SERIAL STORY

2024.09.29

石垣島のNEWホテルで過ごす、癒やしの旅へ
by Kana Sato vol.07

ブランディングディレクター、コンサルタントとして活躍する佐藤香菜さん。世界各国を旅して見つけた“本当にいいモノ”を見極める審美眼を持ち、SNSで発信する丁寧な暮らしが同世代から熱い支持を集めています。そんな佐藤さんが、普段愛用しているコスメやいま気になっているモノ、旅先でのエピソードなど、美容からライフスタイルまで赤裸々に語ってくれる本連載。

第七回は、「石垣島のNEWホテルで過ごす、癒しの旅へ」についてお話いただきました。

少し久しぶりに会う知人に「最近、日本にいます?」とよく聞かれる佐藤です。常にどこか旅に 出ているイメージがあるそうで、旅先だと急に活発になるInstagram更新によるものかもしれませ ん。

化粧品に関わる仕事をしていますが、最近ではありがたいことに旅にまつわる新たな挑戦も増え、今日ご紹介する石垣島での話もそんなお仕事の一貫として向かいました。 今はフリーランスの働き方をしていますが、もちろん会社員経験もあり、(第一回目のコラムをご覧ください)その会社員としての経験がなければ、そしてここで大切な人たちにたくさん会えなければ、今のわたしは確実に無いでしょう。

前職時代、わたしはビープルというコスメセレクト業態の立ち上げとディレクションを担当していましたが、同じ社内にはアパレル、飲食など多岐にわたる事業部があり、時には社内の別事業部ともタッグを組んで店舗を出店することなどもありました。ここで出会った仲間から数年の時を経て連絡をもらい、今回の石垣島プロジェクトが始まりました。

 

沖縄県は那覇に出張で行ったことが一回あるだけで、石垣島は初めての訪問でした。 飛行機から見える海を見てようやく思い出したのです。「あ、水着を持ってこなかった」ということに。せっかく海もプールも楽しめる石垣島に行くのに水着を持っていかないなんて! と友人にも笑われましたが、自分で計画して行く旅先はだいたい海が無く、曇り空のヨーロッパであったり、古さは残りつつもたくさんの人で賑わう街並みばかり。だからこそ仕事をきっかけに新たな場所に出向くことは、自分の好き嫌いを超えて貴重な経験をできる機会でもあります。

石垣島に新しくOPENする予定のホテルで、そこのレストラン事業を請け負っている代表が、同僚でもあったHiroshiさん。昨年末に、そのレストランの中に物販のショップを作りたい! と相談をもらいました。販売するのはホテル滞在中に気軽に食べるフードやドリンク、肌や髪をケアできるコスメ類など。第一回のミーティング中にも、最適だと思えるブランドがどんどんイメージできたのですが、それは旅をしてきた経験から「旅に絶対に必要なもの」という視点が自分なりに育ってきたことも役に立ったのかもしれません。

ホテルの名前は「SEVEN × SEVEN(セブンバイセブン)」、 ショップが併設されたレストランの名前は「BATIDA(バティーダ)」 イタリアンをベースにメキシコ、ポルトガル、スペインなどのラテンの要素を取り入れた“ラテン イタリアン”と聞き、まるで旅をするようなコンセプトに心も躍りました。 今年の5月頃から具体的にショップの取り扱いラインナップを検討し始め、その名称は 「BATIDA WORLD MARKET」に決定。国産だけでなく世界中から集めた厳選した品揃えに。

食品は、フリーズドライのお味噌汁などお腹も整う日本らしいものから、お部屋でワインやビールに合わせて食べたいオーガニックのポテトチップスや、神戸牛のジャーキー。冷蔵ショーケースにはお子様も飲める果汁100%のオーガニックジュースや、こだわりの素材を使った炭酸飲料、クロ モジのアロマ香る国産ソーダなども。

セレクトした商品の陳列やスタッフ向けの研修をするために石垣島に行ったのは、ホテルのオープン準備期間中の7月初旬、2泊3日の滞在でした。夜は地元のバーや飲食店を巡り、島在住の方とお話したりして楽しく過ごしたのですが、仕事で石垣島にきたことを伝えると「ここの農園のヘナの石鹸がすごくいいよ!」と教えてくださった方がおり、早速その次の日に訪問してみることに。そこは仲田園芸さんという石垣島の植物を熟知された造園業の会社でした。後でわかったことなのですが、セブンバイセブンホテルのエントランスの植え込みも仲田園芸さんだったとか!石垣島の気候や海沿いの風、ときに台風が直撃する環境でも強く育つ植物のことは、やはり島の方が一番よくご存知です。

仲田園芸さんのヘナは、おばあさまの代から栽培されています。聞けばヘナはなかなか手間がかかり、育つまでに時間も要するとのこと。わたしが訪問したときにはちょうど収穫のお手伝いをしているフランス人の女の子がいたのですが、そのように海外からの農業体験実習生も受け入れているそうです。

これがそのヘナを使って、沖縄県の化粧品工場で丁寧に作られている石鹸! 早速購入しホテルに戻ったあと体や顔を洗ってみたのですが、優しい素材の香りも心地よく、うるおいながらツルツルに磨き上げるような使用感に感動しました。早速すぐに仕入れをしたいとご連絡し次の日に直接ホテルまで納品していただくという、まさかの即決買付けに! どんなときも自分から動かなければ出会えない、素晴らしいものは世の中にたくさんあるのだと思えます。もう一つ、同じように出会ったのがちょっと特別なチョコレート。

暗闇に妖しく輝くソフトクリームの置物! この写真には店内のカウンターで座るわたしの背中が写っています。 ここ「石垣チョコレート工場」は、フィジー在住経験のあるカカオ&チョコレート通のオーナーによるお店。自然に体が吸い寄せられるようにドアを開け、こだわりのカカオを使ったソフトク リームを注文したのですが、これが本当に美味しくて、トッピングのカカオニブの味わい深さにも驚きました。そして店内でバチッ! と目があったのがこのチョコレート。

厳選したカカオに合わせたのは石垣島産の黒糖で、原材料はこれだけ。素材の美味しさを最大限に引き出したカカオの配合率で、ビターでもコクがあり絶品です。実はわたしが購入した1枚は、裏を見てみると製造ナンバー6番目で、オーナーさん曰く完成したばかりの新商品でした。 準備中のショップ、「BATIDA WORLD MARKET」には大きなウォークインワインセラーがあり、ワインを初め様々なお酒の販売もしているため、このチョコレートならばお酒との相性も抜群! と確信し、こちらも仕入れ価格の確認をして次の日にショップに納品いただくことに。こうして、たった2泊3日の出張滞在の中でも石垣島の素晴らしい石鹸とチョコレートに出会うことができたのです。

今回、自分のお仕事としてショップの品揃えを整えたり商品を並べたりしながら、ホテルやレストランのオープン準備期間に立ち合い、レストランはオペレーションやサービス面はもちろん調理の完成度など、こんなにも念入りに丁寧に準備をするものなんだ・・・と、その良い緊張感を間近で見ることができました。ラッキーなことにデザートメニューの試作品や、スタッフの皆さんの賄いをわたしまで食べさせていただくことに!

ローストした島バナナにスパイスとチョコレートを合わせた1品や、パパイヤとさんぴん茶のカタラーナ! どちらも島の恵みが絶妙なアクセントになっています。これはほんの一部で、写真を載せきれないほど個性豊かなフードが提供されるレストラン。宿泊客だけでなく、ランチやディナーだけで気軽に訪れることができるので、石垣島の旅の予定にぜひ組み込んでほしい場所です。

今日ご紹介したのは、石垣島に9月9日OPENした新スポットでした。ホテルの部屋からは広大な海が広がり、その海を眺めながら入るプールやサウナもあり。

ちょっと人の優しさが恋しくなったら石垣島に行きたいと思う、そんな場所。あんなに広く美しい海やパワフルな自然が近くにあって、吹く風が暖かいだけで、いつもより少しのんびり&おっとりとした気持ちになれるものです。外で楽しむアクティビティはもちろん、ついホテルでの滞在時間を長くしたくなるその時間に、今回わたしがお仕事で携わったショップでのお買い物も楽しんでもらえたら嬉しいです。


Branding Director 佐藤香菜


株式会社マッシュビューティーラボにて、オーガニックのコスメとインナーケア製品のセレクトショップ「Biople by CosmeKitchen」の立ち上げとディレクションを行ったのち、独立。ブランディングディレクター・コンサルタントとして多数の企業の製品企画立案、製品プロデュースから販路拡大に携わる。オーガニックコスメを巡る旅の様子はNHK「世界はほしいモノにあふれてる」への2度の出演や、Instagramアカウント @kana__sato622 で発信している。

>>vol.01 1人で旅する時間で気づくこと
>>vol.02 大人になった今だから本当の友人に出会える
>>vol.03 5月のパリ旅行記  おすすめグルメスポット!
>>vol.04 中国・ハルビン旅行記ーグルメ編ー
>>vol.05 中国・ハルビン旅行記ー可愛いモノ編ー
>>vol.06 夏の終わりの肌磨き!透明感がテーマのおすすめスキンケア

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