2026.03.10
ひらまつが描く次章とは。美しい味を、未来へ紡ぐ“舞台”という挑戦
フランス料理を日本に根づかせ、特別な日の記憶を幾度となく紡いできた「株式会社ひらまつ」。2026年2月末に開催されたメディア発表会では、ブランドのこれまでの歩みと、未来へ向けた明確な意思が語られました。

掲げられたメッセージは、企業パーパス「美しい味を、未来へ。」。“美しい味”と書いて“美味しい”と読む。その言葉には、単なる味覚の充足を超えた価値観が込められています。自然、文化、歴史、食材、生産者、そして人。あらゆる存在に敬意を払い、日本人ならではの感性で料理を磨き続けること。その積み重ねこそが、美しさを宿す一皿を生むという考え方です。
日本の食文化は世界中から注目される存在となった一方で、人口減少や価値観の多様化により、料理人やサービス人材の育成はかつてない課題に直面しています。発表会で印象的だったのは、「食の感性を絶やしてはならない」という強い言葉。店舗を増やすこと以上に、人を育てること。その覚悟が、今回の発表の根底に流れていました。
恵比寿に誕生する第一章「HRMT STAGE」

2026年2月21日、恵比寿駅から徒歩約5分の地に開業した「HRMT STAGE」。都内では実に18年ぶりとなる新規出店です。店名にある“STAGE”が示す通り、ここは料理人、サービススタッフ、そして訪れるゲスト一人ひとりが主役となる舞台。カウンター15席、テーブル14席、個室4席の全33席という構成は、料理と人との距離を近づけ、ライブ感を際立たせます。この店舗は、ひらまつの“新ブランド”として立ち上がるHRMTの第一号店となります。
■HRMTというブランド名に込められた意味
HRMTとは、
Harmony(調和)
Restructure(再構築)
Moment(瞬間)
Tradition(伝統)
4つの言葉の頭文字を組み合わせたブランド名。
伝統を守るだけではなく、時代に合わせて再構築すること。料理、空間、サービスが調和することで生まれる一瞬の感動を、人生の記憶に残る“Moment”へと昇華すること。企業全体のコンセプトではなく、これから展開していく新たなブランドの思想を示す名称です。恵比寿を皮切りに、2028年には表参道エリアでの新店オープンも予定されており、HRMTは今後のひらまつを担う柱として育まれていきます。
■空間そのものが体験となる設計
内装デザインを手がけたのは、デザインオフィスnendo(代表:佐藤オオキ氏)。過度な装飾に頼らず、オープンキッチンを中心に据えることで、火入れの音、立ちのぼる香り、皿を仕上げる繊細な所作までもが空間の一部となります。


天井高を活かした伸びやかな設計。静と動が交錯する空気感。なんと料理人のカウンターは少し低めに設計されていて、お客様との目が合う仕様なのだとか。緊張感がありながらもどこか心地よい。計算し尽くされたその絶妙なバランスは料理を引き立てるための、計算された余白とも言えます。
■コースに縛られず、気分やシーン合わせた楽しみ方
料理はフランス料理をベースにしながら、あえてアラカルト中心で展開。コースに縛られず、その日の気分や時間に寄り添う自由な選択を可能にします。
目指すのは、洗練されたクリアな味わい。素材の質が高い日本だからこそできる繊細な火入れと、重さを感じさせないソース構成。王道の赤ワインソースやトリュフを使ったクラシカルな一皿もあれば、旬の野菜を主役にした軽やかな料理も揃います。肩肘張らず、それでいて記憶に残る味。日常の延長線上にあるレストランという提案です。

素材の質が高い日本だからこそ可能な、澄んだ旨みと軽やかなソース。火入れはより繊細に、味わいはよりクリアに。磨き込まれた味、その先へと進む一皿です。気軽にワイン1杯とアラカルトメニューだけを楽しみにふらっと立ち寄ることができる気軽さも魅力です。

発表会当日は、Chef 志水厚太氏(写真右)とManager 宮﨑竜也氏(写真左)が登壇し、この場所が挑戦と成長の舞台であることも語られました。若手が主役となるこの場所は、未来のひらまつを担う人材を育む拠点でもあります。挑戦を重ねながら、ブランドの次章を描く舞台。その思想が、HRMT STAGEには息づいています。
進化を続ける既存店舗
ブランドの刷新は新店だけではありません。東京・代官山のメゾン ポール・ボキューズは2025年9月にリニューアルオープン。内装、照明、床材を見直し、料理・サービス・建築が一体となる体験へと進化しました。過去への敬意を払いながら、現代的な解釈を加える。その姿勢は、ひらまつというブランドの根幹にあります。

人生の節目を託す場所
私にとっても、ひらまつは特別な存在です。学生時代から、家族の大切な祝い事、自身の成人祝い、祖父母の米寿のお祝いなど、節目節目で“ここぞ”という食事の場として選んできました。


料理の美しさはもちろん、スタッフの心配りや空気感までもが家族の記憶として残っている。信頼とは、そうした体験の積み重ねによって生まれるものだと実感しています。だからこそ、今回の新ブランド発表は単なる店舗情報ではなく、人生の物語を支える舞台がこれからも更新されていくという希望にも感じられました。
美しい味は、人がつくる
今回の発表を通して印象的だったのは、料理そのもの以上に“人”へのまなざしでした。料理人やサービススタッフが誇りを持ち、感性を磨き続けられる環境を整えること。その積み重ねが一皿の完成度となり、やがて誰かの人生の節目を支える力になる、そんな確かな思想が感じられました。

人生の大切な瞬間を託すに足る存在であり続けるために。株式会社ひらまつは原点に立ち返りながら、新たな舞台を整えています。
美しい味は、偶然生まれるものではない。人の手と感性、そして時間が重なり合って立ち上がるもの。恵比寿から始まるHRMTの第一章、そしてその先の表参道へ。華やかさだけに頼らない誠実な革新が、これからも未来の記憶を静かに照らしていきます。
■HRMT STAGE
所在地:東京都渋谷区恵比寿西1-17-13 コルティス恵比寿1F
アクセス:JR恵比寿駅 徒歩5分
公式サイトはこちら
週5フルタイム会社員×週末トラベルクリエイター(旅・食・ホテル)
大学卒業後、大手金融機関で6年間勤務し、その後IT企業に転職。平日は会社員として働きながら、週末や有給を活用して全国・海外のホテルステイやグルメを楽しむライフスタイルを発信中。ライターとしての執筆活動に加え、商品撮影、動画制作なども手がけ、ホテルや観光業界を中心にコンテンツ制作を行う。仕事も旅も全力で楽しむスタイルで、“働きながら旅を楽しむ”リアルな体験をシェア!
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