
【スイス・ツェルマット】車では辿り着けない絶景山岳リゾート
関東甲信に続き、東北地方も梅雨入りし、これから蒸し暑い夏がやってきますね。
じめじめした日本を離れて、この夏はどこか涼しい場所へ旅行したいと考えている人も多いのではないでしょうか。
今回は、日本人に人気の観光地、スイス・ツェルマットについてご紹介します。
アルプスの女王「マッターホルン」
ツェルマットは、標高は約1600mのスイス南西部に位置し、スキーとハイキングで世界的に有名な街。
美しいピラミッド型をした「マッターホルン」観光の拠点となる街です。
街中から眺められるマッターホルンですが、変わりやすい天候のため、頂上だけ雲がかかっていたり、時には姿が全く見えなくなったり…なかなかその全貌を見せてくれません。

そこがまた魅力的で、初めてくっきり姿が見えた時は感動します。

街を散策するだけでも十分楽しめるツェルマットですが、展望台へ行くのはマスト。大きく分けて「ゴルナーグラート」「スネガ」「マッターホルン・グレーシャー・パラダイス」の3ヵ所です。
環境に配慮された街
ツェルマットは、環境保護の観点から1988年以降はガソリン車乗り入れを禁止しているため、静かな環境と清らかな空気が保たれています。
主な行き方は、電車で「テーシュ」という街まで行き、そこから電車で約10分。電気自動車は走っていますが、街の至る所で見かけるのは馬車。

「パッカパッカ」と地面を蹴る馬の爽快な足音が、観光客の気分をさらに和ませてくれます。街がきれいで治安が良いところが、安心して観光できる人気の秘訣なのかもしれません。マクドナルドもこんなにおしゃれ。

日本とのつながり
日本から約9500km離れたツェルマットですが、日本とはいくつかつながりがあります。
ツェルマットは新潟県妙高市と1997年5月24日から姉妹都市になっています。また、富士河口湖町とは平成27年11月に友好都市となり、その後、より関係を深めるため令和5年5月20日からは姉妹都市関係を締結しました。
ツェルマットは他国の文化や生活習慣への理解を深めるため、さまざまな交流をしているそうです。

京都ツェルマット会という団体との友好記念の石碑もありました。
もう一つ驚いたのが「日本人橋」という橋の存在です。ツェルマット駅からメイン通りのバーンホフ通りを進み、マッターホルン博物館を横に曲がった場所にあります。
多くの日本人観光客がその場所から写真を撮る姿から、その名がつけられたそうです。実際に朝7時ころに通りがかった時も、朝日に照らされるマッターホルンの写真を撮っているたくさんの観光客がいました。

ゴルナーグラート展望台のおすすめルート
展望台の中でも最も人気のあるゴルナーグラート展望台。
今回は、周りの人とは違う歩き方を紹介します。ゴルナーグラート展望台に行くには「ゴルナーグラート鉄道」に乗って登ります。

座席は、マッターホルンが見える、進行方向右側に座るのがおすすめ。ぐんぐん急斜面を上がっていき、マッターホルンや他の山々たちに近づいていく様子を見ていると、自然とわくわくします。
絶景を見ながらの贅沢ハイキング
ほとんどの観光客は、頂上のゴルナーグラートに行き、下山しながらハイキングを楽しみます。ですが、一つ手前の「ローテンボーデン(Rotenboden)」で下車してみて。

ローテンボーデンで降りたら、さらに一つ手前の「リッフェルベルク(Riffelberg)」まで1時間ほどハイキングしながら下山します。
ハイキング中には2つの湖があり、その湖の水面に映る「逆さマッターホルン」を見ることができます。頂上から降りてくる人たちよりも一足先に、ゆったりと綺麗な景色を堪能できますよ。

ちなみに鉄道は、往復チケットを買えばその日は乗り降り自由なので、追加で買わなくて大丈夫です。
いよいよ頂上へ
リッフェルベルクから再び鉄道に乗り、頂上のゴルナーグラートを目指します。

ハイキングをしていた場所とは全く違う景色が、そこにはありました。マッターホルンはもちろんのこと、スイス最高峰のモンテローザと、リスカムも見ることができます。
360度に広がる山。

そして、その間を流れるゴルナー氷河も圧巻です。
こんな壮大な景色を、たった40分ほど電車に乗るだけで見に来られるスイス。すごいの一言です。
富士山と同じくらいの標高まで、鉄道に乗れば到着する…そう想像すると、いかに鉄道が急斜面を走行しているかを想像していただけるでしょうか。
ニュースで「富士山に軽装で登る外国人」について取り上げるニュースを何度か見たことがありますが、スイスでのハイキングを経験している人たちならば軽装で挑んでしまうのも少し納得できてしまいます。
さらに旅を充実させるために
旅にトラブルはつきもの。しっかり事前に準備をして、思い出に残る旅行にしたいですね。ストレスなく、滞在をより楽しむための3つのポイントをまとめました。
①防寒グッズ
ツェルマットの夏は、日中は日差しが強くて半袖でも過ごせるくらいの日もありますが、夕方になると雨が降り出す日が多く、気温も下がります。夜はフリースやトレーナーが必須なのでしっかり準備しましょう。
特に、氷点下の気温になるグレーシャー・パラダイスへ行く時は、ダウン・ニット帽・手袋などの防寒具は必須。カイロも重宝しました。
②余裕を持ったタイムスケジュール
ツェルマットは富士山よりも標高が高い展望台が多く、頭痛がある人は注意が必要です。標高が高くなるにつれて頭痛がひどくなり、途中の駅でリタイアしたりホテルに引き返したりなんてことも。
標高の低い展望台から観光して身体を慣らすなど、体調を見ながら観光プランを考えることをおすすめします。
【標高順の観光例】
1日目 スネガ(2288m)
2日目 ゴルナーグラート展望台(標高3089m)
3日目 グレーシャーパラダイス(3883m)


③日本食などの軽食
スイスは物価が高いことで有名です。そして、日本のように24時間開店しているコンビニのようなほとんどお店はありません。インスタントのお味噌汁やスープ、手軽に食べられるお菓子類、紅茶や日本茶のティーバッグなどを持って行くのがおすすめです。

今回の旅でたくさんの写真を撮りましたが、写真で見る景色と、自分の目で直接見る景色は違うなと、改めて思います。
スイス・ツェルマットは、写真だけでは伝えきれないほど、良い場所でした。
ぜひみなさんもツェルマットの素晴らしい街並みと壮大な景色を体験し、素敵な思い出を作ってみてください。

中学時代をアメリカ・NYで過ごす。結婚後には長年の夢であった保育士資格を取得。夫の仕事の都合で2023年から約2年間、ドイツで暮らす。そのあいだに家族・愛犬と旅した国は11ヵ国! ひとり時間を活用してwebライターの勉強・準備をし、2025年から本格的に活動を開始。趣味・特技はものづくりとカフェめぐりです。
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