2026.02.02
コスパ最強の“プチプラ”ブランドに見る、パリに根付くスキンケア習慣とは?
パリの街を歩いていて見かける、行列の絶えないショップ。それは、新しいブティックでも、有名人がプロデュースしたお店でもありません。プチプラに特化したフランスのスキンケアブランド「AROMA ZONE(アロマゾーン)」です。
実は、ここ数年のパリでは、10ユーロ以下で買える「プチプラ美容液」が一大トレンドになっています。日本円でも1,000円台で購入できるのですから、一度は試してみたいですよね。
質の高いオーガニックコスメを、ドラッグストア感覚で。…ということで私も愛用しているのですが、AROMA ZONEではなんと、スキンケアをDIY(手作り)できてしまうアイテムも揃っているのです。
今回はその様子と、ブランドの人気商品についてご紹介します!
AROMA ZONEってどんなブランド?

AROMA ZONEは、1999年にエッセンシャルオイルのオンライン販売からスタートしたブランドです。現在はフランス国内に複数店舗を構え、パリ中心部には3つのショップが存在しています。
特徴は何といっても、圧倒的なコストパフォーマンス。オーガニック認証を受けた原料を使いながら、美容液やローションといった完成品は1本10ユーロ(約1,850円)以内が中心。さらに、手作り用の原料やキットも充実していて、そのすべてが低価格で販売されています。
つまり、完成品+手作り用アイテムの両方がある、珍しいスキンケアブランドというわけです。

ラインナップは、AROMA ZONEの原点といえるエッセンシャルオイル、スキンケア、カラーリング剤、シャンプー、そしてDIYで使う容器の類まで。「作りたい人はとことん作れる」という品揃えも嬉しいところです。
オーガニックや手作りと聞くと、ちょっとハードルが高く感じるかもしれません。しかし魅力は(繰り返すようですが)、やはりその価格帯です。初めてでも、失敗してもいいから、楽しんで“キレイ”を目指せることに意義があるのだと思います。
もちろん、スキンケアのDIYレシピは公式ホームページに記載されてあるので、誰でも安心して行うことができます。
手作りが“特別なこと”ではなくなったパリ。コスパと満足度を求める人々

では、どうしてこれほどまでにプチプラ・DIYコスメが流行っているのでしょう。
近年のパリでは、スキンケアでもグッズでも、自分で何かを作ることが大きなトレンドになっていると感じます。この背景にあるのは、2020年から3度続いたコロナ禍のロックダウンで間違いありません。「時間があるから何か作ってみよう」という流れから、手作りの趣味が一気に広まりました。

その熱は一時的なブームで終わるかと思いきや、2026年の今も形を変えて続いています。よく耳にするのは、「刺繍」「お菓子作り」「手作りのアクセサリー」、そして「手作りのスキンケア」の4つ。仕事に家事に子育てに…とパリの人々も大忙しですから、日常を離れること自体が癒やしになっているのかもしれませんね。
どちらかというと、タイムパフォーマンスよりもコストパフォーマンス+精神満足度の方を求めているイメージです。パリ中心部は特に物価が高いので、コスパの良さはいちばん重要視されています。
2025年もっとも売れたアイテム
とはいえ、2025年~2026年のパリでは、スキンケアを「すべて手作りする」といった極端なスタイルを選ぶ人は、以前より少なくなっているように感じます。
たとえば、平日にはAROMA ZONEのプチプラ美容液でスキンケアをパッと済ませる。そして時間に余裕のある週末には、ヘアカラー剤やクレイマスクを自宅でじっくり仕込む。そんな柔軟な付き合い方が、今の主流になってきているのではないでしょうか。

それの裏付けともいえるのが、AROMA ZONEの公式サイトで公開された2025年のベストセラーアイテムです。
上位に並んでいるのは、かつての主役だった手作り用の原料ではなく、既製品の美容液が中心。このランキングを見ても、現在の人気がどこにあるのかは一目瞭然です。



手作り派に人気の高いクレイマスクをDIY!

私も、時間のある時にはAROMA ZONEのスキンケアをDIYしながら使っています。基本的には混ぜるだけでOKなので、特別な知識や技術はまったく必要ありません。防腐についても天然由来成分を使用するなど、安全面への配慮が徹底されています。
さて、私のお気に入りはこちらのお手製クレイマスクです。自身で作るクレイマスクは、AROMA ZONEでも非常に人気の高いレシピなのだそうです。

使用する材料は以下の3つ。
・Argile montmorillonite verte surfine(グリーンクレイ)……大さじ2
・Exfoliant Perles de Bambou(バンブーパール スクラブ)……小さじ1
・ローズマリーのエッセンシャルオイル……適量

作り方はいたってシンプルです。
STEP 1:
パウダー類を混ぜ合わせ、ペースト状になるまでミネラルウォーターを少しずつ加えます。
STEP 2:
でき上がったペーストをTゾーンにすぐ塗布し、円を描くようにやさしくマッサージします。
STEP 3:
5〜10分ほど置いたあと、たっぷりの水で洗い流します。1週間に1~2度の使用頻度です。

これらは作り置きはできませんが、材料に使った金額は3つ合わせて13ユーロ(約2,400円)ほどでした。原料を使い切るまで何度も作れるため、私の場合は結果的に1ヶ月あたり1~2ユーロ(約185円~370円)前後という驚異的なコスパになっています。
見た目は多少“手作り感”があっても、自分で選び、自分で作ったという満足感はかなり高め。使い心地もスッキリとしていて申し分なく、「これで十分」と思わせてくれる完成度です。
スキンケアは市販とDIYのハイブリッドが楽しい

市販でも手作りでも、スキンケアで大切なのは「無理なく続けられるかどうか」にあると思います。これが複雑なDIYだと頭が疲れてしまうので、シンプルなものがいちばん良いですね。もちろんプチプラという価格帯も、物価の高いフランスでは本当に助かっています。
AROMA ZONEでは他にも、香り付きのリップクリームやハンドクリーム(いずれも2,95ユーロ、約545円)が既製品として販売されています。これらは新しい「パリのばらまき土産」としても良いのではないでしょうか。
AROMA ZONEがパリに定着してから、すでに数年以上が経ちました。それでも店を訪れるたびに、「次は何を作ろう?」「今度は別の美容液も試してみたい」と、美容への好奇心が刺激されています。
※1ユーロ ≒ 185円(2026年1月22日時点の為替レートです)

フランス在住。美容部員、メイクアップアーティストを経て、2019年からライターに。香りやコスメが大好きで、現地パリから最新情報をお届けしています。趣味はヨガと水彩画とパリの美術館めぐり。美容のほか、アート・エシカル・ライフスタイルなど、日本とフランスをつなぐ読みものを発信。
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