イワミズアサコ×SANMARU×鰻和弘 異色のコラボアート展を開催
LIFESTYLE

2023.11.30

イワミズアサコ×SANMARU×鰻和弘 異色のコラボアート展を開催

生地を埋め込む独自の手法で話題の「キメコミアート」作家・イワミズアサコ。伝統的な織物生地「刺し子」を大胆に使用したファブリックブランド「SANMARU FABRIC(サンマルファブリック)」デザイナー・RUMI。そして髪の毛を使って「ヘアアート」を生み出した、吉本興業所属のお笑い芸人・銀シャリの鰻和弘。独特な手法でアートやプロダクトを制作・展開するこの3人が、初のコラボレーション。見る人の感性を刺激するアート展 【FACES(フェイシズ)】 をkirei noteオフィスで開催します。

そこで今回は、3人の出会いから展示会に対する想いや見どころなどをお聞きしました。

お互いのときめきとワクワクが出会いを引き寄せた

――全く分野の違う3人ですが、今回集まったきっかけを教えてください。

RUMI:もともと、「SANMARU FABRIC」のハギレを何か新しいカタチで再利用してくださる方がいないかと探していたんです。この刺し子の生地はかなり高いので、ハギレとは言えただ捨てるのは勿体ないなと思っていて。そんな時、以前からすごい作品を作る方だな…と気になっていたアサコさんの個展が銀座であって。アサコさんはまさに生地を使って作品を作るアーティスト。相談してみようとパンフレットを持っていきなりお伺いしたのがきっかけです。

鰻:すごい行動力! それで、おふたりは最初から意気投合したんですか?

イワミズ:そうですね、私は伝統工芸の生地を作品に生かしていることもあって、刺し子を使用したRUMIさんの布にとても興味が湧いたんです。伝統工芸なのに絵柄がモダンで独特で、アート作品にしたら面白いんじゃないか、って思ったんです。何より、「刺し子という伝統工芸を守りたい」というRUMIさんの熱意にも心を打たれましたね。

RUMI:ありがとうございます。私もアサコさんの作品のファンだったので、その時は初対面なのにグイグイ押しちゃってましたね(笑)。

――鰻さんとのコラボはどのように始まったのですか?

イワミズ:アトリエで仕事をする時に、ポッドキャストで鰻さんのトークを聞いていたら、あまりにも変態で面白かったんです。それで、ついどんな方か知りたくなってInstagramを見たら、アートをやられていて。作品も独特で素晴らしくて! 思わず「一緒に作品作りませんか?」とDMしたんですね。

鰻:お恥ずかしい(笑)。でも、僕もアサコさんのアートをInstagramで見たんですけど、本当に作品がすごすぎて「何これ」って。もしコラボしたらどうなるんだろうってすごく興味が湧いてきて、今回のコラボのお話が上がった時にも「ぜひ!」って即答したんです。それで事務所のOKも貰って実現した感じですね。

伝統工芸を現代に受け入れられるカタチへ

――SANMARU FABRIC(サンマルファブリック)の布地デザインは、従来の刺し子のイメージを覆しますね。どのような過程で、製品化されたのでしょうか。

RUMI:私は東北の出身なんですが、東北には伝統的な織物がたくさんあって。「刺し子」もその一つなんですが、今回使用した「機械式刺し子」は非常に高度な技術ということもあって継承者がいないという問題があったんです。私の本業は美容師なんですが、せっかくの素晴らしい伝統工芸が絶たれるのは勿体ない、後世に伝えたいっていう気持ちが強くて。それで、この機械式刺し子のファブリックを若い人たちにも使ってもらえるようなデザインにしてプロダクト化するブランドを立ち上げたんです。

鰻:美容師さんが別分野でこんな立派な起業をされたんですね。やっぱり行動力がハンパない! しかも、この生地の模様もすごくないですか? なかなかこんなデザインできないですよ。

イワミズ:そうそう。スペイシーで斬新な柄が他にはないですよね。伝統工芸のイメージを更新しましたね。

RUMI:アサコさんこそ、日本の伝統工芸の「木目込み」を、モダンアートに昇華されたことが素晴らしいです。先日、アサコさんのアトリエで体験させてもらいましたが、難しくて全然上手にできなかったです…。

鰻:発泡スチロールと粘土を土台にして、パズルのように布を埋め込んでいくという発想にびっくりです。他では見られないかなり独特なアートですよね。

イワミズ:ありがとうございます。あと、私のアートはピースをつなげていく作業なので、コラボレーションすることで、世界中の人たちとピースをつなげていけたらいいなと思っています。

3人のアートの共通点は“サステナブルな視点”

――そのほか、お互いのアートに関して思うことがあれば聞かせてください。

イワミズ:鰻さんの髪の毛を使った「ヘアアート」もなかなか思い浮かばないなと思います。いちばん初めはどんな感じで出来たものなんですか?

鰻:それが、コロナ禍で家にいた時に、時間がすごくあったから全身の毛をカミソリで剃ってみたんですよ。その時、排水溝に溜まった毛がもったいないなと思って天日干しして。それでその毛を使って絵を描いてみようかなと思ったのがきっかけです。最初は鰻の絵にしたのですが、めっちゃ気持ち悪くて似顔絵にしました(笑)。

イワミズ:インパクト、ものすごいです! これ、周りの透明な素材は何ですか?

鰻:似顔絵を描いたあと、レジン(樹脂)を流し込んでカチカチにしています。いろいろな素材で試したんですけど、今のところレジンが一番透明度が高くて。

RUMI:本物の髪の毛の似顔絵アートって、こうやって間近で見てみると、その人がそこにいるような存在感がありますよね。本人にとってもすごく良い思い出になりそう!

鰻:切った髪の毛のリサイクルになりますし、作らせていただいたお笑い芸人さんたちは、喜んでくれていますね。

RUMI:アサコさんのアートはアパレルで廃棄される布地を使用していて、今回のアートではSANMARUの生地の端材を使用してもらうので、今回のコラボレーションは「もったいない」が共通していますね。

自己表現や人と人との繋がりの大切さを伝えたい

――今回の展示会のテーマは「FACESーフェイシズー」ですが、名前の由来を教えていただけますでしょうか。

RUMI:今年から、やっとマスクを外す生活ができるようになって、face to faceでコミュニケーションが取れるようになりました。マスク生活で、喜怒哀楽など表情の大切さを再確認することになったんじゃないかと思って。顔が与える印象、ぬくもりや安心や喜び、そういうものをテーマにできたらと思ったんです。

イワミズ:人と人はもちろん、アートもオンラインではなく実際に間近に立って目にすることで、エネルギーを感じることができると思うんです。生地も直で見ることで、手触りや質感、ぬくもりが伝わってきます。

鰻:まさに、アサコさんのアート作品は、人も動物も表情が生き生きしていてすごく躍動感を感じます。

イワミズ:実際に見にきてもらうことで、刺激を受けて、新たな発見やインスピレーションを得られることが生の醍醐味ですね。

鰻:僕もアートが大好きで海外の美術館も行ったりしますが、本物が持つパワーって、想像を絶することがあるんですよね。あと、僕は見たことのないものを見た時の人の驚きの表情を見るのが大好きなんです。だからそういった意味でも今回のFACESは僕のテーマにもなるのかな。

RUMI:確かにその時の皆さんの顔は私も見てみたいですね。

鰻:僕は「何これ」っていう違和感も大事にしていて。今回は、ぜひ僕の作品を見て「気持ち悪っ!」って笑ってもらえたら嬉しいです。

イワミズ:鰻さんの作品も、髪の質感だったり、細やかな表情だったり、リアルで見るからこそのインパクトがありますよね。存在感が本当に凄い。

RUMI:実際に来て見てみないと体感できないことですね。展示会を開催するkieri noteさんのオフィスも素敵な雰囲気ので、その空間と併せて是非私たちの作品を楽しんでもらいたいと思っています。私たちも現場に立ってお待ちしてます!

<アートイベント概要>

■FACES(フェイシズ)

展示品はその場で購入も可能です

・開催日 2023年12月9日(土)~10日(日)
・時間 10時〜19時
・場所 PiLOTTON Inc. 東京都千代田区内神田1丁目14-8 KANDA SQUARE GATE3F
・入場 入場無料。入場制限をさせていただく場合がございますので、確実に入場されたいお客様はこちらから予約チケットをお申し込みください。(無料)

<PROFILE>

イワミズアサコ

ファッションデザイナーとしてキャリアを積んだ後、2008年よりアーティストとして活動を開始。日本の伝統技法「木目込み」から着想を得た「キメコミアート」の生みの親でもあり、古着や廃材などを積極的に利用し、サステナブルやエコロジーを意識した作品は国内外で高い評価を受けている。

鰻和弘

M1グランプリ2016王者。新しいアートを作る事をライフワークにしており、2021年に渋谷PARCOにて乳首アート個展「NIPPLE ART」を開催。2023年にラフォーレ原宿で人毛を使った似顔絵個展「毛顔絵展」を開催。

RUMI

SANMARU FABRICデザイナー、ヘアアーティスト。2022年に、日本で唯一の「機械式刺し子」による生地やオーガニック素材を使用したプロダクトを発表。独創的なデザインと現場主義の機能性を融合させた「ワークエプロン」を中心に発表し、人気を呼んでいる。

(取材・文=安田光絵)

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