2026.05.01
お得で美味しくてサステナブル!日本市場に挑む「Too Good To Go」の魅力
世界では飢餓による問題が深刻になっている一方で、生産された食品を消費できず、廃棄せざるを得ない状況にある地域もあります。
世界中で問題視されている日々の”もったいない”を減らしフードロス削減に取り組んでいるのが、デンマーク発のソーシャルグッド企業「Too Good To Go」。2015年に設立され、ついに今年、日本でのサービスも開始されました。
今回は、Too Good To GoでマーケティングとPRを担当している篠原佳名子さんにインタビュー。サービスの魅力から仕組みまでをじっくりと伺いました。
また、後半では実際にToo Good To Goのアプリを活用してみた感想も紹介します。
「サプライズバッグ」がフードロス削減を日常にする

――まずはToo Good To Goのサービスが誕生した経緯について教えてください。
Too Good To Goはレストランで大量に発生するフードロスに対する解決策を見つけたいというデンマークの起業家たちによって2015年に設立されました。その後、ノルウェー、イギリス、フランスでも立ち上げに成功し、北米、そしてオセアニアに展開し、設立されて以来、5億食以上の食品廃棄を削減することに貢献しています。21カ国目としてアジアから初めて日本が加入したことにより、真の意味でグローバル企業に成長しました。現在、世界でのアプリの登録者数は1億2千万人。日々、登録者数が増えています。
――次にアプリのしくみについて教えてください。
カフェやレストラン、コンビニやベーカリーなどの店舗で発生した“まだまだおいしく食べられる食品”をアプリ上で販売し、ユーザーに届けるフードロス削減アプリです。その日の余剰食品を店舗が登録すると、その情報を受け取ったユーザーは、自宅や職場近くの馴染みのある店舗などの食品を、ムダにすることなく美味しく楽しめるというサービスです。名称が意味するとおり、「捨てるには良すぎる食品」を店舗とユーザーの協力のもと活用し、フードロスに貢献できるしくみになっています。
――店舗からでたその日の余剰食品とのことですが、具体的にどんな食品がアプリ上で提供されるのでしょうか?
余剰食品は日々変動するので店舗もどんな食品が残るかは予測できません。ですから、主な店舗では福袋のような“サプライズバック“として柔軟に組み合わせ、本来の価格の半額以下(一部店舗を除く)で提供されます。ユーザーにとっては普段買わない食材や味を試す機会となり、新しい発見や食の幅を広げる体験に繋がると思います。
“捨てるには良すぎる食品を救え”
日本立ち上げメンバー、篠原さんが語るリアル

――篠原さんは日本立ち上げの第一号社員として参画されたとのことですが、日本のフードロス問題の現状に、かねてから問題意識をお持ちだったのでしょうか?
私はこれまでも食の領域でマーケティングの業務に携わってきました。食品が捨てられる現場をたくさん見てきた経験から、これからは自分だけの幸せを考えるのではなく、周りの人にとっても幸せになる方法はないか考えていました。世界で問題になっているフードロスの現場をマーケティングの力でなんとかできないかと真剣に考え始めたタイミングでToo Good To Goに出会いました。入社してからはフードロス問題の課題意識がさらに大きくなりました。
――立ち上げからさまざまな経験をされたかと思いますが、大変だったことはどんなことでしょうか。
立ち上げ当初は、デンマークをはじめとする国々と日本の食に対する考え方の違いを感じました。日本は欧州から距離があり、話す言語も文化も日本独自の島国です。また、食の鮮度に関する考え方が他の国とは大きく異なります。例えば、“賞味期限”と“消費期限”がありますが、その違いを十分に理解しないままとにかく「鮮度がいいものが良い商品」と考える傾向にあります。食に対する文化の違いをグローバルチームに丁寧に説明し伝えることが難しかったです。
――欧州は日本ほど食の期限に対して厳しくはないのでしょうか。
日本に比べると欧州は、賞味期限や消費期限に対して一度買ったものをいかに長持ちさせて使い切るかという意識が強いです。欧州は日本に比べて食品の価格が高いこともあり、一度買ったものは最後まで無駄にしないという考え方が根付いています。さらにサービスに対する考え方も違います。日本は世界的に見ても非常に高い水準のカスタマーサービスを誇っており、その卓越したおもてなし文化があるからこそ、何か問題があった時に即レスがないと不親切と捉えられてしまうこともあります。
――昔ほどではないとしても日本にはいまだに「お客様は神様」のような感覚があるため、グローバルチームとの温度差を埋めることは大変だったんですね。
欧州は、企業や店舗とユーザーがもう少しフラットな関係のように感じています。また、値引きの感覚にも違いを感じます。日本では自信があるからこそ定価で販売したい、大幅な値引きをしてしまうとブランドが毀損されるのではないか、という心配の声も聞くので日本は他の国よりもセンシティブという印象を受けています。グローバルでの価格設定は定価の1/3ですが、現在、賛同いただいている企業とはサプライズバッグという形式で約半額の値引き(一部店舗を除く)をしていただき、企業とユーザーがWIN-WINの関係でやっていけています。
――加盟される企業がブランドの毀損になると懸念される場合、どのようにフォローをされていますか?
営業によって様々な伝え方があるため一概に「これです」とは言えませんが、企業としてフードロスに対する取り組みを念頭に置かれたほうがむしろブランドを守ることに繋がるのではとお話ししています。
“みんながハッピーになる” フードロス削減の新しい形

――日本でのリリースから数か月というところですが、ユーザーからはどんな声が届いていますか?
日本人の方も、お得な話が好きな人は多いはずです。そこへ物価高や円安の流れから美味しい食品を少しでも安く手に入れたいという気持ちが加わり、Too Good To Goの取り組みを「皆がハッピーになるしくみだね」という風に非常にポジティブに捉えてもらっています。
――店舗かユーザー、どちらか一方が得をするしくみではなく、共に嬉しいしくみになっていますね。
店舗がフードロスしたためにユーザーが「助けている」という義務感ではなく、余剰食品を買ったことにより、お得に食品が手に入った、新しいお店とも出会えた、お店も喜んでいる、そして地球にいいことができた、とフードロスに対するアクションをポジティブに捉えていただいているのが嬉しいです。
――日に日に企業(店舗)、ユーザーの登録者数が増えてきていると思いますが、今後はどのような展開を考えていますか?
私たちはフードロスのない社会を目指すことをミッションとしています。1食でも多くのフードロスを減らすためには、できるだけ早く多くの地域で日々のもったいないを減らすフードロス削減に取り組んでいきたいと思っています。
実際にToo Good To Goを利用してみて感じたこと
Too Good To Goの存在は知っていたものの、活用したことはなかったので今回の取材を機会に実際にアプリをダウンロードしてみました。登録に一切のわずらわしさを感じず、簡単に登録することができました。
早速、自宅や職場を登録しお店を「検索」してみたところ、以前から気になっていた「いちふじドーナツ」を発見! お気に入り「♡」登録をしてみたところ、数日後、運よく半額になったサプライズバッグをゲットすることができました。


お得なサプライズバッグを手にできたことも嬉しかったのですが、お店との出会いのきっかけになったことがなによりも嬉しく感じました。一度足を運んだことにより、自分の中でのハードルが下がり、その後も手土産や自分へのご褒美スイーツとして利用しています。
購入後、「マイページ」から節約ができた額と自分がどれだけ地球に貢献できたかが一目でわかるしくみになっていることに感動。私は、ただただ「お得に」そして、「美味しく」ドーナツをいただいただけなのに、自分の小さなアクションがフードロス貢献につながったことが目で見てわかり、嬉しくなりました。

お得な食品を購入できること、お店との出会いのきっかけ作りになること、そしてなによりも地球にやさしい体験ができる“嬉しいことずくめ”のToo Good To Go。最近ではアプリをチェックすることが日課になっています。今日はどのお店でハッピー体験をしようかな♡
■Too Good To Go
公式HP:https://www.toogoodtogo.com/ja
取材・文/安田ナナ
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