SERIAL STORY

2024.12.30

ちょっとでも好きなら観に行こう サッカー観戦記
by Kana Sato vol.10

ブランディングディレクター、コンサルタントとして活躍する佐藤香菜さん。世界各国を旅して見つけた“本当にいいモノ”を見極める審美眼を持ち、SNSで発信する丁寧な暮らしが同世代から熱い支持を集めています。そんな佐藤さんが、普段愛用しているコスメやいま気になっているモノ、旅先でのエピソードなど、美容からライフスタイルまで赤裸々に語ってくれる本連載。

第十回は、「ちょっとでも好きなら観に行こう サッカー観戦記」についてお話いただきました。

今回のコラムは、「え、意外!」と言われるわたしの趣味、サッカー観戦について。

1991年のJリーグ設立時に小学校1年生だったわたしは、幼馴染みの男の子がどんどんサッカーに夢中になっていく様を目撃。女の子でも動けるメンバー1名とカウントされ、一緒になって公園でボールを蹴ったり、彼らの発する「アルシンド、カズ、ラモス!」などの選手名を繰り返し聞き続け、ゴールパフォーマンスのモノマネを見せられた日々でした。

同年代の女の子がジャニーズの〇〇がカッコいい! と騒いでいるなか、わたしがカッコいいと言っていたのは金髪サラサラ髪時代のベッカム。「誰それ?」と言われても。

そしてたまたま進学した高校は市立船橋。自然とサッカーのルールを覚える環境に加え、サッカー部は当時最強! 改装前の国立競技場での決勝戦で高校サッカー全国優勝を目撃し、昼休みには女の子で円状になってパス回しする通称「鳥カゴ」をして遊んでいたほどです。

20代になるとたまにフットサルの応援に行ったり、国際試合をTVやパブリックビューイングで観てはいたものの、働き盛りの仕事もプライベートも忙しくなりサッカー観戦ブランクを経て、やってきた2022年のカタールW杯。こんなにも観ていて楽しく、強く、カッコよく、感動できるサッカーに再びハマり、今に至ります。

再び火がついたサッカー熱。どんなことでも興味を持てたり、好きだなと思えることがあったなら「あえてどっぷり浸かってみる」「周りに話まくる」が信念。自ら飛び込んでいくと、周りのほうが覚えていてくれてどんどん縁も知識も経験も深まっていくことを実感しています。
サッカーが好き! と発信し始めてから、ある場所に出会いました。それが東急プラザ銀座の10Fにある、L’ATELIER et Brasserie ATOM Milano

ある日、11Fにある飲食店でランチをしたあと、エレベーターがなかなか来なかったことからエスカレーターで降りることに。すると目に飛び込んできたのはサッカー日本代表選手をはじめスポーツ界の著名人のサインやユニフォームの数々。ランチ後でお腹いっぱいだったため後日いつか来てみようと決めて、数週間後に改めて訪問。

事前に調べずに訪問したのですが、お店のオーナーの今野さんはイタリアなど海外在住経験も長く、スポーツにまつわる様々なシーンで選手をサポートされているコンサルタントでいらっしゃいました。

1日の打ち合わせが終わった夕方過ぎにここのカウンターに座って、時にはお酒を飲みながら、残ったPC作業をするのがお気に入りです。こだわりのお肉を使用したハンバーグなどご飯の美味しさはもちろんなのですが、ここで飲んでほしいのはオーナー 今野さんのアイデアで生み出された美味しいお酒!

カナダ・ヴィクトリア州発のジン、エンプレスを、英国発のトニックウォーター、フィーバーツリーでMIXしたもの。この美しいピンク色はローズの花びらとラベンダーから。エルダーフラワーの優しい甘みに驚きます。添えられたオレンジもジューシーなアクセントに。

お酒が飲めない方には、トニックウォーターのフィーバーツリーが製造しているジンジャービアがおすすめ。ジンジャーをしっかり煮出した濃厚な美味しさで、ショウガ好きにはたまらないドリンクです。ここ、アトムミラノカフェでコーヒーを頼んだら美しいティファニーブルーのカップで出てくることも。気軽に1人でも立ち寄れて、温かく迎えてくれるオーナーの今野さんとのお喋りも楽しいスポットです。

不思議なもので、スポーツとの縁が深いお店に行ったりすると、自分のマインドがどんどんそちらに寄っていきます。実際にスタジアムに行ってみたくなり、ここ2年ほどの間に海外遠征もするようになりました。

このコラムでも度々書いているように、わたしは年に2回ほどフランスに行くのですが、パリ東駅から電車で行ける場所にシャンパーニュ地方の都市Reims(ランス)があります。ここをホームとするスタッド・ドゥ・ランスには、伊東純也選手、中村敬斗選手が所属しているので、スタジアムでの観戦は格別! ある暑い夏の日に友人と旅したパリにくっつけて、ランスの試合観戦に。 

選手が到着するバスを出迎える場所に行くには荷物検査があったのですが、バッグの中にはペットボトルの水が入っており「これは公園にあるゴミ箱に捨ててきて」と注意されることに。列にいた優しいランス市民の皆さんが「通してあげればいいじゃない!日本から来てるのよ!(・・・と言っているように感じた ※フランス語)」と訴えてくれたものの引かぬ係のおばさま。

今から列を抜けてゴミ箱まで捨てに行ってたら、その間に選手が到着しちゃう・・・! と思ったわたしはとっさに、係のおばさまの目を見つめながら一気飲み(笑)。飲み干して「これでどう?」と言わんばかりに微笑んでみたら、周りのサポーターから「Oh・・・(この子、本気だ)」という反応が。おばさまは空のペットボトルを預かってくれて、無事、選手到着をこの目で見ることができたのでした。フランス語は通じなくても、気合いが伝わった瞬間を忘れません。

サッカーを観る時間、街中を観光する時間、どちらも同じくらい大切なので、試合のある土地を事前に調べて楽しむことも欠かせません。サッカー日本代表の親善試合で、ドイツ戦(開催地:ウォルフスブルク)とトルコ戦(開催地:ヘンク)があった2023年9月。2試合の間隔が、なか2日と知ったとき、なかなかこんなチャンスは無い! と勢いで航空券を取りました。ドイツからベルギーへ移動する途中でケルンに立ち寄り、大聖堂も見れることを楽しみに。

ビールを水のように飲むドイツサポーターに囲まれながら、日本のゴールが決まる度に拍手してくれたりとにかく楽しい観戦。

ケルンの大聖堂でゲルハルト・リヒターによるステンドグラスを見たり、ホテルでユニフォームを洗濯したり。

次の試合開催地、ベルギーのヘンクへ電車で移動し、ホテルに荷物を置いたらスタジアムへ。かなり暑い夏の日でゴール裏の直射日光にジリジリと焼かれながらの観戦となりましたが、こちらも勝利。こんな2試合をこの目で見ることができて感無量。試合のあと寝付いた記憶がないくらい爆睡してしまったのですが、宿泊した家族経営のホテルは朝食も美味しくて大満足の滞在でした。

一人旅が大好きなのですが、できればサッカー観戦は友人と行きたいので、ここに賛同してくれる友人は本当にありがたい存在です。W杯予選も始まり、ジャカルタ開催だったインドネシア戦を観に行かない? と気軽に誘ってみたら、これまた気軽に「行く行く~」と参加してくれた友人。ということで、初めて降り立ったインドネシアのジャカルタ。試合前のご飯は行ってみたかった老舗の飲茶へ。

Pantjoran Tea House(汲泉茶舎)は1920年に建てられた趣のある内装で、正統派の中華をいただけます。ジャカルタはさほど観光地化されていないため、実はあまり行きたい場所が見つからなかったのですが、ここだけは絶対に行こうと決めていた場所。お腹いっぱいになって、いざスタジアムへ! ・・・なのですが、とにかく交通渋滞がひどいジャカルタ。Grabを使って移動する間、私たちが乗っている車が後ろから軽く追突され驚いていると、運転手は車から降りて後方へ。ケンカでも始まるのかと思いきや、笑って会話し全く気にしていないようでした。おおらかな国民性。

インドネシア国内リーグでは、たびたび警察との衝突などニュースにもなるような暴動が起きることがあるようですが、スタジアムへ向かうときに感じたのは、日本に対するウェルカムな雰囲気そのもの。一緒に写真を撮りたがってくれるのでなかなか前に進めないほどです。世界ランクではまだまだ低いインドネシアですが、サッカーへの愛と日本代表へのリスペクトでスタジアムは最高の雰囲気に。この日のためにインドネシアサポーターが制作し掲げたコレオ(巨大なフラッグ)は、強い日本をゴジラに例え、小さいながらも立ち向かうヒーローをインドネシアに見立てて描かれたものでした。

日本勝利の試合後、スタジアムの中心に集まったインドネシア代表選手たちに、サポーターからの合唱セレモニーが。歌詞はわかりませんが、健闘を称えるように包みこむ歌声だったことは間違いありません。

今回振り返ってみた観戦以外にも、日本国内でもたくさんの試合を観たここ数年。

サッカーだけでなくどんなスポーツにも当てはまることですが、努力を続けて選ばれた最強のメンバーが集まっているというその良いエネルギーは、現地観戦だけでなく画面越しでも伝わってくるもの。スポーツを観たあとには少しの疲労感とともに、楽しかった、元気をもらえた、というポジティブな何か が心に残ります。頑張っている人を応援する気持ちは、自分の親しい人に対してはもちろんのこと、たとえそれが会ったことのない人にでも、どんどん湧き上がらせたい感情。その過程で出会える人や経験はかけがえのないものです。

2024年ももうすぐ終わり。このコラムも10記事目となりました。来年もまた、楽しいことが起きるのを待つのではなく、自分から動き、起きたことを楽しむ日々にしたいと思っています。またこの場所で、シェアさせてくださいね。

良い年をお迎えください!


Branding Director 佐藤香菜


株式会社マッシュビューティーラボにて、オーガニックのコスメとインナーケア製品のセレクトショップ「Biople by CosmeKitchen」の立ち上げとディレクションを行ったのち、独立。ブランディングディレクター・コンサルタントとして多数の企業の製品企画立案、製品プロデュースから販路拡大に携わる。オーガニックコスメを巡る旅の様子はNHK「世界はほしいモノにあふれてる」への2度の出演や、Instagramアカウント @kana__sato622 で発信している。

>>vol.01 1人で旅する時間で気づくこと
>>vol.02 大人になった今だから本当の友人に出会える
>>vol.03 5月のパリ旅行記  おすすめグルメスポット!
>>vol.04 中国・ハルビン旅行記ーグルメ編ー
>>vol.05 中国・ハルビン旅行記ー可愛いモノ編ー
>>vol.06 夏の終わりの肌磨き!透明感がテーマのおすすめスキンケア
>>vol.07 石垣島のNEWホテルで過ごす、癒やしの旅へ
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