2020.09.02
香港料理で叶う、キレイの秘密
薬膳料理は、五行が基になっています。五行とは、自然界の物を「木・火・土・金・水」の性質に分類し、それぞれのバランスを大切にする考え方。もちろん今回教わったレシピにも通じていて、「木に属する黒色をした豆豉は、腎臓の不調や髪や骨の健康によいとされています。火に属する赤色の唐辛子は血液循環を整えてくれ、金に属する白色のハト麦と冬瓜はリンパ系の不調に効果的ですよ」とジャニタ先生。口にする物から体を整えている香港なので、美肌の女性が多いというのも納得! ちなみに“休むときはしっかり休む”というメリハリのある生活習慣も、現地では大切にされているのだそう。これも心身ともにキレイでいられる秘密かもしれませんね。
あさり
香港では、解熱、抗炎症作用、利尿作用、血管詰まりを防ぐ効果があるとされるあさり。実際、カルシウム、マグネシウム、鉄分などのミネラルを豊富に含みます。また、貝類の中でも一番のビタミンB12含有量をほこり、鉄分と一緒に作用することで貧血対策にも効果的。肌や髪の健康を育んでくれる亜鉛も含まれています。
豆豉
黒豆を麹と塩で発酵させた豆豉は、料理に加えると旨みとコクがプラスされ中華料理に欠かせない調味料。漢方では薬としても使われるそうで、五行の世界では黒い食材は腎臓の機能を高めてくれると言われています。血糖値の上昇を滑らかにする作用も。
唐辛子
唐辛子は色によっても属性が変わります。火に属する赤唐辛子は、血の健康にいい働きがあり、アンチエイジングの効果も。木に属する青唐辛子は、肝臓機能をアップさせるため解毒作用があり、新陳代謝を助けてくれるそう。
紹興酒
もち米と麦麹を原料に作られる紹興酒は、中国浙江省の紹興市の特産品。シャンパンと同様に、限られた地域で基準をクリアした物だけが名乗れるお酒です。実はアミノ酸が豊富で、体内では合成できない必須アミノ酸が9種類含まれています。このアミノ酸は、素材の旨みを高めたり、肉や魚介の臭みを取ったり、美味しい料理の隠し味としても働いてくれます。
スペアリブ
糖質を燃やしてエネルギーに変えてくれるビタミンB1を多く含み、タンパク質や亜鉛も補える豚肉。骨付き肉のスペアリブは、豚の腹部近くのバラ肉のため脂身が多い部位だけれど、今回のレシピでは一度湯通しするため余分な脂はカットできるのもうれしいポイント。
ハト麦
精米に比べて2倍のタンパク質や食物繊維を含むハト麦。薬膳の世界では体から余分な水分の排出を促すとされ、デトックス効果が期待できます。また、肌の新陳代謝を助けるため、美肌対策として意識的に摂取したい食材。
冬瓜
実は夏野菜である冬瓜は、そのほとんどが水分で低カロリーな野菜。薬膳では水のめぐりを整えるとされ、体の熱をとってくれたり、むくみ解消にいい野菜として知られています。
クコの実
中国では古くから不老長寿の薬として愛され、楊貴妃も好んでいたと伝わるクコの実。現在は「ゴジベリー」の名でスーパーフードとして注目されています。薬膳料理にも多用されるこの小さな実には、バランスのいいミネラル、目の健康に欠かせないビタミンA、細胞の酸化を防ぐビタミンE、エネルギーの源となるビタミンB群などが含まれ、まさにキレイを育む食材です。
香港の家庭料理はいかがでしたか? 薬膳と聞くと敷居が高く感じてしまうけれど、今回のレッスンで実は簡単に取り入れられることが分かったはず。ちなみに、中華料理で使われるとろみ付けの片栗粉は、「強火で熱を通すと失敗知らずですよ」とジャニタ先生。それぞれのアドバイスと3つの調味料(豆豉、紹興酒、老抽)を取り入れるだけで、本格的な味わいに仕上がるのでぜひ試してみてくださいね。夏の疲れが出やすい時期だからこそ、体の中から癒やして活力を与えてくれる香港料理にチャレンジしてみましょう。