<#巡る滋賀>地元・信楽に愛される”チーズケーキ専門店”
滋賀県の最大の魅力といえば、滋賀県の代名詞でもある日本最大の湖・琵琶湖。その他、国宝の「彦根城」やユネスコ世界文化遺産の「比叡山延暦寺」など一度は訪れたい観光スポットもまた有名です。
でも、それだけではありません。有名観光スポット以外に焦点を当て深掘りすると、まだまだ知られていない注目ポイントがたくさん! それを知らないなんてもったいない…!
この連載では、「現地の方がおすすめしたいスポットやお店、それをつくるヒトの魅力をていねいに取材し、お届けする滋賀の観光ガイド“巡る滋賀”」の情報を発信していきます。
滋賀県への旅のきっかけやガイドブックとなりますように…そんな思いを込めて滋賀県の新たな魅力をお伝えします。
「どれにしようかな?」信楽のチーズケーキ専門店TORASARUが大切にする、選ぶ味わい。
信楽といえば、まず思い浮かぶのは焼き物やタヌキの置物かもしれません。けれどこの町には、もうひとつ、静かに愛され続けてきた名物があります。ギャラリーカフェ「TORASARU(トラサル)」のチーズケーキです。
陶芸の森やMIHOミュージアムへ向かう途中、山あいの道の脇にふと現れるこの店は、2002年のオープン以来、20年以上にわたって信楽の日常と、訪れる人の時間をつないできました。ショーケースの前で迷う時間、コーヒーとケーキの相性、器や空間との調和。そのすべてを「組み合わせ」として捉えて、丁寧に積み重ねてきた場所です。
京都ではなく、信楽で“どっしり”構えると決めるまで

信楽高原鐵道・信楽駅から近江グリーンロードを車で約3分。少し坂を登る道に進むと、TORASARUが見えてきます。この店を営む副島龍さんの原点は、大学時代に通っていた京都・北山のカフェ「cafe Doji(カフェ・ドジ)」にあります(現在は閉店しています)。

当時は学生だった副島さんにとって、少し敷居が高く、独特の緊張感が漂う場所でした。日常から切り離されたような、その「特別さ」に強く惹かれたといいます。「非日常な感じに憧れていました。こんな場所を、自分でもつくってみたいと、いつしか思うようになっていたんですよね」と副島さん。

当初は京都での開業も考えていましたが、転機となったのは、珈琲に携わってきたオオヤコーヒー焙煎所(KAFE工船)のオオヤミノルさんの言葉でした。「絶対、こっちや。地元でどっしりやる方がええ」。
今でこそ地方で店を構えることはひとつの選択肢として語られますが、当時はまだ「地方創生」という言葉も一般的ではありませんでした。

その言葉が心に残り、実家を改装してカフェを始める決断をします。とはいえ、最初から順調だったわけではありません。90年代のカフェブームの影響を受けた内装でランチも提供していましたが、1週間の売上が2000円ほどという時期もありました。それでも、同級生の作家が器を作ってくれたり、周囲の助けを借りながら、店は少しずつ続いていきました。
「チーズケーキだけでいいんじゃない?」転機となった一言

開業から約10年が経った頃、経営や店の方向性に迷いが生まれていました。そんな時、草津でカフェを営む知人から、ふと投げかけられた一言があります。「チーズケーキだけでいいんじゃない?」
当時のTORASARUは、ランチを含め、多くのメニューを抱えていました。これまでもずと、今もメニュー開発から調理まで、すべてを一人で担当している副島さん。しかしこの言葉をきっかけに、副島さんは大きく舵を切ります。ランチをやめ、チーズケーキに特化するという決断でした。
最初はベイクドとレアの2種類のみ。けれど次第に、「選ぶ楽しみ」そのものが体験になることに気づいていきます。ショーケースの前でお客様が「どれにしようか」と選んでいる時間の様子が、記憶に残っていたのです。


「もっと迷わせますよ、っていう感じですね」と笑う副島さん。定番のベイクドチーズケーキに加え、カッテージ、チョコレート、キャラメル、ゴルゴンゾーラレアなど、常時20種類ほどが並ぶようになりました。冬の閑散期は新作づくりの時間。毎年、少しずつケーキの種類は増え、いつしか数えきれないほどに。こうしてTORASARUは、少しずつ“チーズケーキの店”として知られるようになっていきました。
「味・食感・見た目」の三要素にこだわったTORASARUのチーズケーキ。気になる続きはこちら
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「巡る滋賀」は、おごと温泉 びわ湖花街道が発信する滋賀のローカルガイドです。
地元に住む者だからこそ伝えられることがある。現地の方々が本当におすすめしたいお気に入りスポットやお店、それをつくるヒトの魅力をていねいに取材し、お届けしています。
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