2022.04.28
【世界を旅するレシピ】11ヵ国目 スパイス使いが決め手のインド料理
世界のレシピをその国出身の先生に教わる連載。11カ国目は、インド共和国です。今回は、スーパーマーケットなどで手に入りやすい基本的なスパイスを使って、本格的でありながら面倒な手間を省いた3品+簡単なドリンクを教えてもらいます。
カレーだけではない長い歴史で培った食の奥深さ
5千年以上もの長い歴史を持つ国、インド。12憶人の国民を擁し、広大な土地で育まれた多種多様な人種、民族、カルチャーが人々を魅了し続けています。日本とは異なる、混とんとした雰囲気に魅力を感じる旅行者が多く、「インドに行けば人生が変わる」という言葉があるほど。
インド料理を語る上で、スパイスは欠かせません。一品につき5~8種類をふんだんに使います。肉料理、野菜料理、豆料理など、メニューによって使うスパイスを変えるほか、デトックス、体の余分な熱をとる、体を温める、整腸など、体調に合わせたブレンドも。国土が広いので、地方によってメニューや味つけ、使う素材、調理法などがまったく違うところも特徴的です。人口の大半を占めるヒンドゥー教と、イスラム教の戒律により、牛肉と豚肉はほとんど食べず、食肉は鶏肉かマトンが一般的。同じく宗教上の理由から菜食主義の人が多いので、インド料理にはベジタリアンメニューも豊富です。
今回は北インドの家庭でよく食べられている定番のレシピです。教えてくれるのは、インド北部・デリー出身のスプリヤ先生。初心者でも気軽にできるように、なるべく手数を減らしたレシピで紹介してくれます。ぜひおうちで本格的なインド料理に挑戦してみてください。
インド料理定番の味をおうちで再現
バターチキンカレー
日本ではレトルトで販売されるほど人気、インド料理店で必ずといっていいほどメニューにあるバターチキンカレー。辛さが苦手な人でも食べられるクリーミーでマイルドな味わいが魅力です。実は、タンドリーチキン発祥のお店が残り物を使って偶然できた料理なのだそう。レストランで食べる甘い味つけは、砂糖を入れているということをご存じですか? スプリヤさんのレシピは砂糖を使わず、ケチャップで甘みを出すのがコツ。お店で食べるものとはちょっと違う、北インドを代表する家庭の味です。
材料(2人分)
- ○ 鶏胸肉
- 500g
- ○ 玉ねぎ
- 大きめ1個
- ○ にんにく
- 3片
- ○ しょうが
- 3cm程度
- ○ バター
- 50g
- ○ トマト水煮缶
- 200g
- ○ 生クリーム
- 100ml
- ○ プレーンヨーグルト
- 大さじ3
- ○ カシューナッツ
- 50g
- ○ トマトケチャップ
- 大さじ2
- ○ 油
- 大さじ3
- ○ クミンパウダー
- 小さじ1
- ○ ガラムマサラ
- 大さじ1
- ○ チリパウダー
- 小さじ1
- ○ コリアンダーパウダー
- 大さじ1
- ○ ターメリックパウダー
- 大さじ1
- ○ フェネグリーク
- 大さじ1
- ○ 塩
- 大さじ1
- ○ パクチー
- お好みで
HOW TO COOK
スナック感覚のフィンガーフード
ハラバラカバブ
ヒンディー語で「ハラバラ」は「グリーン」、「カバブ」は「ローストする」という意味。インドでは、国民の40%程度がベジタリアンであるため、動物性食品を使わないメニューが豊富にあり、これもそのひとつです。衣をつけて油で揚げ焼きにする、日本の家庭料理でいうコロッケのようなもの。外はサクサク、中はホクホクの食感で、カシューナッツがアクセントに。片手で食べられるので、パーティーメニューとしても人気です。
材料(2人分)
- ○ ほうれん草
- 1束
- ○ グリーンピース
- 200g
- ○ じゃがいも
- 2個
- ○ 青唐辛子
- 2個
- ○ カシューナッツ
- 8~10粒
- ○ 油
- 200ml
- ○ 生姜のみじん切り
- 1かけ分
- ○ パクチー
- ひとつかみ
- ○ チャットマサラ
- 大さじ1
- ○ 塩
- 大さじ1
- ○ 小麦粉
- 大さじ2
- ○ パン粉
- 100g
HOW TO COOK
パラパラ感がカレーに合う
クミンライス
バスマティライスとは、インドやパキスタンで食べられている細長い形状のお米で、インディカ米の一種。ヒンディー語で「Bas=香り」と「Mati=充満している」という意味があり、ナッツのような香りがするといわれています。日本で食べられている粘り気のあるお米とは違い、パラパラとした軽い味わいが特徴です。クミンライスは、そのバスマティライスをクミンシードと一緒に炊いたもの。クミンの香りが汁気のあるカレーによく合います。
材料(2人分)
- ○ バスマティライス
- 1/2カップ(30分水に浸しておく)
- ○ クミンシード
- 大さじ1
- ○ 塩
- 大さじ1/4
- ○ ギー
- 大さじ1
- ○ パクチー
- ひとつかみ
HOW TO COOK
カルダモンの爽やかさが自慢のマンゴーラッシー
「ラッシー」は、言わずと知れたヨーグルトをベースに作られるインドの飲みもの。スパイシーな料理を食べた後、口の中をさっぱりとさせてくれます。レストランではマンゴージュースを使用されることが多いですが、スプリヤ先生のレシピはマンゴーピューレを使うので、クリーミー&リッチな味わい。グリーンカルダモンをプラスすることで爽やかな風味になります。
【作り方】
マンゴーピューレ1カップ、ヨーグルト200ml、牛乳200ml、砂糖大さじ2、グリーンカルダモン2粒、氷5~6個をミキサーに入れて攪拌する。