【俳優・長濱ねる】オンとオフの切り替えは「自分のためだけにメイクをする時」
INTERVIEW

2026.03.25

【俳優・長濱ねる】オンとオフの切り替えは「自分のためだけにメイクをする時」

3月28日(土)より配信・放送のドラマ「ストーブリーグ」。

2019年に韓国で放送され、社会現象となったヒューマンドラマ日本リメイク版です。亀梨和也さん演じる野球経験ゼロのゼネラルマネージャーが、最初はフロント陣との衝突もありながらも、万年最下位のプロ野球チーム「ドリームズ」の再建に挑んでいく物語。

今回、「ドリームズ」のフロントで編成本部長を務める蒔田理紗役の長濱ねるさんにインタビュー。現場での学び、またご自身のリフレッシュ方法などについてお聞きしました。

亀梨さんと葉山さんに助けていただいた

――今回、韓国の人気ドラマの日本版ということですが、オリジナルをご覧になられていかがでしたか。

もともとお仕事ドラマが好きなので、とってもおもしろかったです。全員にスポットライトが当たるドラマで、みんなの心の成長やチームとしての成長が丁寧に描かれています。そんな素晴らしい作品をリメイクで作ることに対してのプレッシャーも感じましたし、自分自身、役を務められるか不安に思いました。

――そのあとに脚本を読まれたんですか?

はい。話数が違うのもあって、オリジナル版と全く一緒というわけではないんですが、原作と野球へのリスペクトがこもった脚本になっていたので、その脚本を信じてお芝居をしよう、と思いました。

――脚本を読まれた時点で楽しみになったことはありましたか?

脚本を読んでいる段階では亀梨さんとお会いしていなかったんですが、以前から野球に精通されていることは知っていましたし、亀梨さんに対して寡黙でロジカルな方という印象を持っていたので、GMのイメージとリンクしてワクワクしていました。

――亀梨さん、三谷原を演じる葉山奨之さんとのシーンが多かったと思います。共演されてみていかがですか?

大先輩ですし、大きな懐で両手を広げて待ってくれているようなおふたりで、「何してもいいよ」ということが初対面の時から伝わってきました。自分としてはあまり演じ分けを意識せず、対峙した時に理紗がどんな気持ちになるのか、毎回新鮮に考えられたらいいな、と思っていました。亀梨さんといる時は、初めは不信感を持ち、警戒しているような理紗だったり、葉山さんにはちょっと気が大きくなって余計な一言を言ったり、手が出てしまったり。理紗がドリームズという野球チームが好き、という一本軸を持っていれば、おふたりのお芝居に委ねるだけで理紗としていられたので、本当におふたりに助けていただいたな、と思っています。

「自分を通して役がある」ことに気づいた

――瑠東監督からのディレクションで印象的だったことを教えてください。

瑠東さんはどのシーンでもまず自分自身が何を感じているかを聞いてくださる方で、それは今まであまり経験がないことでした。いつもなら、「理紗はこういう時にどう感じるだろう?」と考えていたんですが、瑠東さんは「長濱だったらどう思う?」「長濱だったらどんなアクションを起こす?」と毎回聞いてくださって。誰かを演じるというのは別の人になるということではなくて、自分自身を通した上でその役があるんだな、と瑠東さんのおかげで知ることができました。演じる役と自分を完全に切り離すのではなくて、役の中で自分と似ている部分や似ていない部分を考え、自分自身の身体を使って表現するということもひとつずつ教えてくださった感覚がありました。「ストーブリーグ」の期間は自分にとって学びが多い時間になりましたし、瑠東さんに出会えてよかったな、と思います。

――撮影に入る前と入ったあとのご自身の変化はありましたか?

私が原作で抱いていた理紗の役は、本当に熱くて、仕事ができて、みんなを引っ張っていく、ちょっと空回ることもあるけれど、愛にあふれているという印象でした。実際に自分が現場の中でお芝居をしている時に、もちろんライブ感もある中だったのでどうしてもかっこいいシャキッとした理紗像ではいられなくなって、当初のイメージとは変わっていきました。でも、完成した作品を観た時に、自分の身体を使った理紗はこうだったんだな、と納得できたので、共演者のみなさん、スタッフさんと作った「ストーブリーグ」がこうなったのはよかったな、と素直に思いました。

――実際に演じてみて、野球について勉強になったことはありますか?

プロ野球って実際に観客として観ると選手の方だけに意識が向いてしまいますが、その裏にはスカウト部長がいたり、広報部長がいたり、新人発掘のためにいろんな場所に足を運んでいる人がいたり。選手の成績だけではなく、身体の状態やこれまでの傾向などをデータで分析する人もいて、キャラクターの新しいグッズを考える人もいます。選手のトレードの時も、ユーモアで言っていましたけど、「この人はカッコよくて人気があるからトレードしたらダメ」とか。それぞれが担当部署の視点でチームを良くしようという思いが伝わるシーンがたくさん描かれています。素直に、「プロ野球ってこんなにたくさんの方が関わっているんだな」と思いましたね。シーズンオフ中も、オフって言っているけれど、運営チームは来季はもっといい結果を残せないかとか、もっとファンの人が増えないかということをずっと試行錯誤しているんだと知って、プロ野球っておもしろいな、と思いました。

――この作品ならではの魅力はどういったところに感じていますか?

野球に詳しい、詳しくないとか、好き、好きじゃない関係なく、働く人に共感してもらえるような作品になっていると思います。働いていると、自分の正義や信念が通らなかったり、自分は間違ったことはしていないはずなのに理不尽にその意見が折られてしまったり、やるせない気持ちになることってありますよね。でも、残酷な部分も描かれているからこそ、共感してもらえるというか…。美談だけではなくて、活躍できなかったらクビになってしまうということも描かれています。その人たちにも家族がいて、子どもがご飯を食べられなくなってしまう。でも、そういう時も容赦なく“勝つこと”を目指していきます。この作品ではそれはどういうことなのかまで描かれているので、私自身、自分の生活に置き換えられましたし、勇気をもらいました。なので、働く中で理不尽な思いをしたことがある方々に届くといいな、と思っています。

メイクが楽しい休日の切り替えに

――お忙しい中で、オンとオフの切り替えはどのように心掛けていますか?

メイクをするとスイッチが切り替わる気がしていて。ひとりで旅行に行ったり、買い物に行く時は自分のためだけにメイクをしたり、かわいい洋服を選んだりすると、「休みの日」という感じがします。いつもだったらぐうたら寝て一日中過ごしてしまいそうな休日を、今日はメイクをして美味しいものを食べに行くぞ、と思うことが、いい切り替えになっているような気がしますね。

――リフレッシュ方法としてよくやっていることがあれば教えてください。

読書が好きです。電子書籍じゃなくて紙で読むと、自然とスマホを触らないんですよね。スマホを触っているとついついSNSを見たり、世の中のニュースを惰性で見ることが多いので、読書はデジタルデトックスにもなりますし、どっぷり自分の時間を使うのがリフレッシュになっています。

――最近読んで印象に残った本はありますか?

高瀬隼子さんの「水たまりで息をする」がすごく好きでした。高瀬さんの小説は読書友だちが面白いよ、と勧めてくれて、今ハマって読んでいるんです。「水たまりで息をする」は旦那さんがお風呂に入れなくなるお話で、いわゆる風呂キャンセルという話なのかな、と思って読み進めていったら思いも寄らない方向に話が進んでいって…意外性があって面白かったです。

ひとり旅ではのんびり過ごす時間も

――今、好きなだけ時間が使えるとしたら、どこに行って何をしたいですか?

甥っ子と姪っ子がいて、たまに帰省した時に遊ぶんですが、いつも最初は人見知りされるんです。慣れてきたころに帰ることになるので、いつも泣かれてばかりで…。好きなだけ時間が使えるなら、甥っ子、姪っ子とたくさん遊んで仲良くなりたいです。

――やっぱり慣れるまでに時間がかかるんですね。

そうなんですよ。一週間ぐらいかかって。それまでずっと人見知りなので全然遊んでくれないんです。一緒に旅行とか行きたいですね。

――ひとりで旅行もされるそうですが、最近は行かれていますか?

去年の秋ごろにウィーンとパリにひとりで行ってきました。美術館を巡ったり、ウィーンは大きな公園があるので、そこでなにもしないでボーッと芝生に座ったりしていました。

――旅先ではひとりでぼんやりする時間も多かったり?

多いですね。ふらっとカフェに入って街行く人を見ていたりとか、美術館を歩いてまわったりとか、ひとりでのんびりする時間が多いです。

――次に行きたい場所はありますか?

うわぁ、迷う…どこだろうな。イタリアの下にあるマルタ島に行ったことがなくて。猫がたくさんいて楽しいよ、と聞いたことがあるので行ってみたいです。

――旅の必需品はありますか?

カメラと本ですね。あと最近、ファンクラブ用なんですが、VLOGを撮るのにハマっています。VLOG用のカメラを持っていると、ひとりなんだけどひとり旅じゃない気分で起きたこととかを話せるので持ち歩いてます。

――最後に。“キレイな人”と聞いて、長濱さんはどんな人を思い浮かべますか。

凛としている人が好きで…。昨年、板谷由夏さんと作品をご一緒する機会が多かったんですが、板谷さんは佇まいもかっこいいですし、人との距離の詰め方が柔らかくて、気さくで。キャリアウーマンとしてもママとしてもどちらも楽しんでやられているので、かっこよくてキレイな人だな、といつも思って見ています。

Profile
長濱ねる
1998年生まれ、長崎県出身。2019年に欅坂46を卒業後、俳優として活動。NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」、ドラマ「ウソ婚」「若草物語 -恋する姉妹と恋せぬ私-」「いつか、ヒーロー」「おコメの⼥ -国税局資料調査課・雑国室-」などの話題作に多数出演。2026年夏には映画『ラブ≠コメディ』の公開を控える。

■ドラマ「ストーブリーグ」
2026年3月28日(土)より、Lemino・WOWOWにて一挙放送・配信
出演:亀梨和也 長濱ねる 葉山奨之 梶原善 木村柾哉(INI)/板尾創路 勝地涼 甲本雅裕 剛力彩芽/吉田鋼太郎/野村萬斎 ほか
監督:瑠東東一郎
脚本:吉髙寿男、中村允俊
©FANY Studio

撮影/金井尭子
取材・文/ふくだりょうこ

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