2024.09.28
【京都】歴史ある「百万遍さんの手づくり市」でエシカルなアイテムに出会う
想いを込めて手づくりされるアート、アクセサリーから、食品やドリンクまで! そんな唯一無二のアイテムが所せましと並ぶ、古き良き青空マーケット「百万遍さんの手づくり市」。京都に暮らす人にはなじみの手づくり市ですが、観光客や、最近では海外からのゲストも多い印象です。
いつもの京都観光では物足りなくなってきた、そんなあなたにもおすすめです!
今回は、手づくり市で出会った気になる作品、出展者さんをご紹介。もちろん紹介し切れないほど素敵な作品が目白押しなので、ぜひあなただけの宝物を探しに足を運んでください。
※各お店のリンクは店名をクリックしてください
作家さんが目指す、百万遍さんの手づくり市
京阪本線の終着駅「出町柳」から、徒歩10分ちょっと。学生の街にたたずむ百万遍 知恩寺の境内で毎月15日に開催される「百万遍さんの手づくり市」は1987年4月にはじまりました。
一時期は出店希望者が1000件を超えて抽選となるも、パンデミックを越えて今では平均360店舗ほどに。それでも境内に、個性豊かな店舗がそれだけの数出展している様子は活気づいていて、ワクワクします!
ほかのイベントと異なるのは、出展場所の指定がないという点。つまり作家さん、出展者さんは事前に告知ができず、ゲストもお目当ての店を見つけるために境内を探し回ることも!
「そんなごちゃっとした中で、迷路のようにぐるぐる回っていただく楽しみもあるのではと。お目当てのお店を探している中で、新たなお店との出会いがあったり、いつもと違った場所に出展されていると、同じお店でも見え方が変わったりします。さっき見たお店がどこだったか分からなくなった…ということもあるようですが」と運営側の臼井さんが笑って教えてくれました。
「お寺の境内、建物や木を避けながら所狭しと並ぶ、特殊な会場をその雰囲気ごと楽しんでいただければ幸いです(臼井さん)」とのこと。
では実際にマーケットを回って見つけた、気になるお店を紹介します!
植物やアップサイクル素材を使った、エシカルな商品
物を大切にする想いから生まれた、エシカルなアイテム。土に還る天然素材やアップサイクルの素材と、日本の伝統技術をかけ合わせた作品は、何か大切なものに気づかしてくれます。
自分用はもちろん、贈り物としても喜ばれそうなものばかり!
元禄畳
創業333年の老舗畳店が、廃棄予定のい草や畳の縁を使った雑貨屋アクセサリーを展開。ディスプレイもとってもおしゃれで、つい端から端まで眺めてしまいます。
畳の縁を使ったポーチやバッグが売れ筋、とのことですが、い草を閉じ込めたピアスやい草ブレスレット、さらにはわんちゃん用に畳の縁リボンネクタイもあり迷います。ちなみにこちらは飼い主さんとリンクコーデも可能です。
香凛-Karin-
ものを修理して長く使う、そんな日本の心が込められた日本の伝統工芸・金継ぎ。廃棄予定だった陶器のかけらにその技術を生かし、誕生したアクセサリー。陶器は骨董屋さんより欠けて販売ができなくなったものを、まとめて仕入れているそうです。
ピアス、指輪、バングルなど幅広いバリエーション。陶器の中には江戸時代のアンティークや、トルコや台湾など海外産のものも混ざっているのが面白いですね。まさに一期一会の宝探し!
さとう植物店
実は以前、キレイノートでワークショップを掲載させていただいた、さとう植物店さんも出展! 「循環」をキーワードとした活動をされており、「魔除けの唐辛子飾り」作りのワークショップに参加したこともあります。
ブースにはお守り用のしめ縄やドライフラワーがずらりと並び、お客さんがひっきりなしに訪れては手に取り、店主・恵さんとの会話を楽しんでいる様子が印象的でした。
旬素材の力を借りて内面からキレイに!
体の内側から美しくなれる食・ドリンクのブースもたくさんあります。
自然農法で育てられた植物のお茶や、スパイスに魅了されてチャイ作りにはまる店主のチャイ、旬のフルーツや野菜を贅沢に使ったパイはじめペイストリーショップは、いかがですか。
spice chord(スパイスコード)のチャイティー
スパイスに魅せられて独自で探究を重ねる店主が、渾身の「アイスチャイティー」で初出店! 店頭には実際に使われているスパイスが並んでいます。
残暑厳しい中、スパイスの効いた冷たいチャイティーは癒やしになるはず。牛乳不使用で体に優しく、追いスパイス改め「追いスパ」は無料という太っ腹もありがたいですね。
la colline(ラコリーヌ)の自然栽培茶
「奇跡のリンゴ」の木村秋則氏の自然栽培に感銘を受け、2013年12月から大阪府の太子町でぶどうや植物の自然栽培をしているラコリーヌ。大阪京都とさまざまなマルシェで出店しています。
肥料・農薬・除草剤を使用していないフルーツや植物を使った食品を展開しており、今回ブースには自然栽培茶がずらりと並んでいました。健康マニアやナチュラルライフに関心がある人なら、手に取らずにいられないはず!
LOCAL~baking treats~のパイ
京都の鴨川近くに佇む、小さな焼き菓子屋さん。知り合いやご実家から送ってもらう旬のフルーツや野菜など素材の味にこだわり、一つひとつ丁寧な手仕事で焼いています。旬の素材なので、店頭にはいつもその時期にしか出会えないお菓子が並びます。
また店主がパイ好き、ということから看板メニューはパイだそう。中でもこれからの季節に販売される、3~4種類もあるアップルパイは気になります。
アート感溢れる作品たち
もともと作家さん発掘のマルシェなので、工芸やアートの作品もたくさん並んでいます。
普段アートに触れていない人も、作り手とお話ししながら作品が生まれた物語を聞くことで、関心が高まるはず! 心ときめくものに出会ったら、ぜひ作家さんに話かけてみましょう。
まつの葉のガラス
広島から来られていた「まつの葉のガラス」。広島県の田舎で自作の窯の吹きガラスと電気炉を使い、花入れや蓋物ブローチなどガラスの小物を作られています。
気泡がデザインになっていたり、形が少しいびつだったり、ガラスの表情が豊かなことに驚かされます。これほど繊細な作品を作る作家さんはとても気さくで、話かけると快く対応してくださりました。
アウラ・ロコ
大阪生まれ、現在は京都を拠点とするアウラ・ロコ。「神話 を もつ」をコンセプトにした、画家・富永大士(たいし)さんのアクセサリーブランドです。関西を中心に、日本全国のクラフトイベントやデパート催事などで販売されています。
作家さんの頭の中にあるファンタジーを表したという作品は、いずれも真鍮やシルバーをひとつずつ糸ノコギリでカット・熔接・研磨し手作りで制作しています。
どの作品もメッセージ性があり、特にリングはお守り代わりに身に着けたいアイテムです。
休憩所やカフェブースを活用して無理なく回ろう!
季節にもよりますが、真夏や残暑が厳しい時期は無理せずに。気になる店が多すぎて、つい夢中になってしまいますが、休憩スペースを活用し、水分補給を忘れずに回るようにしましょう。
百万遍さんの手づくり市を紹介しました。昔から続くもののよさ、個人作家さんの作品のよさに触れられる、京都らしいマルシェです。お土産探しにもピッタリなのでタイミングが合えば、観光がてらぜひ足を運んでみてください。
旅するように暮らす自然派ライター/オーガニック料理ソムリエ。
4年に渡る世界一周後、オーストラリアに移住し約7年暮らす。コーヒー好きが高じてオーストラリアではバリスタ業の経験も。今は繊細でフルーティーな浅煎りコーヒーに夢中です。ライターとしては旅行誌の広告制作を経て、雑誌広告や編集ページを主に執筆。現在は自然に沿った生き方、ほどほど丁寧な暮らしを自ら実践しながら発信中。地球にも体にも優しい生き方のヒントをお届けしていきます。
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