SERIAL STORY

2021.08.27

マイペースに日差しと付き合う
長田杏奈のセルフケアノート

著書『美容は自尊心の筋トレ』で、世の中に新しい美容の価値観を生み出した人気の美容ライター長田杏奈さんが、今おすすめしたいコスメや、大切にしているマインドまで、思いつくままにお話ししていただく、連載「長田杏奈のセルフケアノート」。コスメとマインドに分けて公開中。

第四回目は、特にこの時期敵視される「日差し」について。 長田さん流の「日差し」との付き合い方やオススメの紫外線ケアアイテムをご紹介いただきます。

profile

美容ライター

長田杏奈

雑誌やwebを中心に美容やフェムケアにまつわる記事、インタビューを手がける。
著書に『美容は自尊心の筋トレ』(Pヴァイン)。責任編集に『エトセトラ VOL.3 私の私による私のための身体』(エトセトラブックス)。趣味は植物栽培。

Cosmetics

マイペースに日差しと付き合う

取材で訪れたモルディブのラグジュアリーリゾートに、「サンスパ」という施設があった。いかに美しく長持ちするサンタン肌を手に入れるかに心を砕く滞在客に向け、何時頃どのくらい焼けばいいかをアドバイスする。日本ではSPF50+・PA++の日焼け止めが市民権を得ているが、西欧のバカンス客には”ちゃんと焼ける”ようあえてSPF値を低く設定したサンケアが人気。彼らにとって日焼けした肌はステータスであり、シミ・ソバカスは人生を楽しみ、太陽に口づけられた(sunkissed)勲章なのだ。2004年にスマトラ沖地震が起きたとき、私はタイのピピ島にいた。ひと晩山頂で野宿したのち、命からがらの思いで引き上げる船上で、デッキに寝そべって驚くほど陽気に日焼けを楽しむ西欧の人々にたいそうカルチャーショックを受けた。

こと暗く寒い季節が続く北欧では、束の間の日差しを求めてビーチやプールサイドだけでなく、自宅の庭や公園でも水着姿で日光浴する文化がある。これは単なるステータスやレジャーを超えて、心身の健康を守るための知恵でもある。「太陽のビタミン」とも呼ばれるビタミンDは、紫外線を浴びることにより体内で合成される。ビタミンDが不足すると、骨が脆くなり免疫力が低下するなど健康に影響が出るだけでなく、メンタルも低調になりやすくいわゆる「冬季うつ」(季節性情動障害、SAD)を引き起こすことも。このため平均日照時間が短い北欧では、ビタミンD欠乏症を深刻な問題として認知。スウェーデンは、日照時間が短くなる季節に向けて秋分の日である9月23日を「ビタミンDの日(D-vitaminens dag)」に制定している。
本邦でもコロナ禍で外出自粛が促される中、ファンケルが従業員のビタミンDの充足度を調査した結果、欠乏または不足者の割合が高いことが判明。2020年10月から翌年3月まで全従業員に1人6袋(6ヶ月分)のビタミンDを無料配布した。特に、ヴィーガンなど肉や魚からビタミンDを摂りにくい人は、サプリメントを取り入れるのも一考だ。ちなみに、私は昔ながらのカワイ肝油ドロップを愛用している。動物が描かれた缶に入ったカルシウムやビタミンECがお気に入りで、糖衣グミのようなおやつ感覚のチュアブルタイプは子どもたちにも好評だ。

(左から)カワイ カルシウム肝油ドロップ 300粒2,500円、同ビタミンECドロップ180粒3,000円/ともにカワイ肝油ドロップ

ある程度の紫外線は人間の体にとって有用だ。何かと敵視されがちなメラニン色素だって、サンバーンやDNA損傷、酸化ストレスから私たちの肌と身体を守る、自然に備わったプロテクト機能なのだ。それでも私が日焼け止めを塗る理由は、肌老化の原因の8割は紫外線であるとされ、地上に降り注ぐ紫外線の量は年々増えつつありその危険度が増しているからだ。
毎日使う日焼け止めには投資を惜しまない。毎年、紫外線のダメージを防ぐのはもちろん、トリートメント力が高く肌が疲れない一品にこだわって選んでいる。そういう意味では、エイジングケアに優れたアルビオンのスーパー UVカット ハイパフォーマンス デイクリームは、長田好みの王道トリートメント系UVだ。「デイクリーム」と名乗っているとおり、スキンケアクリームに日焼け止め機能が備わったような安心のケア効果で、朝のスキンケアの時短にもなる。コンディションの悪い肌にもなめらかに馴染み、つやっと潤った肌でいられる。日差しが強い時間に外に出る日やくすみが気になるときは、ポーラ ホワイトショット スキンプロテクター DXに頼る。汗や表情の動きに強く、紫外線・近赤外線から肌を守り、大気汚染物質を含むマイクロダストやブルーライトからも肌を守る処方設計。透明感をサポートする成分や糖化や肌荒れ対策にもなる成分を配合していて、使っていると冴え冴えとしたクリアな肌が戻ってくる手応えがある。
長らく「日焼け止めのおすすめを教えて」と言われたとき時に、「心から納得できる本当のおすすめはそれなりの値段してしまうのです…」と後ろめたく感じていたのだが、ついに歴代のプレステージUVに勝るとも劣らない名品が3,850円で手に入る時代がやってきた。2021年いちばんの驚き、オルビス リンクルホワイト UV プロテクターの誕生である。きしみやベタつき、肌疲れを感じさせずにSPF50+・PA++++。シワ改善とメラニンの過剰生成ブロックをWで叶える医薬部外品であり、「これ美容液とかクリームじゃなくて、日焼け止めなんだよね?」と確かめたくなるくらい、使い続けることで肌がいい感じになる。スキンケアクリームの感覚で塗れて大人の肌を満足させる日焼け止めが、この価格で出せるとは思わなんだ。この一品で、オルビスを見る目が熱いものに変わった。

スーパー UVカット ハイパフォーマンス デイクリーム SPF50+・PA++++ 50g 11,000円/アルビオン
ホワイトショット スキンプロテクター DX 〈医薬部外品〉 SPF50+・PA++++ 45g 6,600円/ポーラ
リンクルホワイト UV プロテクター SPF50+・PA++++ 50g 3,850円/オルビス 

朝ごはんの後、リポソーム化されたビタミンC配合のサプリを摂るのが習慣で、最近はオルビスのカラーシナジーやmukiiのビタホリックシーを愛用している。日差しの強い時期は、これに抗酸化サプリもプラス。抗酸化成分が入っていればそんなにこだわりはないのだが、今年はロート製薬のヘリオホワイトと富士フイルムのアスタリフト サプリメント ホワイトシールド​​を飲んでいる。外出前にはボディ用UVやら髪用UVを塗って、UVカットサングラスにモンベルのサンブロックアンブレラ​​という装備。そして、日中の塗り直し用UVとして欠かせない存在なのが、SHISEIDOのクリア サンケア スティックだ。手でいろいろ触りたくないご時世では肌に直塗りできる設計がうれしいし、ほんのりツヤがのるのでスティックハイライト感覚で使える。熱や汗・水によって防御膜が強くなる資生堂独自のシンクロシールドを搭載した​​ウォータープルーフタイプで、マスク蒸れにも安心。家を出るときは天気がいまいちでUVケアを疎かにして日傘も忘れたという日でも、これがポーチに入っていれば安心だ。
ちなみに、外袋には100%植物由来のポリマーを採用。ひとくちに生分解性ポリマーと言ってもピンからキリまであるのだが、SHISEIDOが採用するカネカのPHBH®は、土壌だけでなく海水でも高温低温問わず分解される注目の素材。土に埋めておくと本当に3ヶ月ぐらいで分解されるのでちょっと面白い。
防ぐもよし、ほどよく浴びるもよし。猛暑の折、自分の納得や心地よさを大切に日差しと付き合ってみてほしい。

SHISEIDO クリア サンケア スティック​​ SPF50+・PA++++ 20g 3,080円/資生堂インターナショナル

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