<丸中醤油>有名寿司店の板前もうならせる名脇役 #巡る滋賀
滋賀県の最大の魅力といえば、滋賀県の代名詞でもある日本最大の湖・琵琶湖。その他、国宝の「彦根城」やユネスコ世界文化遺産の「比叡山延暦寺」など一度は訪れたい観光スポットもまた有名です。
でも、それだけではありません。有名観光スポット以外に焦点を当て深掘りすると、まだまだ知られていない注目ポイントがたくさん! それを知らないなんてもったいない…!
この連載では、「現地の方がおすすめしたいスポットやお店、それをつくるヒトの魅力をていねいに取材し、お届けする滋賀の観光ガイド“巡る滋賀”」の情報を発信していきます。
滋賀県への旅のきっかけやガイドブックとなりますように…そんな思いを込めて滋賀県の新たな魅力をお伝えします。
主役を引き立てる、名脇役。二百年蔵の「丸中醤油」は、醸造菌と自然と職人の勘によって生まれる
一滴で口に広がる旨味とまろやかな深い香り。有名寿司店の板前やミシュランレストランのシェフをうならせている醤油が滋賀県にあります。醤油蔵「丸中醤油」の創業は寛政末期! 200年以上守り続けている独自の「古代製法」は、醸造菌が命。
創業当時の様子をそのままに残した国登録有形文化財の醤油蔵では、どのような醤油づくりが続けられているのでしょうか? 8代目蔵元の中居真和さんにその想いを伺うべく、蔵元を訪れました。
負荷をかけずに、自然に即してつくる3年熟成の醤油
取材に伺ったのは、ちょうど梅雨の入り口。蔵では仕込み後の一次発酵が始まった矢先でした。「梅雨入りすると醸造菌の発酵が進むんです。この一次発酵は大切な時期。今年は通年よりも発酵するのが、1〜2週間ほど早いですね。5月にこの段階に入るのは何年ぶりだろう」と、8代目蔵元の中居真和さん。
「私たちの醤油づくりは、自然農業のようなもの。気候や気温に合わせて、職人はもろみの具合に寄り添って作業を進めています」
醤油の甘くふくよかな香りが漂う蔵元には、大人2人がすっぽり入りそうな杉樽が、入り口入ってすぐの土間の真ん中に置かれています。近づいてみると、ふわふわした茶色いものが付いています。天井を見上げると、梁と梁の境目に白いものがあちらこちらに。
「これは醸造菌。丸中醤油の風味や味を担っている、大切な菌です。菌が絶えないように、空気が乾燥する季節には、乾燥しないように維持しています。盆地で夏は蒸し暑く、冬はゲリラ雪があるような環境で、あまり風が吹かずに空気の流れも重いですね。うちの蔵にはいつも風が通っているので、醤油づくりにはこの環境が必要なんでしょうね」
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