<巡る滋賀×キレイノート>地元で愛され守られる縁起物、びん細工手まり
滋賀県の最大の魅力といえば、滋賀県の代名詞でもある日本最大の湖・琵琶湖。その他、国宝の「彦根城」やユネスコ世界文化遺産の「比叡山延暦寺」など一度は訪れたい観光スポットもまた有名です。
でも、それだけではありません。有名観光スポット以外に焦点を当て深掘りすると、まだまだ知られていない注目ポイントがたくさん! それを知らないなんてもったいない…!
この連載では、「現地の方がおすすめしたいスポットやお店、それをつくるヒトの魅力をていねいに取材し、お届けする滋賀の観光ガイド“巡る滋賀”」の情報を発信していきます。
滋賀県への旅のきっかけやガイドブックとなりますように…そんな思いを込めて滋賀県の新たな魅力をお伝えします。
どうやってびんの中に?丸くて愛らしい「びん細工手まり」 愛荘町で育まれてきた縁起物に会いに行こう。
日本に古くからある、子どもの玩具である手まり。ひと針ひと針刺すことで出来上がる幾何学模様は、百個あれば百通りの模様が生まれる唯一無二のものです。なんと滋賀県愛荘町では、この手まりをびんに収めた「びん細工手まり(以降、びんてまり)」が、江戸時代に伝えられたそうです。他にはない美しさで、静かに注目を集めているびんてまりは、この町でどのように作られてきたのでしょうか。
ガラスびんの中に入った、びん口よりも大きい手まり
「こうやってこうやって斜めにさしていくの。手で覚えているから、口ではうまく説明できないわ」
慣れた手つきを見せながら、土台となる丸い手まりに針を刺していく女性。複雑な技術をいとも簡単にササッとこなしていく姿は、まるで手品のよう。ご年齢を伺うと御年86歳。愛知川びん細工手まり保存会のメンバーで、びんてまり歴約30年という方でした。
丸いガラス瓶の中に、細やかな刺しゅうを施した手まりを作りこんでいくという、時間と技術が織りなす色鮮やかな美しさ…。
びんてまりは、滋賀県愛荘町の伝統工芸品。2011(平成23)年には、県の伝統的工芸品に指定されました。愛荘町民のみで構成される「愛知川びん細工手まり保存会(以降、保存会)」の約80名のメンバーにより、作り続けられています。(※)
愛荘町は、愛知川と宇曽川に囲まれた豊かな自然環境に恵まれた小さな町。江戸時代には中山道の宿として栄えました。古代、渡来人である依智秦氏がもたらした機織の技術など、さまざまな要素が重なり合って、近江上布や近江刺繍という染織文化が育まれてきました。暮らしの中にも手仕事が多く受け継がれており、この地域で嫁入りする際に持参する米袋や打敷などにも、豊かな感性が息づいています。
※2023年3月現在
どうやってびんの中にてまりを? びんてまりの作り方とは? <続きはこちら>
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