2021.03.17
トルコ料理で叶う、キレイの秘密
トルコ料理といえば、ケバブサンドのイメージが強いかもしれませんが、野菜たっぷりの家庭料理や多種多様な食文化を誇ります。肥沃な土地を有しているので、野菜、果物、ナッツ、オリーブなどの食材の生産量は世界トップクラス。特に地中海周辺で生産される質のいいエキストラバージンオリーブオイルは、他のオイルと比べて抗酸化成分や抗炎症効果、肌に潤いを与えるスクワランなどを豊富に含んでいるので「食べる美容液」ともいわれています。ほかにもヘーゼルナッツやいちじくなど、美容効果が高いといわれる食材が豊富にそろっていることがトルコに美人が多いといわれる理由かもしれません。食以外でも、トルコでは昔からオリーブの石鹸が愛用されています。また、バラの産地でもあるので、日本では高価なローズウォーターやローズオイルが手軽に手に入るなど、自然の恵みを取り入れた基礎化粧品もキレイの秘密なのでは。身体の内と外、双方からのアプローチはぜひマネしたいところですね。
パプリカ
ピーマンの一種で、体の老化を食い止める抗酸化作用と、燃焼力アップが期待できるカロテノイドが多く含まれています。ほかにも、食物繊維、カリウム、ビタミンCなどの栄養素が。それぞれの色にも意味があり、今回使用した赤パプリカには、抗酸化作用のある色素・カプサンチンが含まれています。
なす
カリウムが豊富で、消化器官の働きを整えて摂りすぎた水分の排出を促す利水作用があるので、むくみを流してくれる効果もあります。水に溶けにくい不溶性食物繊維も多く含んでいるので、お通じをスムーズにする効果も。熱を冷ます作用もあるので、暑い時期にもおすすめの野菜です。
サフラン
アヤメ科の植物を乾燥させたスパイス。世界のお米料理の色付けによく使われていますが、元々は精神安定剤、鎮静剤、睡眠薬、抗うつ剤として用いられていました。婦人病の治療薬ともいわれ、血行改善、冷え性予防効果、月経にまつわる症状の緩和効果などもあるといわれています。また、中枢神経を活性化させ、記憶力を増進する働きも。子宮の働きを活発にする作用があるため、妊娠中や授乳期の女性は摂取量に注意してください。
リンゴ酢
リンゴ果汁を主原料にした果実酢で、まろやかでフルーティーな風味が特長。豊富に含まれている酢酸には、血圧や総コレステロールを下げる作用や、血糖値の急上昇を押さえる効果で、生活習慣の乱れに働きかけるほか、内臓脂肪や皮下脂肪を減らす作用もあるといわれています。
ディル
全草にカルボンとリモネンといった薬効成分が含まれているセリ科のハーブ。葉と花は生で、種はスパイスとして活用されています。食欲を増進させて消化を促進するほかに、心を落ち着かせる効果もあるといわれ、漢方では生薬として取り入れられています。
ほうれん草
緑黄色野菜の中でも特に栄養価が高く、レバーに匹敵するほどの鉄分に加え、多種多様なミネラル類、ビタミンB群、ビタミンC、葉酸などが豊富なので、造血に作用するといわれています。また、カロテンの持つ抗酸化作用による肌の老化を防ぐ美容効果も。
にんじん
体内に入るとビタミンAに変化するカロテンの量がスタンダードな野菜の中でずば抜けて多く、免疫力の向上、皮膚や粘膜の強化、髪や肌や目の健康維持などの作用に優れています。カリウムと食物繊維も含まれているので、むくみや便秘を解消する働きも。油と合わせて料理をすると栄養の吸収がさらに高まります。
ヨーグルト
良質なたんぱく質、脂質、カルシウム、ビタミンなどが含まれた、栄養バランスに優れた発酵乳製品。ヨーグルトの乳酸菌には、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整える働きがあり、便秘改善、美肌効果はもちろん、花粉症の緩和にも効果があるといわれています。発酵の段階で乳糖の一部が分解されるため、牛乳を飲んでお腹がゴロゴロする乳糖不耐症の方にもおすすめ。
野菜とオリーブオイル、ヨーグルトなど、抗酸化作用の高い食材を使ったトルコ料理のレシピはいかがでしたか? 複雑なようでいて、実はレシピのほとんどが塩、オリーブオイル、バター、にんにくといった基本的な調味料でできています。素材本来の味を活かしたシンプルでヘルシーな味つけは、日本人の口にもきっと合うはず。以前はなかなか手に入らなかったトルコの食材も、最近ではネット通販や輸入食材店で見つけることができるようになりました。ギュル先生もよく利用しているそうなので、よかったらチェックしてみてくださいね。
ギュル先生
トルコの中でも地中海の最北端に位置するイスカンダル出身。20年前に留学生として来日し、現在は航空会社に勤めるトルコ人の夫と、2人の娘とともに暮らす。料理上手なトルコ人の友人達から本格的なトルコ料理を学んだり、レシピ交換をしたりすることで腕を磨き、様々な場所でトルコ料理を教えるまでに。自宅に友人を招いて料理を振る舞うのが大好きで、レッスンもその延長のように、友人の家に遊びに来たようなアットホームさが人気。生徒からのリクエストに応じたメニューや、トルコの行事に合わせたメニューなど、アレンジ力の高さも魅力のひとつ。
取材・文/依知川亜希子
レシピ協力/ニキズキッチン
ギュルさん料理教室Instagram
>>過去の世界を旅するレシピはこちらよりご覧いただけます。
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