2023.01.14
世界旅行気分を満喫!巨大国際見本市で出会う、珠玉の工芸品&グルメ
ARTIGIANO IN FIERA(アルティジャーノ・イン・フィエラ)
年一回開催、世界最大の見本市へ
今回は、毎年、年末にミラノで開催される国際見本市「ARTIGIANO IN FIERA(アルティジャーノ・イン・フィエラ)」をレポートします。
場所はミラノ郊外にある、幕張メッセの約4倍という広大な催し物会場。国際色&地域色豊かなブースで埋め尽くされ、10日間の開催期間中は大勢の来場者で賑わいます。全て隈なく見るには3日はかかるので、開店と同時に入場、ターゲットを絞ってスーツケース片手に効率よく周る手腕が問われます。人混みは苦手でも毎年足を運ばずにはいられない、ミラノの年末の風物詩です。
世界旅行気分を味わえるインターナショナルエリア
世界各国のブースが競うように並ぶインターナショナルエリアは、一番人気。内装も気合十分で、 情緒溢れる演出で来場者の五感を刺激します。スペインのブースに並ぶ4つの巨大パエリア鍋から立ちこめる魚介ブイヨンの香りに、思わず足を止めてしまいます。
スタッフとのコミュニケーションも、楽しみの一つです。イランの高級セミドライデーツは、口の中でとろける美味しさ。
注目株は、エキゾチックな世界観を醸し出すサウジアラビア。どこか懐かしい民謡音楽に合わせて踊る男性たちの服装はよく見るとお洒落で、工芸品を手がける女性たちはエレガントでフレンドリー。2019年に開国したばかりの観光誘致も兼ねて、サウジアラビアの魅力をこれでもかとアピールしてきます。
こちらの器は、一年前サウジアラビアのブースで購入したものです。この時接客してくれた店員さんのジャケットが素敵だったのでそれを伝えると、嬉しそうに「ありがとうございます、GUCCIの最新コレクションです!」と言われ、度肝を抜かれたことが忘れられません。
あちこちから差し出される味見だけで満腹になりがちですが、ランチは休憩を兼ねてネパールレストランに入ることにしました。
ランチセット(15€/約2,100円・税込)の肉料理・サラダ・スープは、まさかのカレーオールスターズ。それぞれ違うカレースパイスが使われていてどれも美味しく、カレー好きとしては大満足でした。
全国からとっておきグルメが集結するイタリアエリア
インターナショナルエリアに比べると、イタリアエリアは広々としていて、ワインを片手にゆるりと試食や買物を楽しめます。
こちらは、南部カンパーニア州が誇る水牛の乳製品専門店。モッツァレラチーズやリコッタチーズ、ヨーグルトも、コクがあって贅沢な味わいです。希少価値が高く、鮮度が命の水牛乳製品がミラノでここまで揃うのも、見本市ならではなのです。
個性あふれるコスメも要チェック!
社会情勢の厳しい国々からも、多く出店されています。こちらは一際カラフルで目立っていた、シリアのスキンケアコスメ。オールマイティなソープとして名高いアレッポのソープは、オリーブオイルとローレルオイルだけで作られています。パッケージに大きく書かれている「10%」「60%」などの数字はローレルオイルの含有率で、配合が高いほど洗浄力・さっぱり感が強く、高価になります。
ローレルオイルの実力を確かめるべく、本来乾燥肌には不向きの35%アレッポソープ(10€/約1,400円・税込)を使ってみました。水で馴染ませるとクリーム状になり、洗い流した後は光沢ができるほど肌がツルツルに。季節によってアレッポオイルの配合を変えると良さそうです。他に、ザクロ入りシアバターとキャスターオイル(ヒマシ油)を購入。クレオパトラも愛用していたといわれるキャスターオイルは蜂蜜のような重めの質感で、抜群の保湿力で髪や頭皮、爪などの乾燥に効果を発揮します。
イタリアエリアでは、カラブリア州のこちらのコスメを発見。「ELISABETTA FERRARA」はカラブリアの厳選された植物からできた自然派コスメで、レモンの洗浄力と保護力、イチジクの保湿力などを最大限に引き出したラインナップです。
クレイジェルには、アルニカオイルの他にカラブリアの唐辛子や生姜が配合されています。塗った直後はひんやりしますが、時間がたつにつれてじんわりと熱を帯びてきます。 温熱効果で血流が改善するので、筋肉痛や肩こり、頭痛にも効果を発揮する優れものです。レモンの香りに癒されるハンドクリームには、クレイウォーターとシアバターが配合されていて肌に優しく、フェイスクリームとしても使えます。
このためだけにミラノに来る価値があると言っても過言ではないほど楽しい、冬の風物詩。入場は無料で、サイトでの事前予約が必要です。開催期間等は毎年異なるので、サイトでチェックしてみてくださいね。
映像ディレクターなどを経験し、ヨーロッパなどを旅した後に、NYに留学。そこで出会ったイタリア人の旦那さんとの結婚を機にミラノに。現在は育児の傍ら、通訳や日本食ケータリングのお仕事もしています。人との距離感やテンション、センスなどミラノの全てが大好き! 記事では街やそこに住む人々の魅力も伝えていきたいです。様々な形で日本とイタリアの橋渡しができればと思っています!
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