<中川誠盛堂茶舗>世界中からお茶マニアが集まる老舗#巡る滋賀
滋賀県の最大の魅力といえば、滋賀県の代名詞でもある日本最大の湖・琵琶湖。その他、国宝の「彦根城」やユネスコ世界文化遺産の「比叡山延暦寺」など一度は訪れたい観光スポットもまた有名です。
でも、それだけではありません。有名観光スポット以外に焦点を当て深掘りすると、まだまだ知られていない注目ポイントがたくさん! それを知らないなんてもったいない…!
この連載では、「現地の方がおすすめしたいスポットやお店、それをつくるヒトの魅力をていねいに取材し、お届けする滋賀の観光ガイド“巡る滋賀”」の情報を発信していきます。
滋賀県への旅のきっかけやガイドブックとなりますように…そんな思いを込めて滋賀県の新たな魅力をお伝えします。
お茶マニアが世界中からこぞって集まる!大津・「中川誠盛堂茶舗」で、100種類以上の茶葉からオンリーワンを選び出す愉しみを。
煎茶、抹茶、紅茶に中国茶、見渡す限りの茶・茶・茶! 掘れば掘るほど味わい深いディープなお茶の世界がここにはあります。大津市にある老舗「中川誠盛堂茶舗」の特徴は、単一品種の茶葉(シングルオリジン)のみを扱っているところ。生産者の想いと茶葉を丁寧に伝える茶舗には、コアなお茶ファンから圧倒的な支持を受ける、5代目・中川武さんのこだわりが詰まっていました。
実は大津って、1200年の歴史を持つ日本茶の祖なんです
マップが指し示すのは、その角を曲がった先。連れられるまま進んでいくと、目的地へと近づくにつれて漂ってくる香ばしいお茶の香り…。「中川誠盛堂茶舗」はJR大津駅から徒歩5分ほどでたどり着けます。“ほうじ茶”と書かれた店頭にある焙煎機では、店を代表する人気商品「赤ちゃん番茶」が、今まさに煎られています。
「まあまあ、遠いところからお越しくださって。お荷物を置かれてお茶を1杯いかがですか?」と、はつらつとした声で店に案内してくれたのは、5代目の中川武さん。
安政5年(1858年)創業という歴史を持つ茶舗には、「宮内庁御用品」「陸軍病院御用達」などの札が各所に掲げられており、もちろん現在進行形で茶葉が献上されています。古くは、彦根藩にも献上されたこともあるというのだから、その信頼たるや、想像を超えています。
お店は東海道五十三次の53番目の宿場町に位置し、その当時は大名行列が行き交う場所でした。「もっと古い話でいえば、奥の蔵には室町時代の壺、茶碗や木箱などがたくさん残っています。当時はこの辺りで捕れた海産物を積んで、信楽町にある茶畑で採れる朝宮茶と物々交換していたのではないでしょうかね」と中川さん。
ここで少しお茶の昔話を…。
日本茶の起源は、西暦805年に遡ります。比叡山延暦寺を開いた最澄が遣唐使として中国に渡った際に、般若心経と共に茶の種を大津に持ち帰ったと言われています。その茶の種が比叡山麓大津坂本に植えられ、日本最古の茶園といわれる「日吉茶園」が生まれたのだそう。「ご存じない方も多いですが、滋賀県は日本茶の起源ともいわれているんですよ」。
現在も滋賀県で育った茶葉が、全国各地に送られているのだそう。これは滋賀県の人にもっと知ってほしい事実ですね!
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