2022.05.29
五つ星ホテルで愛されるティーブランドが誘う、豊かなお茶の世界へ。
LA VIA DEL TÈ (ラ・ヴィア・デル・テ)
フィレンツェ発、品質にこだわり続ける茶葉ブランド
イタリアの代表的な飲み物といえばコーヒーとワインですが、世界的に愛されているティーブランドがあることをご存知でしょうか。
「LA VIA DEL TÈ (ラ・ヴィア・デル・テ)」は、ヴェネツィアの世界最古の高級カフェ「FLORIAN」や世界各地の五つ星ホテルでも愛されているお茶のブランドです。
1961年、工業生産の紅茶しか手に入らなかった時代、当時21歳だったアルフレードさんが中国やスリランカなどお茶の産地を巡る旅をし、後にフィレンツェで高品質の茶葉の輸入をスタートしました。旅で触れた日本の茶道に感銘を受けて「茶の道」を意味する「LA VIA DEL TÈ」と名付けたそうです。現在は、アルフレードさんの6人の子どもたちが後を継いでいます。
250種類以上のフレーバーが揃う専門店へ
ミラノのブレラ地区にあるLA VIA DEL TÈのショップを訪れました。
世界各地を巡って厳選された紅茶・白茶・緑茶・ウーロン茶のほか、アルフレードさんの娘、マイスターブレンダーのアンナさんがブレンドしたフレーバーティーやハーブティーなどが豊富に揃います。扱うお茶の数は250種類以上で、こだわりのスパイスも展示されています。お茶の上級者だけでなく初心者も優しく迎えてくれる、温かみのあるリラックスした空間です。
世界の茶器や、アクセサリーも取り扱っています。
茶葉はオーダー後、密封容器から袋に詰め替えてくれます。
コットンで丁寧に作られたティーバッグで淹れたハーブティーは、心に染み渡ります。飲み終わったらすべて土に還すことができ、環境にも十分に配慮されています。個人的にターメリックは単体だと少し苦手なのですが、サンブーコ(ニワトコの花)やローズヒップなどとブレンドされ、さっぱりとしてとても飲みやすかったです。
サロンスペースで、新しいフレーバーを試飲
店内の奥のゆったりとした試飲スペースで、緑茶ベースの新しいフレーバーティー「CAMILLE」をいただきました。日本と中国の緑茶、キウイと洋梨がブレンドされていて、とても優しい味わい。フィレンツェの本店にはカフェが併設されていて、お茶ベースのカクテルなども飲めるそうです。
スタッフのマルゲリータさんはひとつひとつの商品を丁寧に説明してくれました。さらに、お茶を通して日本に興味を持ったのですぐにでも訪れたいこと、オーナーファミリーがいつもスタッフを気にかけてくれ、家族のような信頼関係があることなどを話してくれて、お店の居心地の良さの理由がわかった気がしました。
昨年、イタリア国内のマッジョーレ湖畔で、お茶の栽培をスタートしました。もうすぐ届く初めてのイタリア産の緑茶を、私もプレオーダーしました。
紅茶を使ったリゾットのレシピ
LA VIA DEL TÈでは、カクテルだけでなくお茶を使った料理やデザートのレシピも提案しています。
その中のひとつ、ラプサン・スーチョンという紅茶を使ったリゾットを作ってみました。紅茶の元祖ラプサン・スーチョンは、正露丸のような強い燻香が特徴の高級茶。好き嫌いがはっきりと別れる紅茶ですが、料理に使うと食材の臭みを消して上品な味わい深い一品に仕上げてくれます。
材料 (4人分)
・お米(リゾット用) 350g
・エシャロット 2個
・チコリー 200g
・プロヴォラチーズ (ピザ用チーズなどでもOK) 200g
・ラプサン・スーチョンの茶湯 1L
・バター 80g
・白ワイン 100ml
・グラナパダーノチーズ (他の粉チーズでもOK) 大2
・塩 少々
作り方
1 鍋にバター半量を熱し、粗みじんにしたエシャロットを炒めます。火が通ったら刻んだチコリーも加えます。
2 お米を入れて炒めます。
3 お米の表面にツヤが出てきたら白ワインを加え、アルコールを飛ばします。
4 熱い状態の紅茶を少しずつ加えてお米に吸収させます。
5 塩で味を整え、残りのバターを加えます。
6 グラナパダーノチーズを加え、火を消してこねるように混ぜます。
7 お皿に盛り付けて、小さくカットしたプロヴォラチーズを振りかけていただきます!
このあと、子どもたち用にカフェインレスのプーアール茶を使って同じリゾットを作ってみましたが、味がボヤけてしまいました。ラプサン・スーチョンがワインやチーズの香りを上手く引き締めてくれていたのだと思います。
ぜひ、ご家庭でも試してみてくださいね。
映像ディレクターなどを経験し、ヨーロッパなどを旅した後に、NYに留学。そこで出会ったイタリア人の旦那さんとの結婚を機にミラノに。現在は育児の傍ら、通訳や日本食ケータリングのお仕事もしています。人との距離感やテンション、センスなどミラノの全てが大好き! 記事では街やそこに住む人々の魅力も伝えていきたいです。様々な形で日本とイタリアの橋渡しができればと思っています!
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