裏ハムラを極めた芝医師が
たどり着いたクマ治療の結論とは
いまや、美を語る上で欠かせないワードなのが「美容医療」。とくに目周りのたるみやくぼみは、年齢を重ねることでコスメだけでは解決できない悩みも。そんな目周りの悩みに向き合ってきたクマ治療の専門家・美容外科専門医の芝容平先生のインタビュー第2弾をお届け。今回は先生おすすめの「裏ハムラ法」に加え、「裏ミッドフェイスリフト」や「Pono式PRP皮膚再生療法」など、さらに細かい悩みにフォーカスした施術についても解説していただきました。
第1弾はこちら!
美容外科専門医が教える最新クマ治療根本的に治すなら“脂肪は取らない”
Pono clinic院長 芝容平先生
2008年、防衛医科大学医学科卒業後、形成外科の医局へ。防衛医科大学校皮膚科を経て美容医療に携わったのち、2017年湘南美容外科クリニックへ。熊本院と立川院で院長を務め、2023年2月よりPono clinicを開業。脱脂や脂肪注入をしないクマ治療、裏ハムラ・裏ミッドフェイスリフトは年間600症例以上。
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プロが選ぶクマ治療法「裏ハムラ法」と「裏ミッドフェイスリフト」について
――芝先生が得意とされているクマ治療の「裏ハムラ法」と「裏ミッドフェイスリフト」について、それぞれの治療の効果や注意事項について教えてください。
「裏ハムラ法」は、脂肪をとらない、脂肪注入をしない、皮膚を切らない、脂肪移動術と言われる治療法で、クマ治療の最高峰だと思っています。下まぶたの裏に小さな穴をあけて、そこから目の下のふくらみを凹んでいる部分に移動させる治療法です。眼窩脂肪の突出とボリュームが減少した目のくぼみを1回でまとめて解消し、凹凸を改善することができます。
注意点としては、高い技術が必要とされる治療なので、しっかりと結果を出せる医師が少ないということです。一人ひとりの状態を見極めて、適切な術式を判断することは至難の技で、経験豊富なドクターの腕があってこそ。実際に「他のところで裏ハムラを受けたことがある」とおっしゃっていた患者様を診てみると、ごっそり脂肪をとられていたというパターンもありました。残念ながら術中に脂肪をとられていることを、患者様が気づくことはありません。なので、信頼できて技術のある医師を探すことは、最優先事項です。
また、「裏ハムラ法」は優れた治療法ではあるものの、目の下のふくらみが小さい人は脂肪が少ないため、結果が出にくいというデメリットも。そんな時におすすめしているのが「裏ミッドフェイスリフト」という施術です。これは、 「裏ハムラ法」と下がった頬の脂肪を上に引き上げて凹みに補い、目から頬までの中顔面をリフトアップさせる「ミッドフェイスリフト」を組み合わせたもの。クマの改善効果とともに、若返り効果も期待できます。
しかし、まぶたの小さな穴から中顔面まで正確に施術するのは、まさにボトルシップを作るような感覚。大手美容外科に所属していた時は1日に最大で6名様にこの施術を行って来ましたが、体力も集中力も必要ですし、かなり繊細な技術を要する難しい治療法です。開業した今は施術件数を絞り、より丁寧に一人ひとり時間をかけて対応させていただく方針にしています。
眉間の縦ジワや色グマを根本的に解決したいなら?
――目の周りの凹凸のほかにも、様々な悩みをお持ちの方が多くいらっしゃいます。例えば、小ジワなどへの効果的な対処法はあるのでしょうか?
色グマや、眉間の縦ジワに有効と考えているのは「Pono式PRP皮膚再生療法」です。 PRPとは、自分の血液から抽出した多血小板血漿(たけっしょうばんけっしょう)の略で、そのPRPを肌に注入することで、若返りを目指す再生医療がPRP治療です。血小板の中にはさまざまな成長因子が含まれているため、小ジワや肌のハリの改善、術後の傷跡の治りをサポートする効果などがあります。当院ではさらに独自の配合比率で成長因子を添加し、眉間の縦ジワやほうれい線なども一度で改善が実感できるレベルになりました。
施術時間としては、血液中の血小板を濃縮するために遠心分離を何度かかけるのですが、30分くらいあれば大丈夫です。これを細い針を使って、改善したい場所の正しい層に、正しい量を細かく注入していきます。
たとえば、お悩みの方も多い眉間の縦ジワですが、眉間は、目の方に繋がる動脈が近くにあるため、ヒアルロン酸が打てない部位として知られています。あまりにも眉間の縦ジワが深い場合は、形成外科では、縫い合わせた傷跡の方が目立たないからという理由で、いっそ縦ジワそのものを切り取ってしまう治療もあるほど。そのくらい眉間の縦ジワの治療は難しいものなんです。しかし「Pono式PRP皮膚再生療法」なら、1回の注射で改善することが可能です。
皮膚のコラーゲンを増やす作用もあるので、目の下の皮膚が薄くて血管や筋肉の色が透けて見える青グマなどの色グマにお悩みの方にもおすすめです。皮膚を厚くして色グマを改善するだけでなく、ちりめんジワにも効果があります。額に丸みを作るのも得意ですし、上手くいけば額や首の横ジワも消えるレベルで改善できます。ヒアルロン酸や脂肪を注入するよりもずっとおすすめです。
――「Pono式PRP皮膚再生療法」のデメリットはありますか?
たしかにPRP治療には賛否両論あります。その理由として、成長因子を加えるPRP治療そのものが、効果が長い治療なので、間違った場所に注入して変なふくらみが出たりしこりになったりするとそれも続いてしまうからです。
そのため、成長因子を入れないPRPだけの治療もあります。ただし、PRPのみの治療は料金が高いわりに効果は少しずつという治療なので、実感を得るためには繰り返し施術を受ける必要があります。リスクはないが効果も…ということでしょうか。
一方で、「Pono式PRP皮膚再生療法」は、独自の配合比率で成長因子を添加しているのが特徴です。成長因子を正しい濃度に調整し、正しい量を的確な場所に注入すれば問題はおこらないのですが、そのためには精密な注入技術を要します。なので、私がPRPをやるときは、メスを持って切っている時と同じような気持ちで行うようにしています。逆に言えば、すごく切れ味のいい治療なので、きちんとやれば1回で効果が出るすばらしい治療です。
もちろんリスクはゼロではありませんが、正しく行えばリスクをしっかりと問題のないレベルにコントロールでき、1回でしっかり効果が出せるという大きなメリットがあります。部位によって違いますが、費用は1回20万円くらい。もちろん老化しなくなるわけではないですが、施術した効果は残るタイプの治療で、コスパはかなりいいと思います。
リスクやメリットを考慮して、どの治療がいいのか、お客様が選択していただければいいと思います。
―― 脂肪注入やヒアルロン酸注入、ボトックスとは何が違うのでしょうか?
目の下の皮膚が薄い方に、脂肪を細かく加工(ナノ化)して注入する「ナノファット」という治療もありますが、私個人は懐疑的な立場をとっています。というのも、目の下はそもそも眼輪筋が皮膚とくっついていて、もともと皮下脂肪がない場所。本来ないはずの場所に脂肪を注入する方法には、違和感が残ります。
一方「Pono式PRP皮膚再生療法」は、皮膚にコラーゲンを作る線維芽細胞に働きかけてくれるので、自分自身の細胞や組織で若返ることができます。皮膚が薄いせいで色グマが目立つのであれば、皮膚を厚くするのが根本的な解決法になると思っています。
ヒアルロン酸はゲル状の物質で、目の下など皮膚の薄い場所に注入すると青く透けて見える「チンダル現象」が起きることがあります。また、柔らかいヒアルロン酸は、同じ位置に止まってくれずに広がってしまい、不自然な印象になることも。結局は異物ですし、目の下の浅いところにはあまりおすすめできません。
ボトックスはあくまでもシワの予防のためにするのであって、すでに刻まれているシワをなかったことにすることはできません。なので、PRPなどでシワを改善してから、予防的に打つのはおすすめです。
―― 先生ご自身も「Pono式PRP皮膚再生療法」を受けられているとお聞きしましたが、その後の状態について教えてください。
私自身も、眉間、目の下、ほうれい線にやりましたが、自然な若返り効果で満足しています。
実際、一緒に働いているスタッフもやりたいと言って、以前勤めていたクリニックでは30人以上のスタッフの処置を行いました。「美容医療の中の人」であるスタッフ自身が受けたいと思う本物の治療ですし、これまで大きなトラブルもありません。
美容医療との賢い付き合い方について
――最近は若い方も美容医療に興味を持つ方が多いですが、この傾向をどのように見ていらっしゃいますか?
美容医療に関わる者として、興味を持ってくれる人が増えるのはいいことかなと思います。ただ、いい治療もあれば、よくない治療もあるので、本当に自分が必要なのか、しっかり判断する必要があると思います。
二重にする埋没法なんかは問題ないと思いますが、切開系施術や骨切り、何かを取り除く治療など、一度やってしまうと取り返しがつかない治療は気をつけてほしいですね。将来的に自分の好みが変わる可能性もあるので、本人に譲れない美の基準があるならいいのですが、単に美の流行りを追いかけるのはやめた方がいいと思います。
――美容医療とどのように付き合っていくのがいいのでしょうか?
本当に自分に必要なものだけやればいいので、必要のないものは断ることが大事です。クリニックによっては、安全だけどなかなか効果が見えにくい治療で、何度か通わせる、という利益重視のところもあります。私自身は、1回で効果が見えて、その効果が持続する治療を提供するのがポリシー。クリニックと先生選びは、慎重に行なってほしいと思います。
これまで難しいと諦めていたクマ治療が、「裏ハムラ法」、「裏ミッドフェイスリフト」、「Pono式PRP皮膚再生療法」という難易度の高い治療によって、根本治療が可能に! 1度で効果を実感できるタイパ&コスパがいい治療にも関わらず、まだまだ知名度が低いのは、これらを行える知識や技術を持つドクターが少ないという事情がありました。根本治療を目指すなら、ぜひクマ治療の専門家・芝容平先生のいる『Pono clinic』へどうぞ。
Pono clinicの詳しい紹介記事はこちら。
大注目!新規オープン「Pono clinic」で美容医療をもっと身近に
美容ライター。早稲田大学卒業後、アパレル、出版社勤務を経てフリーに。女性誌やWEBで、美容をはじめ、健康、美食に関する記事、著名人へのインタビュー取材などを担当。好きなことは、スキンケアとファッションと旅行。猫が好き。
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