2023.09.12
憧れのリゾート地アマルフィ海岸を、キレイノート流に攻略!
世界遺産にも登録され、世界一美しい海岸線と言われるアマルフィは、世界中の著名人にも愛されてきた風光明媚な高級リゾート地。ナポリの南に位置するソレントからサレルノまで、約40キロも絶景が続き、海の向こうにはカプリ島が浮かびます。
電車がないアマルフィ海岸をどう移動するか?高い崖沿いの細い蛇道が延々と続くアマルフィ。実は、運転が上手なイタリア人でさえクレイジーでない限り、車では訪れない場所です。
クラクションを鳴らしながらくねくねと進む道は、対向車とすれ違えないほど狭いポイントがたくさんあり、その都度停車したりバックしたりしなければならず、高い運転技術と忍耐力が必要とされます。SITA BUSという市バスがメジャーな移動手段ではありますが、渋滞や混雑、遅れで時間が全く読めない上、高所恐怖症の人はハラハラし通しで1ミリもリラックスできません。ただ、経験としては間違いなくおもしろいです。
そんなアマルフィでのベストな移動手段は、昔も今も海路一択です。ナポリ・ソレント・サレルノからアマルフィ海岸の各地へ運行している定期船や水上タクシーをうまく使えば、海からの絶景を望みながら快適に移動することができます。
宿泊施設のタイプとエリアで、アマルフィ旅の8割が決まる!
交通手段が限られているアマルフィ海岸では、泊まる場所によって旅のスタイルが必然的に決まってきます。ナポリやサレルノを拠点に、日帰りでアマルフィの町を訪れるという方法がひとつ。そして、アマルフィ海岸に滞在して観光スポットを巡りたい場合は、船やバスのターミナルとして機能するアマルフィ(アマルフィ海岸の町の一つ)に滞在すると便利です。
町の外にあるホテルに泊まるイコール、喧騒から遮断されたホテルステイ型の滞在となります。今回私が泊まった「SANTA MARIA LAXURY VILLA」も、そのひとつ。アマルフィの町から2キロほど離れた崖の途中にあり、崖壁一帯を覆う敷地にはサウナやジャグジー、プライベートビーチ、レストランがあり、海を見ながらゆるりとした1日を過ごすことができます。
朝日を拝みながらヨガをして、テラスで太陽が高くなるにつれて蒼さが増す海を見ながら朝食をいただきます。
ホテルからカプリ島のツアーに参加
この日は、カプリ行きのツアーに参加することに。ホテルのビーチに迎えに来てくれたボートに乗り込みます。
ボート会社「AMALFI BOATS」の定員は8名。この日はコロンビア、オーストラリア、イスラエルから来た人たちと乗り合わせました。
途中停泊して海水浴をしたり景勝地を巡ったりしながらカプリ島を目指します。ほとんどの時間はデッキで寝そべったり海岸線を眺めたりお酒を飲んだりして、気ままに過ごします。
何もしない、何にも邪魔されない、何も考えない時間。欧米人がクルージングを好み、ボートを所有したがるのは、このような非日常の時間が何よりの贅沢と考えるからです。
カプリ島が近づくにつれ、海の色がカプリブルーへと変わっていきます。
島に上陸し、ランチを挟んだ自由時間を思い思いに過ごします。まずは、港に近いこちらのビーチで思いきり遊びました。
港から乗るロープウェーの終点には、大パノラマを望むカプリの中心街があり、レストランやショップがひしめき合っています。
ショップのレベルが全体的に高く、買い物パラダイス。かわいいカプリサンダルが多すぎて、選びきれません。
カプリ島からの帰りもボートを停めて海水浴やシュノーケリングを楽しみ、夕方に宿泊ホテルへと戻りました。
ボート会社のフラヴィオさんにはツアーのあと、水上タクシーのドライバーとしてもお世話になりました。私たちが船からの景色に感動していたら速度を落としてくれて、各スポットを丁寧に説明してくれながら目的地までの時間を楽しませてくれました。料金は交渉次第。
節約優先なら断然バス移動ですが、アマルフィでの限られた時間を最大限に楽しむキーワードは「時は金なり」です。バス待ちや渋滞のムダな時間をいかに避けられるかが勝敗の分かれ目です。
アクセスはボートのみ、シーフードが絶品の漁師系レストランへ
ホテルでも美味しいお料理をいただくことができますが、この夜はホテルのテラスから見えるレストランを予約しました。陸路からは道がなく、自力ではアクセスが不可能という孤高の立地にワクワクが止まりません。
ホテルのいつもの船着場に、レストランのボートが迎えに来てくれます。
刻一刻と空と海が深い色へと変化する夕暮れ時、「RITORANTE DA TERESA」の船着場に到着しました。50年代に漁師小屋として建てられ、その後新鮮なシーフードを提供するレストランとしてオープンしたそうです。
採れたてのアサリがふんだんに入ったボンゴレのパスタ(23ユーロ 約3600円・税込)と、パルミジャーナ(2350ユーロ 約3300円・税込)は鉄板メニュー。パルミジャーナとはナスとトマトソース、パルミジャーノチーズを重ね合わせてオーブンで焼いた郷土料理で、ナスの美味しさを最大限に味わえます。
食後はまたボートで宿まで送ってもらい、この日最後の大仕事。階段を、ホテルの部屋目指して果てしなく登っていきます。 足を止めては見上げる星空に励まされながら、なんとかゴールしました。
アマルフィ海岸の宝石、個性あふれる町巡り
アマルフィ海岸に点在する町の観光も、旅のハイライトです。屈指の高級リゾート地ポジターノは、どこを切り取っても絵になるアマルフィらしさが凝縮された町です。
リネンの服やレモンをモチーフにした陶器など、ショッピングも楽しいです。
多くの芸術家に愛された高台の町、ラヴェッロ。かつてワーグナーが滞在したルーフォロ邸の庭園では、夏になるとティレニア海の大パノラマをバックに連日クラシックコンサートが開催されます。
明け方に開演し、日の出と音楽が共演する幻想的なプログラムもあり、世界中の音楽ファンを魅了しています。
中世に海洋国家として繁栄したアマルフィは、現代もアマルフィ海岸の中心地として賑わいを見せます。9世紀に建てられた大聖堂を中心に扇状に広がる街並みは威厳に満ち溢れていて、美しいの一言です。
アマルフィの東に位置するミノーリは、のんびりとした漁村の名残があり、ビーチでゆっくり過ごしたい人にもおすすめの町です。
高級リゾートというイメージが強いアマルフィ海岸ですが、ここはやっぱり南イタリア。素朴で明るい地元の人たちとの触れ合いは、旅をいっそう印象深いものにしてくれました。
ダイナミックな海岸線に宝石のように散りばめられた町々、透き通った青い海。再訪を夢見ずにはいられない珠玉のリゾートです。
映像ディレクターなどを経験し、ヨーロッパなどを旅した後に、NYに留学。そこで出会ったイタリア人の旦那さんとの結婚を機にミラノに。現在は育児の傍ら、通訳や日本食ケータリングのお仕事もしています。人との距離感やテンション、センスなどミラノの全てが大好き! 記事では街やそこに住む人々の魅力も伝えていきたいです。様々な形で日本とイタリアの橋渡しができればと思っています!
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