【料理家・和田明日香】頭の中の“リアル”をレシピに込めて
「作りやすくて真似しやすい」、「簡単だけどおいしい」と、絶賛されている和田明日香さんのレシピ。手に入れやすい食材を中心に構成され、生活に寄り添ったレシピを掲載した「10年かかって地味ごはん。」(主婦の友社)は25万部突破、好評を博しました。そして、2023年3月3日(金)には「楽ありゃ苦もある地味ごはん。」(同)が発売されます。
料理家・食育インストラクターとして人気を集めている一方、和田さんのまっすぐな生き方に共感する女性も増えています。
そんな和田さんに、新しく出版されるレシピ本のことから、普段の生活スタイルまで伺いました。
お料理はキッチンに立つ前からはじまっている!
——まずは3月に発売される「楽ありゃ苦もある地味ごはん。」について伺います。今回の書籍はどんな思いで作られたのでしょうか?
まさにサブタイトル通り、楽もあれば苦もある…いろんなことがある毎日ですが、私にとってはこの書籍に載っているような地味なおかずを作って食べる時間が自分を取り戻せる大切な時間なので、皆さんにも同じように作って食べて、ほっとしてもらえればいいなと今は思っています。
また、今回の書籍は「献立」に向き合った構成にもなっているので、“ご飯が炊ける時間で作れるおかず”も意識しています。実際、私も毎日、ご飯が炊ける間におかずを作っています。
——書籍には和田さんの“リアル”がつまっているわけですね。
まさにそうです。キッチンに立つ前からお料理ははじまっていると思っているので、私の頭の中を全部、書籍に書かせてもらっています。
でも、私のやり方が正解ではないので、「こうしている人もいるんだな。じゃあ、私はこうしようかな?」というところを見つけてもらえたら嬉しいですね。
——本のテーマにもあるように、和田さんのレシピ本は「生活に寄り添った」レシピがたくさん紹介されているため、料理への壁を低くしてくれることが魅力だと思います。今回は62品ものレシピが紹介されているとのことですが、どんなことを意識して選んだのでしょうか?
普段から作ったお料理は記録用として写真を撮っているので、撮りためたものの中から前作の「10年かかって地味ごはん。」には掲載されなかったものや新たに生まれたレシピたちを選びました。実際に私が何度も家族のために作っているおかずばかりです。
——普段から作られているおかずを紹介されているのですね。とくにご家族に評判の良いおかずはどれでしょうか?
それが、うちの家族は料理についてあまり感想を語ってくれないので、わからないんです(笑)。
「理想は捨てて、もっと気楽に考えてもいいんじゃないかな?」
——タイトルの“楽ありゃ苦もある”にちなんで、和田さんご自身が今回の本を作るにあたって1番“楽”しかったことと、“苦”しかったことを教えてください。
今回の書籍は、おかずを見せることよりも作業工程の表現や文章を書くことに時間がかかりました。たとえば、「じゃがいもの芽を取る」、「ささみの筋を取る」と書いてあっても、お料理ができなかった時の自分は「そんな簡単に言わないで!」と思っていたんです。なので、昔の私のような人を置いていかないように、わかりやすく書くことを心がけましたね。
“楽”にあたる部分は、そうですね…今回は食器スタイリストの方に入ってもらったので、普段、自宅で使っている食器がプロの手にかかることで驚くほど素敵に変身したんです。それを見ているのが楽しかったです。
——本書はお料理に対して少し苦手意識のある方にこそ読んでいただきたい内容になっていると思います。そういった方々へ、何かアドバイスがあればお願いいたします。
どうして苦手だと思っているかにもよりますが、「料理はちゃんとやらないといけない」と思い込んでしまっているのではないかと思います。でも料理は自分の食べたいものを、自分が作りたいように作っていいんです。作れない日は買ってきたおかずだって、外食だっていい。理想を捨ててもっと気楽に、そして自分の料理に誇りを持ってほしいですね。
7年続けているピラティスが自分と向き合う時間
——続いて和田さんのプライベートな部分をお伺いしたいのですが、忙しい日が続いてしまった時の気分転換はどんな風にしていますか?
私にとって家のことの気分転換は仕事で、仕事のことの気分転換は家のことって感じですね。たとえば、3人の子どもが毎日いろんなエピソードを持って帰ってくるのでそれを聞いていると仕事のことを忘れて子どもたちに向き合っていますし、仕事に行けば家のことを忘れて没頭できるので、それぞれが良い気分転換になっています。
——音楽がお好きだと伺ったのですが、お料理を作りながら音楽を聴いたりはしますか?
音楽は大好きなので、その日の気分で聴きたい曲をかけてお料理もしますね。たとえば、疲れているけれど、勢いで作ってしまいたい時はビヨンセの曲を流してパワーをもらったり、余裕のある日は優雅な曲でのんびり時間をかけて作ったりしています。
——音楽がお料理の効率化を手伝ってくれているような感じですね。
まさにそうです。音楽をかけながらお料理を作ると、ペースを作ってもらえるので音楽は欠かせないですね。
——心身ともに健康を維持する上で意識していることはありますか?
3人目の子どもを出産し、卒乳した時に「やっと自分の体が自分に帰ってきた」ような感覚になりました。これからは自分の体のために何かやりたいと思い、近所のピラティススタジオに通ってみることに。そこから週に一度のピラティスを7年くらい続けています。
運動はあまり得意ではないのですが、今ではピラティスだけはやらないと気持ち悪いくらい。これからも自分の健康維持のために続けたいと思っています。
取材・文/安田ナナ
Profile
和田明日香
料理家・食育インストラクター。1987年生まれ、東京都出身。3児の母。料理愛好家・平野レミの次男と結婚後、修業を重ね、食育インストラクターの資格を取得。各メディアでのオリジナルレシピ紹介、企業へのレシピ提供など、料理家としての活動のほか、“食育”や“家族のコミュニケーション”をテーマにした全国各地での講演会やイベント出演、コラム執筆、ラジオ、CMなど幅広く活動する。「10年かかって地味ごはん。」(主婦の友社)は25万部を突破。2023年3月3日に「楽ありゃ苦もある地味ごはん。」(同)が発売される。
■書籍情報
「楽ありゃ苦もある地味ごはん。」
2023年3月3日(金)発売
著:和田明日香
出版:主婦の友社
Amazon|https://www.amazon.co.jp/dp/4074539314/
楽天ブックス|https://books.rakuten.co.jp/rb/17393867/
編集部のおすすめやお知らせをアップしていきます。
この著者の記事一覧へ