2022.05.02
西洋の漢方がすごい!最新の植物療法「ジェモセラピー」とは?
ERBORISTERIA MIMOSA
芽と蕾(つぼみ)から生まれたセラピー
今年も、植物の息吹を感じる季節がやってきました。
美しく咲いた花や葉には生命のエネルギーがあふれていますが、芽や蕾からも秘められたパワーを感じたことがある方もいると思います。実は、この芽と蕾の細胞に、驚くべき薬効があることがわかっています。
「ジェモセラピー」について教えてくれたのは、お馴染みのハーブ専門店「MIMOSA」のルドヴィカさん。
1950年代、新芽や蕾から「植物幹細胞」が発見されました。この細胞は未分化の状態で、将来あらゆる部位となるため、再生能力を備え、植物ホルモン、ビタミンや酵素などが凝縮されていることが科学的研究でわかりました。
「ジェモセラピー」とは、そんな植物幹細胞から抽出したエキスを取り入れています。
体の不調を外側から治療する西洋医学と違い、体の内側から、つまり体が本来持っている能力を引き出して改善していく植物療法(フィトセラピー)のひとつです。東洋医学のアプローチに近く、「西洋の漢方」とも言われています。
植物の種類によって効果はさまざまで、現在80種類以上のセラピーがあります。リラックス、生理痛緩和、エネルギー補給、デトックスなど一般的なものもあれば、かなりピンポイントで薬効を発揮するものも。たとえば呼吸器系では、わずらっている臓器が血小板か肺かで、植物の種類が違います。
100%植物由来で安全性が高く、他の治療薬やセラピーとの併用もできます。ルドヴィカさんは昨年生まれた赤ちゃんにも使ったり、家庭で何種類か愛用しているそう。ただ、年齢制限があるものや効きめの強いものもあり、特に深刻な病気を患っている場合は専門家に相談するなど、きちんと知識を身に付けてから服用することをおすすめします。
基本的な摂取方法
ベーシックなジェモセラピーは、エキスが小瓶に入って売られています。水を注いだコップに15滴垂らし、1日2回飲用します。ほとんど無味無臭で、水を飲んでいる感覚です。
写真の白樺は、デトックス効果の高いエキス。イオン化されたミネラルは体に吸収されやすく、アミノ酸などの栄養、微量元素を含み、冬に溜め込んだ老廃物を出してむくみを改善すると言われています。
セイヨウサンザシのエキスは、心臓循環機能を改善して、ナーバスな気分を落ち着かせる効果があります。
用途に合わせて選べるバリエーション
こちらは、幼児から使える安眠効果の高い口腔用スプレーです。リラックス効果が高いリンデンの蕾や、神経のバランスを整えるイチジクの蕾など、複数のエキスがミックスされています。
肌に塗るクリームタイプのものもあります。こちらのクリームは、かゆみや乾燥、ひび割れなど肌トラブルの救世主。ヒレハリソウの蕾エキスなどが配合されていて、カレンデュラやシトラスの香りが心地よいです。肌の修復と保護機能に優れていて、火傷にも使えます。サンダルの季節に向けたフットケアにも使え、家に常備しておきたいクリームです。
ユニークなのが「歌手のためのシロップ」という名前のこちらのセラピー。歌手だけでなく教師、電話オペレーターなど、声を出す仕事をする人の強い味方となってくれるシロップです。ハンノキの芽のエキスなどが配合され、声帯を柔らかくして疲れを取り除き、声をリラックスさせる効果があります。
日本で購入できるジェモセラピーもあるので、症状や悩みに合ったものがあれば、ぜひ試してみてくださいね。
映像ディレクターなどを経験し、ヨーロッパなどを旅した後に、NYに留学。そこで出会ったイタリア人の旦那さんとの結婚を機にミラノに。現在は育児の傍ら、通訳や日本食ケータリングのお仕事もしています。人との距離感やテンション、センスなどミラノの全てが大好き! 記事では街やそこに住む人々の魅力も伝えていきたいです。様々な形で日本とイタリアの橋渡しができればと思っています!
この著者の記事一覧へ