海と山の幸、祭りのショー、馬車散歩…、青森の文化や食を満喫する旅へ
少しずつ日常が戻ってきてコロナ禍で旅行を自粛していた人たちも、徐々に遠出の旅を楽しむように。久々の旅先としても、定期的に訪れたい場所としてもおすすめなのが青森。世界遺産の白神山地や奥入瀬渓流、八甲田山など自然に溢れ、それぞれ四季折々の魅力を感じることができる場所です。また、海の幸、山の幸が楽しめる美食の土地でもあり、青森ねぶた祭りなど伝統的な行事も盛り沢山。今回、青森の魅力を最大限に堪能できる宿、「星野リゾート 青森屋」を前編で、「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」を後編で紹介します。
ヒバの香りに癒やされて。半露天風呂付きのお部屋で過ごす贅沢
今回泊まったのは、客室「あずまし半露天風呂付」。青森県南部地方の伝統工芸「八幡馬(やわたうま)」の置物や「南部裂織(なんぶさきおり)」のベッドランナーなどがしつらえられています。
客室内には、ヒバの木を使用している半露天風呂が。木々のこずえ、鳥のさえずりを聴きながらヒバの清々しい香りに包まれて入るお風呂はまさに至福。
自然に囲まれたお風呂で森林浴を楽しむ
ちなみに、大浴場の内風呂に使用されているのもすべてヒバの木。「あつ湯」と「ぬる湯」に分かれ、好みの湯温が選べます。
青森の美しい緑と水をテーマにつくられたと露天風呂「浮湯」。まるで、池に浮かんでいるような造りで、自然と一体化しながら温泉を楽しむことができます。季節ごとに装飾や風景が変わるのも趣深い。
迫力満点!寝かせない客室「青森ねぶたの間」
「星野リゾート 青森屋」の名物の客室、青森ねぶた祭をテーマにした「青森ねぶたの間」も見学させていただきました。ねぶた師である竹浪比呂央(たけなみひろお)氏監修により、玄関、主室、寝室など客室全体にねぶたのアートが!
青森伝統の工芸品、きみがらミニぞうり作り
青森屋での人気のアクティビティのひとつが、トウモロコシの皮(青森の方言できみがら)で編むぞうり。かつて国内有数の馬産地であった青森県で、馬の飼料であるトウモロコシの残った皮を活用して生まれたのがきみがらを使った伝統工芸品。
青森屋では実際に馬と一緒に昔ながらの農作業をし、敷地内で育てたとうもろこしの皮を材料としてぞうり作りをします。
可愛いミニぞうりの出来上がり! ぞうりを編む機会なんてなかなかないので貴重な経験。大切なお土産になりました。
馬やポニーたちとの触れ合いの時間に癒やされて
青森で馬を家族のように大切にしてきた文化に習い、青森屋では3頭の馬が在籍し、スタッフと一緒に過ごしています。敷地内にあるふれあい牧場では馬と自由に触れ合うことができます。
馬車に乗って、お団子を焼きながら敷地内を散歩
馬が身近にいた暮らしの一部を体験してもらえるように、という想いで青森屋では敷地内の公園を巡る馬車の運行を実施。自然の景色を楽しみながら、馬のペースに合わせてゆったりと進む馬車の振動が心地よい。
馬車に乗りながら、「じゅねもち」というお団子を焼きました。タレはえごま味噌。えごまの栄養価により、食べれば「じゅうねん長く生きる」という言い伝えでこの名前になったのだそう。甘じょっぱくてクセになる味。
ほたて釣りやりんごジュースが出る蛇口に心躍る
本館1階にあるのが青森の夏祭りの夜をイメージした「じゃわめぐ広場」。ここはまさに別世界。
三味線の音色が流れる中、ズラリと並んだ提灯、ねぶたならではのお面が売っていたり、大人も子供もワクワクする空間。
そして、なんとりんごジュースが出てくる蛇口も!青森産のりんごを使った100%のストレートジュースで、フレッシュで美味しい!
本格的な舞台で観る祭りのショーに高揚!
青森屋の目玉が、青森の祭りの熱気をオリジナルショーで再現した「みちのく祭りや」2022年4月にリニューアルオープンしてショーに特化した会場に。
祭りの臨場感を体感できるように設計された会場。ねぶた師の技術による作品や木製切り絵やねぶた絵が配されていて、細部にまでこだわりが。
全体の構成は、青森の人々が寒さ厳しい冬を耐え、春の訪れを喜び、溜め込んだエネルギーを夏祭りで爆発させるというもの。ストーリーテーリングの間に影絵や和太鼓、津軽三味線などの演出が祭りまでの期待感を高めてくれます。
そしてお待ちかねの祭りの演出がすごい! 迫力満点の山車が急に現れて点灯したり、スクリーンに映る演者のシルエットから本物の演者が出てきたり、仕掛けと祭りの音楽で、会場が一体に! ラストはお客さんたちも舞台に上がって一緒に盛り上がれたり、写真撮影できるのも嬉しい。そしてなんと、ショーの出演者は青森屋のスタッフの方たち。演技も楽器も踊りもプロフェッショナルでその情熱にも感動!
口福! ビュッフェで海と山の幸に舌鼓
海と山に囲まれた青森は、新鮮な食材の宝庫。青森屋では青森で親しまれている食材を使った青森ならではの料理が楽しめます。夜は、ビュッフェレストラン「のれそれ食堂」で。店内に入ると割烹着を着て炉端焼きを焼くかっちゃ(お母さん)が出迎えてくれます。
マグロ丼やお刺身、かっちゃが焼いてくれるほたての炉端焼きや青森名物の山芋の天ぷら。他にも、青森名物のせんべい汁、特製りんごソースのステーキ、アップルパイなど盛りだくさん! 私は海鮮が大好きなので幸せに満ち溢れた空間でした。
※お食事は、仕入れ状況により提供内容が変更になる可能性があります。
歴史ある貴重な古民家で絶品朝ごはんを味わう
朝食は、敷地内にある古民家レストラン「南部曲屋」で。こちらは青森県南部地方にあった古民家で、馬屋と住宅が一体になった貴重な建築物なのだそう。こんな素敵な場所で朝ごはんが食べられるなんてすごい!
お食事は、「古民家のふるさと御膳」。目覚めのりんごジュースから、ホタテ味噌貝焼き、蛤貝のお味噌汁、ねぶた漬けや山芋、りんごドレッシングのサラダなど、青森に来たからこそ味わいたいお料理が色々。少しずつ色々な種類が食べられるのが嬉しい! そして、絶品の土鍋ご飯は最後、出汁茶漬けに。これが最高に美味しかった!
ここに書ききれないほどアクティビティも食も盛りだくさんで、施設内だけでも青森の魅力をたっぷりと堪能できる青森屋。子供からお年寄りまで安心して楽しめて、痒いところに手が届くホスピタリティも星野リゾートならでは。リピーターが多いというのも納得です。
料金:1泊19,000〜(2名1室利用時1名あたり、税込、夕朝食付)
アクセス:青い森鉄道三沢駅より徒歩約15分、三沢空港より車で約20分。
美容・恋愛ライター、美食レシピ研究家。女性誌を中心にライターとして約20年活動。恋愛、美容、食、健康、結婚、出産など女性のライフスタイルに寄り添ったコラム執筆ほかセミナーを随時開催しています。料理家としても活動しておりアンチエイジングを目的とした料理を中心にレシピつきレストラン「Mitsue’s Kitchen」をオープン。
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