星野リゾート リゾナーレトマム 大自然に抱かれ、私を大切にする旅へ
極上のリゾートを求めて、いざ北の地へ
新しい生活様式がスタンダードとなった今、旅に求めることも変化してきました。身近な国内で、存分に非日常を味わいたい。けれど、身も心もゆるやかに解きほぐすためには、細やかに気を配られた場所で、いかに安心して身を任せられるかも大切です。
そこで今回向かったのは、星野リゾート リゾナーレトマム。
広大な北海道の中腹エリアに位置するこちらで、圧倒的な非日常感と、ドラマティックな大自然を堪能できるリゾート旅を満喫してきました。
ラグジュアリーな全室スイートルームには
展望ジェットバス&プライベートサウナ
リゾナーレトマムでは、全客室がスイートルーム。どの部屋も100平米を超えるくつろぎ空間と、展望ジェットバス、プライベートサウナを備えています。
デザインスイートと呼ばれる部屋タイプでは、それぞれに北海道の自然や風景のエッセンスを感じるしつらえとなっているそう。こちらのお部屋は、北海道在住の写真家による、花や風景のアートで彩られていました。
きらめく朝陽のなかで、夕暮れのまろやかな光のなかで。そして、しんと静まりかえる深い夜の闇に包まれて。刻一刻と変化する自然の表情を味わいながら、湯船に身を放つしあわせを心ゆくまで堪能できました。
いつもよりもじっくりと丁寧に自分の髪や肌と向き合いたくなる、広々と気持ちのいい空間です。
生産者にまで心を寄せて
五感で楽しむ美食のカレンダー
リゾナーレトマムでは、和洋さまざまな食事がいただけますが、今回はこちらのイタリアンレストラン「OTTO SETTE TOMAMU(オットセッテ トマム)」でディナーを。北海道の大自然で育まれた海と山の恵みを、イタリア料理として昇華、その芸術をフルコースでいただけるレストランです。
コースメニューのコンセプトは、「美食のカレンダー」。 四季折々の旬の食材を掛け合わせ、おいしさの「今」を届けてくれるのです。
はじまりの一皿は、エディブルフラワーが咲き誇るこんなおもてなしから。
パリッとした生地のコルノの中には、旨味たっぷりのウニとじゃがいものエスプーマ、そしてこぼれんばかりのイクラには、ディルが香るサーモンのリエットが詰まっています。
温前菜には、エゾ鹿のサルシッチャ。同じく鹿のタンとスネ肉を使ったソースとともに香ばしく焼き上げてあり、とにかくジューシーで、滋味深い旨味がギュッと詰まっています。素材の良さや調理方法に印象を大きく左右されるジビエですが、絶品であることは言わずもがな。
聞くと、冬に向けて栄養を蓄える秋は、鹿肉が一番おいしいとされる季節なのだそう。いただいた命と真摯に向き合い、余すところなく使い切ることを大切にしている生産者から仕入れているとのことで、そんなお話も交えながらいただく一皿は、自然の営みや、命をつないでいくこと、口に運ぶものの大切さ、あらゆることを伝えてくれるようでもありました。
こちらは牛フィレのローストに、トリッパとキノコで旨味を添えたメイン料理。アリゴチーズがはいったポテトピューレと共にいただきました。
さて、ぜひコース料理と一緒に味わっていただきたいのが、ペアリングドリンクです。
ヴァン・ナチュール(自然派ワイン)のワインペアリングはもちろんのこと、お酒をいただけない方にも楽しめる「ノンアルコールペアリング」も用意されています。
ノンアルコールドリンクというと、ジュースの延長のようでちょっと甘すぎたり、味わいがぼんやりしていたりと、本物のカクテルやワインとは、やはり勝手が違うことに物足りなさを感じていましたが、こちらでは、その先入観が見事に払拭されました。 果汁の爽やかさ、唐辛子やシナモン、ジュニパーベリーなどのスパイス、さらにはコーヒーや玉露といった思いがけない味わいの掛け合わせで、どの一杯も、想像をはるかに超える奥深さ。それぞれのお料理にぴたりと寄り添い、互いを引き立てあうペアリングの妙を、ぜひ体感してみてください。
このほかにも前菜からデザートまで、全8皿のお料理を楽しみ、最後はプティフールまで。 まるで、一本の映画を観たような、はたまたひとつの長い旅に出たあとのような満足感とドラマティックな感動に浸るひとときでした。
美食の余韻に包まれながら、もう少し夜を堪能するなら、こんな大人の過ごし方はいかがでしょうか。
リゾナーレトマム近くのホタルストリートにある、ワインハウス「TOMAMU Wine House(トマムワインハウス)」では、北海道内25のワイナリーから厳選した、常時60種以上の北海道産ワインが揃います。
さらに、そのうち16種は少量の30mlから気軽に楽しめるので、食後にもうちょっと飲みたい、自分にあったナチュラルワインに出会いたいと思っている人にもぴったり。 ファーム星野で作られた、フレッシュなモッツァレラにはオリーブオイルを、リコッタチーズにはハチミツをを添えていただきました。
大自然が生み出す贈り物
幻想的な雲海が広がるテラスへ
さて、翌朝はちょっと早起きです。
トマムの雄大な景色に流れ込む雲海を、間近で見られる「雲海テラス」へ向かいました。
早朝4時。ゴンドラに乗って山頂を目指します。
雲海とは、その名の通り雲の海。眼下に広がる雲を高い位置から見下ろし、まるで雲の上にいるような幻想的な体験を味わえます。 今年8月、この展望デッキ「雲海テラス」がリニューアルされ、さらに広く、さらに雲のほうへせり出した形へと生まれ変わりました。
残念ながら私が訪れたこの日は、雲海ではなく「雲中」。デッキは雲に包まれていました。とはいえ、雲のなかを散歩する体験というのも、なかなか神秘的なものです。最初は、雲海を見られないことにがっかりするかと思っていたのですが、とんでもない! 刻一刻と変わる雲の様子を眺めていると、自然の摂理を感じ、今自分が見ている景色は唯一無二で、かけがえのない時間なのだということを、肌で感じられるから不思議です。
雲の上に身体を預けるような「Cloud Pool(クラウドプール)」(左)や「Cloud Bar(クラウドバー)」(右)など、地球にいることを全身で体感できるしかけがあちらこちらに。ゆっくりと歩いて回り、ちょうど30分ほどの散歩コースになっています。
異世界のような空間での散歩を楽しんだあとは、雲海テラスに戻り、併設の「雲Cafe」で雲に見立てたスイーツや雲海コーヒーを。うかがったのは9月頭、この時期すでに北海道の早朝は10度を切っていましたから、コーヒーのおいしさも格別です。
さて、この日、山頂では雲海を見られませんでしたが、翌朝、窓を開けるとそこには雲海が広がっていました。
日高山脈の稜線を背景にした雄大な景色は、都会では絶対に味わえない感動があります。
雲の流れ、空の色、山の緑。見つめていると、だんだん日常の小さな悩みや考えごとも小さなものに感じられ、リフレッシュってこういうことかと、頭ではなく体と心で理解できた気がします。
森の中のレストランで
色とりどりのモーニングビュッフェ
雲の中のお散歩で心地よく体を動かしたあとは、「森のレストラン ニニヌプリ」でモーニングビュッフェをいただきました。
フレッシュなサラダやフルーツ、トマム牛乳にヨーグルト。 北の幸をたっぷり盛り込んだ、いくらやサーモンなどを好きなだけのせてつくる海鮮丼コーナーも。
なかでも、ファーム星野の搾りたて牛乳にじっくり浸したフレンチトーストは、目の前で焼きあがるパフォーマンスも含めて絶品です。ミルクのやさしい甘さと、芳醇なバターの香り。家でつくるものとは、ひと味もふた味も違います。
「最高水準のコロナ対策宣言」を掲げている星野リゾートではビュッフェも新ノーマルスタイル。テーブルやトング、椅子など人が触れるものにはすべて、ウイルスを無力化する「メディカルナノコート」を塗布、使い捨て手袋や消毒の完備、お料理への飛沫を防ぐアクリルカバーなど、多方面からリスクを軽減する取り組みをしており、安心して過ごせました。
極上の香りとハンドトリートメントで
からだのすみずみまでリラックス
さて、今回もうひとつ楽しみにしていたのが施設内にあるスパサロン「スパ レタル」。今回は、とことんリラックスの旅を求めていたので、雲海をモチーフにした、「雲・レタル」の雲・ボディの100分コースをお願いしました。
まずは、雲海のようにふわふわもちもちの泡を使った背中のパックから。手で触れるのとは違う、もっちりとした泡に包まれる感覚は、目を閉じているとほんとうに雲に包まれ、体が無重力になるようで、とろける心地よさ。
泡にはホエーが配合され、しっとり光るような肌に。さらにそこから、全身をオイルでハンドトリートメントしていただきます。
オイルは、北海道のラベンダー、ハッカ、モミの3種類からセレクト。わたしは森林浴のようなリラックス効果が味わえそうなモミを選ぶことに。ウッディな香りとほのかな甘さとが溶け合う、さわやかですがすがしいオイルです。
知らず知らずのうちに、疲れやストレスを溜め込んでいるわたしたち。
丁寧にじっくりと身体をほぐしていただくと、物理的な全身のコリや疲れはもちろん、心までほぐれていくのがわかります。体の声に耳を澄ませる時間は、自分自身を大切にいたわることにもつながります。
終わった後は、全身が軽いだけでなく、心もクリアに。身も心も整う時間を過ごすことができました。
トマムの大自然に身を委ねる
イベントやアクティビティでリフレッシュ
リゾナーレでは、それぞれその土地の自然にあわせたアクティビティが楽しめます。広大な土地を生かしたトマムには、青々としたファームエリアが。 すばらしいお天気のこの日は、牛や馬を眺めがらピクニック気分を味わいました。
憧れの牧草のベッドや、羊たちと一緒に木陰でまどろむハンモック。
見渡す限りどこまでも続く青い芝生と緑の木立を眺めながら揺られていると、完全に日常とは別世界です。羊が気ままに歩いている様子も、かわいらしくて飽きずにずっと眺めていられます。
こちらは建築好きの方なら、ぜひとも訪れて欲しい「水の教会」。建築家・安藤忠雄が自然との共生をテーマに設計した教会で、ここで式を挙げたいと憧れる人も多い、絶景の場所です。
静かな水面にたたずむ十字架を前にすると、聞こえるのは風が揺らす葉の音と、かすかな鳥のさえずりだけ。水、風、光、緑。雄大な自然と一体になり身を置く体験に、きっと心洗われます。
注:通常の見学は夜の時間となります。ライトアップがさらに幻想的なシーンへいざないます。
北の大地のポテトサラダが100種類!
ポテサラジェラートフェスも開催中です
北海道といえば、多品種のジャガイモでも有名です。
ホタルストリートのcafe&bar「つきの」で楽しめるのは、多種多様なジャガイモを、色とりどりのジェラートのように仕立てた一品。ハスカップジャムやトマム牛乳などのスイーツ系から、サーモンいくら、塩昆布などのごはん系まで、なんと全100種類。
至高のポテサラ3種を盛り合わせた「究極のポテサラジェラートセット」は、左から「タワラヨーデル×イクラ×サーモン」、「インカレッド×ウニ」、「今金男しゃく×カニ」。道外ではなかなか見られない希少なジャガイモと、北海道らしい贅沢な海の幸を合わせたセットです(写真左)。
お酒と楽しめる、マリアージュセットも用意されています。こちらは甘さのある「インカのめざめ」に、トマム牛乳を合わせたスイーツのようなポテサラ。しっとりと、とろけるような味わいには、収穫時期を遅らせることで糖度を最大限まで引き上げた「HATSUYUKI Late Harvest」を合わせているそう(写真右)。
こんなにも一度に、いろいろなポテトサラダを食べるのはもちろん初めて。最初は、そんなに違うもの?と思っていましたが、とんでもない! 比べると、ほくほく、しっとり、ねっとりなど、食感だけでもまったく違います。そこに加わる具材のバリエーション。ちょっと驚きでした。
雄大なトマムの自然に包まれて
身体中の空気をリフレッシュさせて
海外のリゾートにでかけると、美食を求めてあちこち移動をしたり、お土産を探しに奔走したり……リラックスのつもりが、つい動き回り過ぎて疲れてしまうこともしばしばでした。
でもリゾナーレトマムで過ごす時間では、どこまでも広がる空と深い緑を満喫し、都会では浅くなりがちな呼吸も深く、体にリラックスの空気が満ちていくのがわかります。なにもせずに、のんびり。牧場を歩きながら、緑や動物の癒しに触れて。大自然のパワーと、ラグジュアリーな豊かさ、両方を贅沢に味わいながら過ごせるのは、リゾナーレ トマムだからこそ。
さあ、次に旅をするときは、どこへ行きますか?
【星野リゾート リゾナーレトマム】
料金:一泊21,900円〜(1室2名利用時 1名あたり、税・サービス料込、食事別)
リゾナーレトマムでは、雄大な土地の恵みを活かし、自然を遊びつくす体験が豊富に。大人旅からファミリーまで、世代やタイプに合わせてアレンジしながら、オリジナルで極上な時間を楽しめます。
今回ご紹介した、ファームエリアでの「巨大牧草ベッド」「羊とお昼寝ハンモック」に代わり、10月は動物が仮装する「動物おばけハロウィン」を開催。
11月はメンテナンスのため休館となり、冬季営業は12月1日〜。幻想的な氷の街「アイスヴィレッジ」がオープンするほか、「氷のホテル」「霧氷クリスマス」など、冬ならではのイベントを多数開催予定です。パウダースノーが魅力のゲレンデで、ウィンターアクティビティも楽しんで。
(※)ゴンドラの運行時間は、時期により異なります。
(※)仕入状況により、メニューや食材の産地が変更になる場合があります。
編集者・ライター。ライフスタイルを中心に、雑誌やwebで取材やインタビュー、コラムなどを手がける。わかりやすい言葉で、わたしにしか書けない視点を伝えることがモットー。
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