演。6年にわたってMBSラジオパーソナリティを務める。大学卒業後、化粧品会社勤務を経て、フリーランスに転身し、ヨガインストラクターを務める傍ら、トラベルライターとして世界中を飛び回る。過去渡航した国は47カ国。特にタイに精通し、渡航回数は30回以上。ハワイ留学、LA在住経験有り。現在は拠点を湘南に移し、全国各地を巡りながら、東京と行き来してデュアルライフを送る。JSAワインエキスパート呼称資格取得。
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